白百合学園中学校 入試対策
2022年度「白百合学園中学校の国語」
攻略のための学習方法
分析
読解問題は、例年、文学的文章と説明的文章の2題が出題されている。文章量はそれほど長くはなく読みやすい文量である。
記述式問題が大きな比重を占めている。50字から80字程度の記述問題を中心に、数題出題され、字数指定がない場合もある。記述対策が必要である。
また、読解問題の中に言語事項の問題が含まれている。幅広く出されるので言葉の知識関連全般は、ひととおりでよいのでしっかり覚えておく。
素材文は、受験生に近い年齢設定・理解しやすい題材を使ったものが多い。読みやすいと感じた受験生も多かったのではないだろうか。物語文は学童・学生などを主人公にした設定が多い。説明的文章は文化論・人生論・科学など、題材は多彩である。説明的文章の読み方の基本をしっかりおさえて、記述問題を含め、できる限り得点してほしい。
素材文の総字数は、5000~6000字程度のことが多い。上位難関校として、多い字数ではない。
ただし、制限時間が短く、記述問題が複数出題されているため、スピードが必要になる。文章は、10分程度以内に読み終えたい。
記述
記述問題もさまざまな内容で出題されている。
説明的文章は文章中に書かれた内容をまとめることで対処できそうなものが多いが、文学的文章は心情や行動の理由などを文脈から考えて自分で答えなければならない問題が多いので難しい。
読解記述の基本の型をおさえた上で、高度な類推が必要な記述問題にも取り組んで、対策を進めていきたい。特に、女子校の試験ということもあり、文学的文章の問題での得点が合否の分かれ目になることが予想されるので、小説の読解と記述対策には十分力を注いでいただきたい。
雙葉中、桜蔭中の記述問題や、学習院女子中、鴎友中の記述問題も、練習として役立つであろう。
知識
語句問題、漢字問題は、例年、必ず出題がある。
年度によって、独立問題、読解問題の小設問、という違いはある。ただし、どのような形式であっても、語句・漢字が出題されるということはおさえておきたい。
語句に関して特に、ことわざ・慣用句・四字熟語・和語など、それほどの難問ではないので、中級レベルの教材を一冊しっかり仕上げておきたい。
漢字に関しては、学習している漢字テキストを確実にマスターしておこう。
過去問演習
過去問で記述問題の字数や設問の種類などに十分慣れておきたい。
40分という制限時間内で最後まで手をつけられるように効率よく解くこつをつかもう。まず解答用紙・問題用紙の全体に目を通し、内容を簡単に確認しておおまかな作戦を立てられると楽である。
記述問題も空欄をつくらず、部分点をかせげるように。
漢字問題は、素早く終わらせる。ただし、表記のていねいさは意識して不用意な減点を受けないようにしよう。
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2022年度「白百合学園中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
小説2300字・論説文2800字で計5100字ほどの文量で総解答数は19問と、例年通りである。問題数が少なめで記述問題に時間をかけられる形である。選択肢問題などを早めに済ませて、記述問題をしっかり考え得点をあげたいところ。1分600~700字の速度で読めるよう練習しよう。
【大問一】論説文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:20分
- ★必答問題
植物が捕食者から身を守る方法を紹介し、なかでも誘引物質を出すことについて特に詳しく説明している。
問一 a. 幹 b. 能 c. 退治
問二 初夏にいっせいに開葉が起こる→開葉したばかりの柔らかい葉を好むイモムシが大量に発生する→イモムシを捕食する鳥が豊富なエサを得られるこの時期に繁殖期を開始する、という流れを80字ほどでまとめる。
問三 書かれているのは、水分の含有量が減って堅くなる・生物の栄養源となる窒素を減らして食物としての価値を下げる・タンニンなどの有害物質をためる、の3つであるが、直接には上記のうち二番目・三番目が重要であろう。
問四 ナミハダニがリママメを食べる→リママメがナミハダニの天敵であるチリカブリダニを呼び寄せる物質を出す、という関係を取り違えないようにしよう。
問五 「敵(ナミハダニ)の敵(チリカブリダニ)」である。
問六 リママメの実験は植物が誘因物質を出すこと、ナズナの実験は誘引物質の量的効果をそれぞれ確認している。
問七 ウ. 〈中略〉直前の段落の内容と合う。
【大問二】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:20分
大叔父の畑を手伝ううちに希少な「鳴海の茄子」の生産を途絶えさせたくないとの思いが強くなり、主人公は茄子の栽培を手伝う決心をする。
問一 a. 昨今 b. 不格好(不恰好)
問二 釘を刺す――あとで問題が起きないように、あらかじめ注意しておく。
問三 備前焼のような、伝統もあり広く認められている物ならば特別な指定を受けるのもわかるが、単に植物の一種である茄子が「伝統野菜」に指定されているなんて、と意外だったのである。
問四 この「絶」は「かけ離れてすぐれている」「この上なく」というほめる意味で使われている。
問五 大叔父の言葉で説明されている。「なにかと手が掛かり、色が薄く見栄えが悪く、品種改良で綺麗で育てやすい茄子がほかにたくさんある」ので、他の農家は「鳴海の茄子」の栽培をやめてしまったのである。
問六 「鳴海の茄子」を扱う農家が二、三軒しかないと知り、せっかく価値のある茄子なのにやがて全く栽培されなくなってしまうのではないか、何とか残せないのかと思っている。
問七 老齢で難しくなっていた種の選別を主人公が手伝うと言ってくれたのでうれしく思っている。
問八 人生で初めて「頼もしい」と言われ、嬉しいのだが恥ずかしくもあり、どういう態度をとったらいいのかわからず困っている。
攻略のポイント
合格者平均点が高く、70点ほどにもなる。漢字・語句がすべて正解・記述部分の得点が5割・各大設問の選択式問題の誤答が二つ以内程度、これくらいの得点でおよそ合格者平均点に達すると思われるので、この程度の正答率を目指したい。
素材文を読む時間は10分~12分程度に納め、残りの時間を解く時間にあてたい。
記述問題は規定の字数=9割を目標に埋めて、完璧でなくてもよいので部分点をねらう。
誤字脱字は減点される。文字は、急ぎながらも正確にていねいに書く。
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