白百合学園中学校 入試対策
2023年度「白百合学園中学校の国語」
攻略のための学習方法
分析
読解問題は、例年、文学的文章と説明的文章の2題が出題されている。文章量はそれほど長くはなく読みやすい文量である。
記述式問題が大きな比重を占めている。50字から80字程度の記述問題を中心に、数題出題され、字数指定がない場合もある。記述対策が必要である。
また、読解問題の中に言語事項の問題が含まれている。幅広く出されるので言葉の知識関連全般は、ひととおりでよいのでしっかり覚えておく。
素材文は、受験生に近い年齢設定・理解しやすい題材を使ったものが多い。読みやすいと感じた受験生も多かったのではないだろうか。物語文は学童・学生などを主人公にした設定が多い。説明的文章は文化論・人生論・科学など、題材は多彩である。説明的文章の読み方の基本をしっかりおさえて、記述問題を含め、できる限り得点してほしい。
素材文の総字数は、5000~6000字程度のことが多い。上位難関校として、多い字数ではない。
ただし、制限時間が短く、記述問題が複数出題されているため、スピードが必要になる。文章は、10分程度以内に読み終えたい。
記述
記述問題もさまざまな内容で出題されている。
説明的文章は文章中に書かれた内容をまとめることで対処できそうなものが多いが、文学的文章は心情や行動の理由などを文脈から考えて自分で答えなければならない問題が多いので難しい。
読解記述の基本の型をおさえた上で、高度な類推が必要な記述問題にも取り組んで、対策を進めていきたい。特に、女子校の試験ということもあり、文学的文章の問題での得点が合否の分かれ目になることが予想されるので、小説の読解と記述対策には十分力を注いでいただきたい。
雙葉中、桜蔭中の記述問題や、学習院女子中、鴎友中の記述問題も、練習として役立つであろう。
知識
語句問題、漢字問題は、例年、必ず出題がある。
年度によって、独立問題、読解問題の小設問、という違いはある。ただし、どのような形式であっても、語句・漢字が出題されるということはおさえておきたい。
語句に関して特に、ことわざ・慣用句・四字熟語・和語など、それほどの難問ではないので、中級レベルの教材を一冊しっかり仕上げておきたい。
漢字に関しては、学習している漢字テキストを確実にマスターしておこう。
過去問演習
過去問で記述問題の字数や設問の種類などに十分慣れておきたい。
40分という制限時間内で最後まで手をつけられるように効率よく解くこつをつかもう。まず解答用紙・問題用紙の全体に目を通し、内容を簡単に確認しておおまかな作戦を立てられると楽である。
記述問題も空欄をつくらず、部分点をかせげるように。
漢字問題は、素早く終わらせる。ただし、表記のていねいさは意識して不用意な減点を受けないようにしよう。
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2023年度「白百合学園中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
小説2600字・論説文2100字で計4800字ほどの文量で総解答数は24問と、例年通りである。
問題数が少なめで記述問題に時間をかけられる形である。選択肢問題などを早めに済ませて、記述問題をしっかり考え得点をあげたいところである。1分600~700字の速度で読めるよう練習しよう。
【大問1】論説文の読解
- 難度:標準
- 時間配分:22分
- ★必答問題
灰色の色としての性質や効果について説明し、日本は灰色に独特の美を見出していると述べている。
問一 a. 高貴 b. 混乱 c. 新緑 d. 反映 e. 洗練
問二 Ⅰ 灰色・グレーにはあまり良いイメージはない。「しかし」身の回りには意外と多い。
Ⅱ もしあらゆる場所に鮮やかな色がつけられていたら……「あるいは」室内の灰色の部分をすべて違う色に塗り替えたら……。
Ⅲ 色を差し引くと光と影に敏感になる。「たとえば」新緑の木々から色を差し引くと……。
問三 A. 公共――公衆が共有すること。
B. 名残――過ぎ去ったあとに、気配や余韻が残っていること。
問四 この「ある」は連体詞で、特定しないで漠然とものごとを指す。「ある日」「ある時」など。
問五 最後の段落で、日本文化はそんな世界に「どんなカラフルな色にもまさる、最高の美」を認めることもできる、とまとめている。
問六 灰色が使われる利点として、特別な感情に結びつかず、感覚と感情の安定を支えていることを評価している。
問七 特別な意味を持たないがゆえに感情や感覚に影響をあまり与えないという、いわゆるビタミンカラー(元気が出る色)とは逆の「消極的」な意味で役立っているわけである。
問八 その理由を考える例として白黒写真を挙げている。色を差し引くせいで「光と影に敏感になること」ができ、灰色のなかに「光と影の戯れを見て楽しむことができる」のである。
【大問2】小説の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:18分
自分より弱い兄を持つことで寂しい思いを抱く主人公の心情が描かれる。
問一 A. ~を禁じ得ない――~を抑えることができない。
B. あながち~ない――必ずしも~ではない・一概には言えない。
C. ~を争えない――はっきり現れていて、隠したり否定したりできない。
問二 兄を打ち負かしたときに感じた「淋しさ」について、「済まない」という気持ではなく、自分より強い兄でいてほしかったという願いのようなものであることが語られている。
問三 「兄がこんなだから僕まで友達に馬鹿にされるのだ」と、弱い兄を持つことで自分も傷ついていると感じている。
問四 「もう一回角力をとってこんどは負けてやろう」と思ったのは、兄に気を取り直させたり、兄に勝ってしまった失礼をわびたりしたからではなく、「頼みがいのない兄を持った自分の淋しさを癒そうと考えたから」であると独白している。
問五 自分なりの考えで二回目の角力はわざと負けたのだが、その結果友だちは兄を褒めるのではなく主人公を罵り、兄は騙されて得た勝利に気づかず喜んでいる。取り返しのつかない侮辱を受けて主人公は無念を覚え、「深い後悔の念が堪えられないほどわき出た」のだと書かれている。
問六 イ. 二回目の角力のあとで友達が口にしている内容と合う。
オ. 弟に負けてウソ笑いでごまかしている兄を見て感じた「淋しさ」にはふがいない兄への腹立ちも含まれている。
攻略のポイント
合格者平均点が高く、70点ほどにもなる。漢字・語句がすべて正解・記述部分の得点が5割・各大設問の選択式問題の誤答が二つ以内程度、これくらいの得点でおよそ合格者平均点に達すると思われるので、この程度の正答率を目指したい。
素材文を読む時間は10分~12分程度に納め、残りの時間を解く時間にあてたい。
記述問題は規定の字数=9割を目標に埋めて、完璧でなくてもよいので部分点をねらう。
誤字脱字は減点される。文字は、急ぎながらも正確にていねいに書く。
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