白百合学園中学校 入試対策
2021年度「白百合学園中学校の理科」
攻略のための学習方法
白百合学園中の満点は75点、今年度の合格者最低点は7割程度で、昨年度に比べてやや難化している。ややレベルの高い問題も見られたが、標準的なレベルの問題が多い。試験時間の30分に対して問題数が極めて多いことが特徴である。いかにスピーディーにミスなく答えられるかが、本校理科攻略のキーポイントである。問題の形式としては、問題文・図・絵等を読み取った上で答える問題が中心であり、計算問題や簡単な記述問題も含まれる。本校攻略のための学習方法としては、基本を早期に固め、過去問等時間を意識した問題演習に時間をかけたい。できる問題から回答欄を埋めていくといったテストテクニックも必要になるだろう。知識だけで答えられる問題は迷わずに解答できることが大きなポイントになるので、まずは何といっても基本をしっかり身につけることが最大の攻略法になる。
<分野毎の学習法>
生物分野
本年度は食物連鎖と環境問題に関する出題であった。過去の出題では、植物の種子と発芽、植物のつくりと働き、動物の分類、プランクトンと顕微鏡の使い方、人のからだの働きなどに関する出題などが見られる。この分野の学習法としては、植物の分類・つくり・はたらき、昆虫や動物の分類など基本知識を確実に覚えることが第一である。また、光合成を確認するための実験方法、顕微鏡の使い方など実験・観察の進め方についても、覚えて頂きたい。
地学分野
本年度は「気象」および「地層」、大問2題での出題であった。近年では、月から見た地球、月の満ち欠けと月食、南半球で観測する月、南極と北極について、地層と黄砂、火山と地震、飽和水蒸気量と湿度など幅広い範囲から出題が見られる。日本だけでなく、地球上各地および地球の外から見た天体の動きについて何度か出題されているので、準備をしておきたい。また、時事的な内容を含む出題が見られる年度もあるので、注意が必要である。台風・大雨・フェーン現象などの出題も想定しておきたい。
物理分野
本年は物を動かす力に関する出題であった。近年を見ると、光・磁石。熱等についての出題が見られる。今後は豆電球の明るさや電熱線の発熱など電気回路に関する問題や、ばね・てこ・滑車など力学に関する計算問題も考えられる。基本知識を身につけた上で、計算問題の練習もしっかり行って頂きたい。
化学分野
今年度は「水溶液の濃度・中和」および「水溶液の性質」に関する出題であった。近年でも、水溶液の性質、中和、溶解度と濃さ、気体の発生等水溶液に関する出題が多い。今後も、水溶液を中心に化学変化・溶解度・燃焼などに関する出題が予想される。この分野に関しても、基本的な知識事項を覚えることはもちろんのこと、計算を含む問題演習を数多く行うことが大切である。
模試や過去問はまだ仕上がって単元や苦手な単元をあぶりだす絶好のチャンスである。失点の多かった単元については、知識の抜けが原因なのか、計算ミスが原因かなどしっかり分析を行い、同じ間違いを繰り返さないようにしっかり対処する必要がある。そのあたりの分析や対策については、プロの家庭教師を是非活用して頂きたい。白百合学園の理科は基本をしっかり固めることができれば対応可能であるので、あせることなくしっかり対策を行って欲しい。
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2021年度「白百合学園中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数は6題、小問数は40題程度で75点満点。試験時間は30分で例年通りであった。適語を答える問題、記号選択問題が中心で、計算問題、簡単な記述問題、グラフを描く問題も含まれている。問題数に対して試験時間が30分と短いので、かなり素早い処理と、どの問題から手を付けるかといった判断力が求められる。過去問等での時間配分を意識した演習が不可欠である。極端な難問はないが、基本を確実に身につけておくことが必要である。
【大問1】 物理分野 物を動かす力
- 難度:標準
- 時間配分:6分
問1 温度計やメスシリンダーの目盛りの読み取り方に関する問い。
問2 表に示された数値を基にグラフを作成する問題。
問3・問4 ゴムを伸ばした方が大きな力を発揮させることができる。
問5 図4では2本合わせて1本分の伸びなので、1本あたりの伸びは半分になり、1本の時よりゴムの力も半分になる。図5では2本のゴムがそれぞれ1本分の伸びをするので、合わせて2本分の力になる。
問6 記述問題。帆は大きくし、風が垂直に当たるようにすればよい。
問7 風車とてこの3点である支点・力点・作用点の関係を問う問題。
問8 風車における、てこのつりあいの計算問題。軸の半径が0.5cmになることに注意。0.5×10÷15 の計算結果を四捨五入して、0.33cm。
ゴム・風車などを題材にした物を動かす力についての出題。記述問題やグラフ作成問題・計算問題を含み、いろいろな力が試される内容になっている。
【大問2】生物分野 食物連鎖と環境問題
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
問1 生物間の食べる・食べられるの関係を「食物連鎖」とよぶ。
問2 呼吸と光合成に関する穴埋め問題。
問3 すべての生物が行う呼吸では、酸素を取り込み、二酸化炭素を放出する。植物のみが行う光合成では、二酸化炭素を取り込み、酸素を放出する。
問4 (1)二酸化炭素は温室効果ガスと呼ばれ、地球温暖化の原因になる。
(2)二酸化炭素が増加している原因は、化石燃料の大量消費や森林の伐採。
(3)記号選択および記述問題。夏は樹木が生い茂るために、光合成が盛んに行われ、二酸化炭素の増加が抑えられる。
問5 食べる・食べられるの関係で、食べる生物の方が数が少ない。
問6 草食動物が1次的に増えると、植物は1次的に減り、肉食動物は1次的に増える。
草食動物が1次的に減ると、植物は1次的に増え、肉食動物は1次的に減る。
問7 (1)プランクトンの大量発生で海面が赤く見える現象を赤潮と呼ぶ。
(2)選択肢の中で、絶滅危惧種に指定されているのはイリオモテヤマネコ。
問8 レジ袋の有料化と関連して、プラスチックの過剰利用の問題点に関する記述問題。
前半は食物連鎖に関する知識問題。間違いが多い場合は、知識不足と考えられるので、テキストに戻って知識の整理を行うこと。後半の環境問題については、日頃環境への意識を持っているかが問われる内容。
【大問3】 化学分野 水溶液と濃度・中和
- 難度:やや難
- 時間配分:6分
問1 「とける」の意味の違いに関する選択問題と記述問題。目に見えない小さな粒となる意味と固体から液体への状態変化の意味に分かれる。
問2 記述問題。
問3 濃さに関する簡単な計算問題。
問4 実験結果より、C液20㎤に含まれる酢酸はA液5㎤に含まれる酢酸に等しい。
12÷20より、0.6gとなる。
問5 問4より、C液100㎤に含まれる酢酸は3g。食酢10㎤を水でうすめて100㎤にしたものがC液なので、食酢100㎤に含まれる酢酸は、3×10 より30g
問6 30÷100×100より、30%。
水溶液と濃さに関する出題で、計算問題、記述問題を含む。酢酸・食酢・A液・B液・C液と出てくるので、混乱することなく落ち着いて取り組んで欲しい。
【大問4】 化学分野 水溶液の性質
- 難度:標準
- 時間配分:4分
- ★必答問題
問1 実験結果から水溶液を判別する問題。
においがある→エタノール・アンモニア水
混ぜると白く濁る→石灰水・炭酸水
蒸発した気体でリトマス紙の色が変化→アンモニア水・炭酸水
青色リトマス紙が赤く変化→ホウ酸水・炭酸水
問2 性質の違いによる水溶液の分類問題。
図1:エタノールは液体が、炭酸水とアンモニア水は気体が、その他は固体が溶けた水溶液
図2:エタノール以外は電気を通す。食塩水は中性でも電気を通すことに注意
図3:酸性・アルカリ性・中性の3つに分類しているので、BTB液による分類
水溶液の性質に関する出題。主な水溶液の性質や指示薬の色の変化が理解できているかどうかで明暗がはっきり分かれる。この問題で苦労した場合は、知識の整理をしっかり行うこと。
【大問5】 地学分野 気象
- 難度:標準
- 時間配分:4分
問1 周囲より気圧が低くなっている部分が低気圧。
問2 図より、1000hPaより8hPa高くなっている。
問3 記述問題。等圧線の間隔が狭いR地点の方が、風が強いと考えられる。
問4 等圧線を見て、2地点間の気圧の変化を読み取る問題。
問5 春・梅雨・夏・冬 それぞれの季節の特徴と天気図を選択する問題。
等圧線の読み取りおよび各季節の特徴を中心とした気象に関する出題。各季節の特徴に関しては、影響を与える高気圧(気団)と結びつけて覚えることがポイントとなる。
【大問6】 地学分野 地層
- 難度:標準
- 時間配分:4分
問1 火山灰の層は「かぎ層」と呼ばれ、広い範囲の地層の様子を調べるときに使われる。
問2 A~D地点を火山灰の層に注目して比較すると、火山灰層の上にねん土の層があり、B地点だけその上に砂とねん土の層が見られる。
問3 図1に火山灰の層を書き入れると、B地点で火山灰の層がやや下がっていることがわかる。
問4 サンゴは「暖かかくきれいな浅い海」を示す示相化石。
地層に関する出題。ボーリング調査に関する出題も含まれているが、難易度は高くない。知識問題については確実に正答したい。
攻略のポイント
【大問1】から【大問6】までややレベルの高い問題は見られるものの、際立った難問はなく、標準レベル程度の設問が並んでいる。小問の数が非常に多く、かなりの解答スピードが要求される。問題の形式としては、リード文・図・表などが与えられ、それについて解き進めていくもの中心となる。ここ何年かは同じ傾向が続いており、今後も同レベル・同程度の問題量の出題が予想される。本校の攻略のポイントとしては、苦手分野を作ることなく、早い段階で基本レベルの知識を身につけることと、直前期には過去問等時間を意識した問題演習をしっかり行うことがあげられる。
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