白百合学園中学校 入試対策
2022年度「白百合学園中学校の理科」
攻略のための学習方法
白百合学園中の満点は75点、今年度の合格者最低点は7割を切り、昨年度に比べて若干難化している。ややレベルの高い問題も見られ、知識の正確さが問われる出題が多い。試験時間の30分に対して問題数が極めて多いことが特徴である。いかにスピーディーにミスなく答えられるかが、本校理科攻略のキーポイントである。問題の形式としては、問題文・図・絵等を読み取った上で答える問題が中心であり、計算問題や簡単な記述問題も含まれる。本校攻略のための学習方法としては、基本を早期に固め、過去問等時間を意識した問題演習に時間をかけたい。できる問題から回答欄を埋めていくといったテストテクニックも必要になるだろう。知識だけで答えられる問題は迷わずに解答できることが大きなポイントになるので、まずは何といっても基本をしっかり身につけることが最大の攻略法になる。
<分野毎の学習法>
生物分野
本年度は植物の分類に関する出題であった。正確な知識が要求される出題であった。過去の出題では、食物連鎖、植物の種子と発芽、植物のつくりと働き、動物の分類、プランクトンと顕微鏡の使い方、人のからだの働きなどに関する出題などが見られる。この分野の学習法としては、植物の分類・つくり・はたらき、昆虫や動物の分類など基本知識を確実に覚えることが第一である。また、光合成を確認するための実験方法、顕微鏡の使い方など実験・観察の進め方についても、覚えて頂きたい。
地学分野
本年度は富士山等の火山とハザードマップに関する出題であった。近年噴火した火山に関する問いも含まれていた。近年では、月から見た地球、月の満ち欠けと月食、南半球で観測する月、南極と北極について、気象、地層と黄砂、火山と地震、飽和水蒸気量と湿度など幅広い範囲から出題が見られる。日本だけでなく、地球上各地および地球の外から見た天体の動きについて何度か出題されているので、準備をしておきたい。また、今年度の火山のように時事的な内容を含む出題が見られる年度もあるので、注意が必要である。台風・大雨・フェーン現象などの出題も想定しておきたい。
物理分野
本年は電気について、および発電とエネルギーについて、大問2題からの出題であった。近年を見ると、力のつり合い・光・磁石・熱等についての出題が見られる。今後は電気(豆電球の明るさ・電熱線の発熱など)と力のつり合い(ばね・てこ・滑車など力学に関する計算問題)を中心とした出題が想定される。基本知識を身につけた上で、計算問題の練習もしっかり行って頂きたい。
化学分野
今年度はアルコールと塩素系漂白剤についての出題であった。計算問題、ややレベルの高い問題も含まれていた。近年では、水溶液の濃度・中和・気体の発生・水溶液の性質などの出題が見られた。水溶液に関する出題が多い。今後も、水溶液を中心に化学変化・溶解度・燃焼などに関する出題が予想される。この分野に関しても、基本的な知識事項を覚えることはもちろんのこと、計算を含む問題演習を数多く行うことが大切である。
模試や過去問はまだ仕上がっていない単元や苦手な単元をあぶりだす絶好のチャンスである。失点の多かった単元については、知識の抜けが原因なのか、計算ミスが原因かなどしっかり分析を行い、同じ間違いを繰り返さないようにしっかり対処する必要がある。そのあたりの分析や対策については、プロの家庭教師を是非活用して頂きたい。白百合学園の理科は基本をしっかり固めることができれば対応可能であるので、あせることなくしっかり対策を行って欲しい。
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2022年度「白百合学園中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数は5題(昨年度は6題)、小問数は40題程度で75点満点。試験時間は30分で例年通りであった。適語を答える問題、記号選択問題が中心で、計算問題、記述問題、グラフや図を描く問題も含まれている。問題数に対して試験時間が30分と短いので、かなり素早い処理と、どの問題から手を付けるかといった判断力が求められる。過去問等での時間配分を意識した演習が不可欠である。極端な難問はないが、基本を確実に身につけておくことが必要である。
【大問1】 物理分野 電気
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
問1 電流計の使い方について書かれた文の空欄に埋める語句や数字を選択肢から選ぶ問題。
問2 グラフより、電池の個数を増やすと豆電球に流れる電流は増えているが、増え方はだんだん鈍くなっている。
問3 乾電池の個数とLEDに流れる電流の結果からグラフを作成する問題。
問4 実験結果から、豆電球とLEDの違いをまとめた文章の空欄を埋める選択問題。
問5 乾電池と充電池の違いについての文章の空欄を埋める選択問題。
問6 選択問題。LEDは電気を光に変え、光電池は光を電気に変える装置である。
問7 選択問題。モーターは電気を力に変え、発電機は力を電気に変える装置である。
問8 光電池と発電機を回路に組み込んで使うためには、発生した電気をためるための装置(コンデンサなど)が必要である。
問9 記述問題。太陽光発電ステーションを作ることにより。太陽光のエネルギーをほぼすべて使うことができる。短所としては、打ち上げやメンテナンスなどに多大な労力を要する。
電気に関する出題。コンデンサ・LED・などについて知識は必要になるが、問題文の穴埋めの選択肢問題が中心であり、迷うことなく選択できる問題が中心である。電流計の使い方など知識問題での失点は禁物である。
【大問2】 化学 アルコールと塩素系漂白剤
- 難度:やや難
- 時間配分:7分
問1 (1)エタノールに含まれる水素が燃焼して水(水蒸気)ができた。
(2)エタノールに含まれる炭素が燃焼して二酸化炭素ができた。
(3)ベーキングパウダーと食酢の反応で二酸化炭素が発生する。
(4)記述問題。エタノールが燃えるための酸素がなくなったと考えられる。
(5)記述問題。表より、アルコール濃度が80%の時が、細菌を死滅させるのにかかる時間が最も短い。
問2 (1)1500×0.0005÷0.06 より、12.5mL。
(2)水は0%と考え、面積図を描いて求めること。
問3 (1)石けんに含まれる界面活性剤についての穴埋め選択問題。
(2)図を描く問題。親油性の部分(棒)が油汚れを取り囲み、親水性の部分(丸)が円を描くように並ぶ。
問4 (1)問題文より塩素系漂白剤はアルカリ性である。酸性の液体と混ぜると中和反応が起こり、その際に塩素が発生する。
(2)アルコールは中性で引火性がある。塩素系漂白剤はアルカリ性で脱色作用がある。石けんはアルカリ性である。
アルコールと塩素系漂白剤を中心とした出題。計算力や思考力を必要とする問題も含まれる。
【大問3】 生物分野 植物の分類
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
問1 A:「3月頃に花粉の飛散のピーク」よりスギ
B:「一年生のイネ科の植物」よりトウモロコシ
C:「上方の花びらだけに斑点」よりツツジ
D:「つる植物」よりヘチマ
E:「開花予報」「開花宣言」などの語句よりサクラ
F:「ロゼット」で冬越しすることからタンポポ
G:「街路樹」「黄色く色づく」よりイチョウ
H:アブラナ科の植物であることからアブラナ
問2 グループ①:虫媒花・合弁花の完全花よりツツジとタンポポ
グループ②:虫媒花・合弁花の単性花よりヘチマ
グループ③:虫媒花・離弁花よりサクラとアブラナ
グループ④:風媒花・被子植物よりトウモロコシ
グループ⑤:風媒花・裸子植物・落葉樹よりイチョウ
グループ⑥:風媒花・裸子植物・常緑樹よりスギ
問3 グループ④~⑥は風媒花であり、花弁がない。
問4 記述問題。トウモロコシは家畜の食料としても使われている。
問5 蒸散の際に熱を奪うので、暑さを和らげる効果がある。
問6 (1)冬芽を作って冬越しする:カエデ・カキ・サクラ・モクレン
(2)地下茎や根で冬越しする:ススキ・チューリップ・ユリ
(3)種子で冬越しする:アサガオ・ヒマワリ
問7 光合成は植物の葉緑体で行われる。葉の緑色は葉緑体の色である。
植物の分類に関する出題。植物に関して正確で幅広い知識が要求される。知識量によって明暗が分かれる出題。
【大問4】 物理分野 発電とエネルギー
- 難度:標準
- 時間配分:4分
問1 原子力発電・火力発電・水力発電の3つを答え、それぞれの長所・短所を選択する問題。
問2 地熱発電について書かれた文章の空欄を埋める選択問題。
問3 記述問題。地熱発電は東北・北海道・九州など火山がある場所周辺に設置・計画されている。
問4 地熱発電が盛んな国は火山が多い国。アイスランド・ニュージーランドが該当。
発電とエネルギーについての出題。発電方法等についての知識が求められる出題。
【大問5】 地学分野 火山とハザードマップ
- 難度:標準
- 時間配分:4分
問1 説明文溶岩流・火砕流・噴石について書かれたもの。近年この現象が発生した火山は、溶岩流:三原山、火砕流:雲仙普賢岳、噴石:木曽御嶽山
問2 ハザードマップは今後起こる現象を確実に予測したものではない。
問3 図より、2cm~10cmと読み取れる。
問4 上空高くまで上がった火山灰は偏西風の影響を大きく受けるので、火山より東側の地域に火山灰が多く積もる。
問5 100×1000÷10÷60÷60=2.77・・・ より約3時間となる。
火山とハザードマップに関する出題。問1は火山の特徴や過去に起こった噴火など正確な知識が要求される。間違えた方は、国内の主な火山の特徴や近年の噴火について整理してみよう。問2以降は計算問題も含めて易問。
攻略のポイント
昨年度より大問が一つ減ったが、小問数では昨年までとほぼ同等。30分という時間に対して設問数が非常に多いことが最大の特徴。かなりの解答スピードが要求される。もう一つの特徴として、かなり細かく正確な知識を要求する問題が多い。環境問題、ハザードマップなど私たちの生活に関連した内容の出題が多いことにも注意が必要である。解答の形式としては、選択問題が中心だが、記述問題や簡単な計算問題も含まれる。ここ何年かは同じ傾向が続いており、今後も同レベル・同程度の出題が予想される。本校の攻略のポイントとしては、苦手分野を作ることなく、早い段階で正確な知識を身につけること。時事的な内容について問われることもあるので、その対策も必要。直前期には過去問等を用いて時間を意識した問題演習をしっかり行うことが必要となる。
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