白百合学園中学校 入試対策
2017年度「白百合学園中学校の社会」
攻略のための学習方法
出題構成
大問数3~5、総解答数50~60とかなりやりごたえのあるテストである。満点が75点であることからみても、女子校としては理科・社会を重視する校風となっている。
試験時間は30分で、記号選択問題もあるが用語記入が多く、1~2行の記述問題もあるので、速さが必要となる。
地名や人名の漢字表記や、歴史では時代順の並べ替えもあり、簡単なテストではない。
ただし、教科書を超える難解な知識は訊かれないし、いわゆる「考えさせる」問題は少ない。
記述問題も、用語や出来事を説明させるような内容で、知っていれば答えられるものがほとんどである。
しっかりした知識を持ち、てきぱきと答えていくことが必要な試験となる。
分野別では、地理・歴史の方に重点が置かれ、政治は少なめの傾向である。
地理分野
各地の地名・地形・気候・産業などについて細かく出題されている。
平野・盆地や河川・湖、半島・湾と、ある範囲の、あるいは日本全国の地図から地名が訊かれ、もちろん漢字で答えなければならない。グラフや統計から産業の特色を問う問題、貿易の問題や地図記号まで、ひろく出題される。
テキストで基本事項を覚えたら、地図と白地図で地名・地形を徹底的に覚える。
位置も正確に覚えて、気候の特色や、資料集の農林水産業のデータなどもまとめて、各県・地域ごとにすぐ頭に浮かぶようにしておく。
基礎的な知識がしっかりあれば答えられるものがほとんどなので、基本を幅広く充実させるという意識で学習に取り組めばよい。
歴史分野
各時代、様々な内容が出題されている。
文化史や中国との歴史的関係などのような、あるテーマに沿って各時代について訊いていくパターンが多く見られる。歴史史料の写真や図版が使われることも多い。
年代順に並べ替える問題が、他の分野と合わせて2問出された年もあった。
人物・出来事や歴史に関連した地名などは漢字で書けるようにしておく。
また、年表で分野ごとの流れをたどっておくことも重要である。
出来事の内容や原因を1~2行で書かせる記述問題も出されるので、覚えた事柄の簡単な説明くらいはできるような知識の深さは必要である。
政治分野
日本国憲法・政治の仕組みなどがよく出題されている。
憲法前文や重要な条文はよく読み込んでおき、三権のしくみとはたらきは図式などで関係を理解しておく。
また、政治関係はわずかで、その分、歴史や時事問題が多く出される年もある。
近年はどの学校でも時事問題はよく出される傾向があるので、特に前年度の社会的な出来事などに十分注意しておきたい。
知識・記述
やはり時間の割に問題量が多いということが本校の特徴であり難しい点でもある。
学校側もそのつもりで、考えるのに時間がかかるような設問は、まず出ない。ほぼ1問1答のように、ぽんぽんとリズム良く答えていく形だが、用語を書く問題が多く、漢字で表記する必要がある。知識の量・幅広さと正確さを確認されているテストであろう。
テキストに載っていないような難しい知識にまで手を伸ばす必要はないので、その分、載っていることについては隅々まで正確に頭に入れておく。単なる重要語句の暗記ではなく、地図・白地図・資料集・年表を活用して、関連事項をまとめてイメージできるくらいまで確かなものにしておく。
記述問題も、その語句や出来事について、教科書に書いてある程度の説明ができるくらいには理解しておく。
記述対策問題集などで1~2行程度の問題をたくさんこなしておけば、類似の問題が出される可能性もある。
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2017年度「白百合学園中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数67問中、地理分野26・歴史分野26・政治経済15という配分で、記号選択は少なめで用語記入が多くなっている。用語や出来事を1~2行で説明させる短文記述が5問出されている。
全体として例年通りの出題傾向である。時間は30分で、書く分量が多いテストなので、わかる問題からてきぱき答えていくようにする。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
日本の国土と地震・噴火などの災害に関する問題。
問一 日本の島は約6800、面積は約38万平方キロメートルと覚えておこう。ちなみに地球から月までの距離はおよそ38万キロメートルである。
問二 (1)直後にある「平地」に対しての言葉なので山地となる。
(6)西ノ島新島としてニュースでよく取り上げられている。現在も活動を続けている。
問三 1海里は1852m。領海12海里はおよそ22キロメートルとなる。
問四 各国が排他的経済水域(200海里=約370km)を設定し、外国船の操業を制限したため、日本の遠洋漁業は大きく影響を受けた。
問六 尖閣諸島は以前は個人の所有だったが、国が購入して現在は日本国の所有となっている。
問七 日本は主にユーラシアプレートと北アメリカプレート、小笠原諸島などがフィリピン海プレートにあり、日本海溝は太平洋プレートの落ち込む位置にあたる。
問八 埋立地や河川の近くなどのもともと水分が多く地盤が柔らかい箇所で液状化が起きやすい。
【大問2】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
問二・問三 高冷地の冷涼な気候を利用して作られる高原野菜(キャベツ・レタス・白菜などの色の薄い葉物野菜)は、長野県・群馬県などで夏でも涼しい気候を利用して栽培されている。他の産地と出荷の時期をずらせるので、高く販売できる利点がある。
問四 ①岩手県南部鉄器は近年中国で大変人気があり、高値で取引されている。
③化学工業は原料の輸入に便利な海岸部や港の近くで発展しやすい。
問五 「田ごとの月」とは、田んぼ一枚一枚に月が映りこんでいる風景を表したのもので、小さな田が並んでいる棚田の風物詩である。
問六 三陸沖には暖流と寒流のぶつかる潮目(潮境) があり、栄養豊富な千島海流と暖かい日本海流が混ざってプランクトンが多く発生し、魚が集まる。
【大問3】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:12分
- ★必答問題
問一 (1)よく問題に出されるので租・庸・調の内容をしっかり覚えておこう。
(3)駅家(うまや)は一定間隔で設けられ、人馬が置かれていた。
(5)月三回の定期市は鎌倉時代のキーワードとして覚えておこう。
(6)・(11)鎌倉~室町時代の同業組合は「座」。江戸時代は「株仲間」。
(8)借上(かりあげ・かしあげ)は鎌倉時代~室町時代初期の高利貸し。
問二 (c)平治の乱は平安時代。
(d)平安~鎌倉の仏教の宗派と創始者はよく訊かれるので、混同しないように正確に覚えてしまおう。
(e)日宋貿易の時代である。
(f)外国との戦いだったため、勝っても相手の領土を手に入れることができず、御家人に十分な褒美を与えられなかった。不満を抑えるために借金を帳消しにする徳政令が出されたが、経済の混乱を招いた。
(h)北条氏を攻め滅ぼしたのは豊臣秀吉。
(i)地方の大名の反乱を防ぐため、幕府は大名の妻子を江戸に住まわせていた。妻子が江戸を離れること(出女)と、武器の流入(入り鉄砲)を関所で厳しく監視したのである。
(k)二十一か条の要求は大正時代。
(l)戦場となったヨーロッパから物資の注文が相次ぎ、日本は好景気となった。
(m)後藤新平は南満州鉄道初代総裁。その後、政府の要職を歴任し、後に東京市長として復興に力を注いだ。
(n)朝鮮戦争の際、アメリカ軍から大量の物資の注文があり、景気を押上げた。朝鮮特需とも言う。
【大問4】政治経済分野
- 難度:やや難
- 時間配分:6分
問一 (2)・(3)・(4)・(5)安倍晋三・小池百合子は今年度の政治のキーパーソンである。2017年秋の解散総選挙でふたりの動向が注目される。新聞・ニュースなどに目を光らせておこう。築地・豊洲問題も近々動きがありそうである。なお、漢字指定なので、人物名など難しくても漢字で書かなければならない。
問二 (a) ②選択肢ハはすこしわかりづらいが、消極的では国際社会での責任を十分全うできないので、積極的平和主義にすべきだという考えなので、関連法に賛成の立場となる。
(b)イギリスのEU離脱の影響にも注目。ヨーロッパの主導的立場にあるドイツでもこの秋選挙が行われ、メルケル首相の再選が有力視されているがどうなるか、結果をよく見ておこう。
(c)豊洲は元東京ガスの所有で、敷地から高濃度の有毒物質が検出されている。十分な盛土が行われず問題になったのは記憶に新しい。食品を扱う市場なので、消費者のみならず、業者からも不安の声が上がっている。
攻略のポイント
問題数が多く、リード文もあり読む分量も少なくない。時間切れにならないよう過去問でスピード感を養っておくこと。
基本事項が中心ではあるが、やや細かい詳しい内容まで出題されている。テキストに載っていないような難しい知識にまで手を伸ばす必要はないので、その分、載っていることについては隅々まで正確に頭に入れておく。
大問ごとに、あるテーマや範囲について詳しく訊く問題が出されることがあるので、どの分野・範囲からの出題でも7~8割は正解できるよう、抜けのない学習を心がけたい。
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