白百合学園中学校 入試対策
2019年度「白百合学園中学校の社会」
攻略のための学習方法
出題構成
大問数3~5、総解答数50~60とかなりやりごたえのあるテストである。満点が75点であることからみても、女子校としては理科・社会を重視する校風となっている。
試験時間は30分で、記号選択問題もあるが用語記入が多く、1~2行の記述問題もあるので、速さが必要となる。
地名や人名の漢字表記や、歴史では時代順の並べ替えもあり、簡単なテストではない。
ただし、教科書を超える難解な知識は訊かれないし、いわゆる「考えさせる」問題は少ない。
記述問題も、用語や出来事を説明させるような内容で、知っていれば答えられるものがほとんどである。
しっかりした知識を持ち、てきぱきと答えていくことが必要な試験となる。
分野別では、地理・歴史の方に重点が置かれ、政治は少なめの傾向である。
地理分野
各地の地名・地形・気候・産業などについて細かく出題されている。
平野・盆地や河川・湖、半島・湾と、ある範囲の、あるいは日本全国の地図から地名が訊かれ、もちろん漢字で答えなければならない。グラフや統計から産業の特色を問う問題、貿易の問題や地図記号まで、ひろく出題される。
テキストで基本事項を覚えたら、地図と白地図で地名・地形を徹底的に覚える。
位置も正確に覚えて、気候の特色や、資料集の農林水産業のデータなどもまとめて、各県・地域ごとにすぐ頭に浮かぶようにしておく。
基礎的な知識がしっかりあれば答えられるものがほとんどなので、基本を幅広く充実させるという意識で学習に取り組めばよい。
歴史分野
各時代、様々な内容が出題されている。
文化史や中国との歴史的関係などのような、あるテーマに沿って各時代について訊いていくパターンが多く見られる。歴史史料の写真や図版が使われることも多い。
年代順に並べ替える問題が、他の分野と合わせて2問出された年もあった。
人物・出来事や歴史に関連した地名などは漢字で書けるようにしておく。
また、年表で分野ごとの流れをたどっておくことも重要である。
出来事の内容や原因を1~2行で書かせる記述問題も出されるので、覚えた事柄の簡単な説明くらいはできるような知識の深さは必要である。
政治分野
日本国憲法・政治の仕組みなどがよく出題されている。
憲法前文や重要な条文はよく読み込んでおき、三権のしくみとはたらきは図式などで関係を理解しておく。
また、政治関係はわずかで、その分、歴史や時事問題が多く出される年もある。
近年はどの学校でも時事問題はよく出される傾向があるので、特に前年度の社会的な出来事などに十分注意しておきたい。
知識・記述
やはり時間の割に問題量が多いということが本校の特徴であり難しい点でもある。
学校側もそのつもりで、考えるのに時間がかかるような設問は、まず出ない。ほぼ1問1答のように、ぽんぽんとリズム良く答えていく形だが、用語を書く問題が多く、漢字で表記する必要がある。知識の量・幅広さと正確さを確認されているテストであろう。
テキストに載っていないような難しい知識にまで手を伸ばす必要はないので、その分、載っていることについては隅々まで正確に頭に入れておく。単なる重要語句の暗記ではなく、地図・白地図・資料集・年表を活用して、関連事項をまとめてイメージできるくらいまで確かなものにしておく。
記述問題も、その語句や出来事について、教科書に書いてある程度の説明ができるくらいには理解しておく。
記述対策問題集などで1~2行程度の問題をたくさんこなしておけば、類似の問題が出される可能性もある。
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2019年度「白百合学園中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は55問と、今年度も多かった。わからない問題に悩んでいる余裕はないので、わかる問題をとにかくどんどん解き進めよう。
数問ある記述問題も配点は高くないので、時間を見て最後にまとめて書いても良い。最後まで目を通して、解ける問題には必ず手を付けられるようにしよう。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
夏の気温が高かった地域について、それぞれの特徴などを訊かれている。
問1 A. 埼玉県熊谷市 B. 岐阜県美濃市・金山町・多治見市 C. 東京都青梅市
問2 ウの川口市では鋳物業が盛んなので×。
問3 白川郷の合掌造り集落。屋根の急な角度は雪が積もらないようにする工夫である。
問4 都市部において特に気温が高くなる現象。冷房機器や自動車の排熱・緑地や土の地面が少ないこと・コンクリートやアスファルトの蓄熱・高い建物が密集し風通しが悪いことなどの原因が考えられる。
問5 (4)・(5) 早明浦ダムは吉野川にある。
Z. 促成栽培の利点は出荷時期をずらせることである。夏野菜を秋・冬に出荷できれば高く売ることが出きる。
【大問2】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:4分
天皇の系図をもとに、飛鳥~奈良時代について訊かれている。
問1 壬申の乱では、弟の大海人皇子が勝利し、後に天武天皇となった。
問2 平城京に遷都する前に、藤原京が作られている。
問3 ウの説明は調についてであるから、×。
問4・問5 長岡京に遷都したのは桓武天皇。聖武天皇ではないので、イが誤り。
【大問3】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:11分
- ★必答問題
いろいろな時代の史料を用いて、主に政治の移り変わりについて問われている。
問1・問2 資料は徳川家最後の将軍、第15代・徳川慶喜の言葉。京都の二条城で大政奉還が発表された。
問3 アの徒然草だけ鎌倉時代の作品で、他は平安時代である。
問4 (2) 平清盛が大輪田泊で行ったのは日宋貿易であるから、宋銭が輸入された。
問5 (1)・(2) 資料は江戸時代の武家諸法度の一部。下線は参勤交代の規定。
(3)・(4) 御成敗式目(貞永式目)。北条氏は将軍を補佐する執権に就き、実質的な権力を握った。
(5)~(7) 承久の乱の前に、源頼朝の妻・北条政子が行った演説。執権・北条義時を討とうと兵を挙げた後鳥羽上皇が、敗れて隠岐に島流しにされた。
(8)・(9) 豊臣秀吉の出した刀狩令。農民から武器を取り上げ、反乱を防ぎ身分の別をはっきりさせる目的があった。
問6 日米修好通商条約では日本に関税自主権が無かった。関税を自由に決められないので、外国製の安い品物が流入し国内の産業が打撃を受けた。グラフAは綿織物。
問7 ウは廃藩置県ではなく版籍奉還の説明。
【大問4】現代社会分野
- 難度:やや難
- 時間配分:5分
前年に起こった出来事について。
問1 元号が一世一元と決められたのは明治時代からで、それ以前は災害や疫病などの大きな社会不安が生じたときなどにも改元されていた。
問2 (2) 陸地での地震だったので、高潮や水害は発生しなかった。また、電力供給のネットワークに大規模な障害が起き、北海道全域で大停電となった。
問3 (2) 自由民主党は政権を担う与党なので、自民党党首がそのまま内閣総理大臣に指名される点で、他の政党の党首選挙とは異なる。
(4) 当時、安倍首相やその家族が自らの賛同者が学校を開設する際に便宜を図ったのではないかという、森友学園問題や加計学園問題が世間をにぎわしていた。
問4 (2) まず北朝鮮と韓国の間で板門店宣言が出され、続いて北朝鮮とアメリカの間でも首脳会談が開かれた。北朝鮮の核放棄により、朝鮮半島の非核化を目指したものである。
攻略のポイント
やはり問題数の多さがポイントとなる。答えられたはずの問題に手を付けられずに時間切れにならないよう過去問でスピード感を養っておくこと。
基本事項が中心ではあるが、やや細かい詳しい内容まで出題される場合がある。テキストに載っていないような難しい知識にまで手を伸ばす必要はないので、その分、載っていることについては隅々まで正確に頭に入れておく。
大問ごとに、あるテーマや範囲について詳しく訊く問題も見られるので、どの分野・範囲からの出題でも7~8割は正解できるよう、抜けのない学習を心がけたい。
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