白百合学園中学校 入試対策
2023年度「白百合学園中学校の社会」
攻略のための学習方法
出題構成
大問数3~5、総解答数50~60とかなりやりごたえのあるテストである。満点が75点であることからみても、女子校としては理科・社会を重視する校風となっている。
試験時間は30分で、記号選択問題もあるが用語記入が多く、1~2行の記述問題もあるので、速さが必要となる。
地名や人名の漢字表記や、歴史では時代順の並べ替えもあり、簡単なテストではない。
ただし、教科書を超える難解な知識は訊かれないし、いわゆる「考えさせる」問題は少ない。
記述問題も、用語や出来事を説明させるような内容で、知っていれば答えられるものがほとんどである。
しっかりした知識を持ち、てきぱきと答えていくことが必要な試験となる。
分野別では、地理・歴史の方に重点が置かれ、政治は少なめの傾向である。
地理分野
各地の地名・地形・気候・産業などについて細かく出題されている。
平野・盆地や河川・湖、半島・湾と、ある範囲の、あるいは日本全国の地図から地名が訊かれ、もちろん漢字で答えなければならない。グラフや統計から産業の特色を問う問題、貿易の問題や地図記号まで、ひろく出題される。
テキストで基本事項を覚えたら、地図と白地図で地名・地形を徹底的に覚える。
位置も正確に覚えて、気候の特色や、資料集の農林水産業のデータなどもまとめて、各県・地域ごとにすぐ頭に浮かぶようにしておく。
基礎的な知識がしっかりあれば答えられるものがほとんどなので、基本を幅広く充実させるという意識で学習に取り組めばよい。
歴史分野
各時代、様々な内容が出題されている。
文化史や中国との歴史的関係などのような、あるテーマに沿って各時代について訊いていくパターンが多く見られる。歴史史料の写真や図版が使われることも多い。
年代順に並べ替える問題が、他の分野と合わせて2問出された年もあった。
人物・出来事や歴史に関連した地名などは漢字で書けるようにしておく。
また、年表で分野ごとの流れをたどっておくことも重要である。
出来事の内容や原因を1~2行で書かせる記述問題も出されるので、覚えた事柄の簡単な説明くらいはできるような知識の深さは必要である。
政治分野
日本国憲法・政治の仕組みなどがよく出題されている。
憲法前文や重要な条文はよく読み込んでおき、三権のしくみとはたらきは図式などで関係を理解しておく。
また、政治関係はわずかで、その分、歴史や時事問題が多く出される年もある。
近年はどの学校でも時事問題はよく出される傾向があるので、特に前年度の社会的な出来事などに十分注意しておきたい。
知識・記述
やはり時間の割に問題量が多いということが本校の特徴であり難しい点でもある。
学校側もそのつもりで、考えるのに時間がかかるような設問は、まず出ない。ほぼ1問1答のように、ぽんぽんとリズム良く答えていく形だが、用語を書く問題が多く、漢字で表記する必要がある。知識の量・幅広さと正確さを確認されているテストであろう。
テキストに載っていないような難しい知識にまで手を伸ばす必要はないので、その分、載っていることについては隅々まで正確に頭に入れておく。単なる重要語句の暗記ではなく、地図・白地図・資料集・年表を活用して、関連事項をまとめてイメージできるくらいまで確かなものにしておく。
記述問題も、その語句や出来事について、教科書に書いてある程度の説明ができるくらいには理解しておく。
記述対策問題集などで1~2行程度の問題をたくさんこなしておけば、類似の問題が出される可能性もある。
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2023年度「白百合学園中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は60問と、今年度も多かった。わからない問題に悩んでいる余裕はないので、わかる問題をとにかくどんどん解き進めよう。
数問ある記述問題も配点は高くないので、時間を見て最後にまとめて書いても良い。最後まで目を通して、解ける問題には必ず手を付けられるようにしよう。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:13分
- ★必答問題
日本各地の島を題材にした問題。
問1 A. 淡路島・兵庫県 B. 佐渡島・新潟県 C. 沖ノ鳥島・東京都
D. 種子島・鹿児島県
問2 (1) 種子島に鉄砲が伝来したことを示した像である→D
(2) 鉄砲はポルトガル(ア)によって伝えられた。
問3 冬に降水(雪)量が多い日本海側の気候の特徴がみられるので。Bの佐渡島である。
問4 (1) 阪神・淡路大震災
(2) ウ. この地震では、津波の被害は発生しなかった。
問5 (1) 明石海峡大橋
(2) 車が利用できるようになったので本州への移動がスムーズになり、通勤通学なども便利になった。反面、車や観光客が増えたことにより騒音・ゴミ捨てなどの被害や、本州への人口の流出など、マイナスの影響もみられた。
問6 トキ
問7 排他的経済水域にあっても、船の航行・海底電線やパイプラインの敷設、上空の飛行などは制限されない。
問8 知床と白神山地以外は、「世界文化遺産」としての登録である。
問9 鹿児島県のシラスと呼ばれる土壌は水持ちが悪く稲の栽培には向いていないため、たばこやさつまいもなどの畑作が盛んになった。
【大問2】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:12分
- ★必答問題
日本と宗教とのかかわりを話題に、各時代の人物や出来事について訊かれている。
問1 (1) 富士山は自然遺産としてではなく、文化遺産として登録された。
(2) 資料は葛飾北斎の「富嶽三十六景」のうちの一枚である。
問2 ア. 吉野ケ里遺跡は弥生時代の住居跡である。
イ. 古墳時代の説明である。
問3 土偶
問4 邪馬台国
問5 エ. 卑弥呼の名が刻まれた鉄剣は発見されていない。
問6 蘇我(氏)
問7 資料は聖徳太子が遣隋使として派遣した小野妹子に持たせた国書で、隋と対等の立場で国交を結ぼうという内容になっている。
問8 行基
問9 空海は真言宗の開祖で、高野山に金剛峰寺を建てた。
問10 (1)・(2) 藤原頼通が建てた平等院鳳凰堂は、阿弥陀如来を本尊とする浄土教の代表的な寺院である。
問11 (1) 壇ノ浦(の戦い)
(2) 後鳥羽上皇による承久の乱のことである。
(3) エ. 武家諸法度の内容である。
(4) 御成敗式目は北条泰時により制定され、御家人の権利・義務や訴訟などについて定めた最初の武家法である。
問12 織田信長
問13 延暦寺の焼き討ち・石山本願寺との戦いなど。
問14 (1) 島原・天草一揆
(2) 徳川家光
(3) ウ. 田沼意次は株仲間を奨励したので、誤り。
問15 (1) 戊辰戦争
(2) 日米修好通商条約の調印(1858年)→桜田門外の変(1860年)→薩長同盟(1866年)→王政復古の大号令(1867年)の順。
問16 伊藤博文
問17 (1) エ. ソ連は日ソ中立条約を一方的に破棄して満州や千島列島に侵攻した。
(2) 日本の国連加盟(1956年)→東京オリンピック(1964年)→第一次石油ショック(1973年)→湾岸戦争(1991年)。
【大問3】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:5分
政治のしくみや裁判制度などについて訊かれている。
問1 (1) 民法 (2) 消費生活センター
問2 家庭裁判所
問3 イ. 国民の義務ではないし、憲法に規定されてもいない。
エ. 裁判官と裁判員が協議して有罪・無罪・量刑などを考えていく。
問4 マルチ商法
問5 (1) 条例 (2) 満30歳 (3) オンブズマン制度
問6 消費者庁は内閣の外局として設置された。
問7 (1) インフレーション
(2) ア. ドルに対して円が弱くなること。1ドルの物が以前は100円で買えたのに、140円出さないと買えないということになり、輸入に不利で輸出に有利となる。
(3) ウ. 円安ならばアメリカは日本の製品を安く購入できるので、経営には有利になる。
攻略のポイント
やはり問題数の多さがポイントとなる。答えられたはずの問題に手を付けられずに時間切れにならないよう過去問でスピード感を養っておくこと。
基本事項が中心ではあるが、やや細かい詳しい内容まで出題される場合がある。テキストに載っていないような難しい知識にまで手を伸ばす必要はないので、その分、載っていることについては隅々まで正確に頭に入れておく。
大問ごとに、あるテーマや範囲について詳しく訊く問題も見られるので、どの分野・範囲からの出題でも7~8割は正解できるよう、抜けのない学習を心がけたい。
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