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芝浦工業大学柏中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2023年度「芝浦工業大学柏中学校の国語」
攻略のための学習方法

問題構成

大問3つに、漢字の知識・小説の読解・論説文の読解がそれぞれ割り当てられている。
小説6000字前後・論説文2500字前後の計8000~9000字ほどの文量で、総解答数は30問ほど。
設問は選択肢・文の並べかえ・内容補充・記述など。特に記述は、自分なりの例を挙げて主題や要旨のポイントを考えさせる問題が出されており、やや難しい

漢字の知識

漢字の書き取りと、読みと部首の組み合わせで漢字を考えさせる問題が、ここ数年よく出されている。過去問でこのパターンによく慣れておこう。

 小説の読解

ここ数年は宮沢賢治の作品がよく用いられている。
内容理解の選択肢問題と、文章の一部を並べ替える文脈の問題、記述問題が出されている。ことばの知識の問題も数問含まれている。
記述問題は自分の言葉で答える問題や、その答えを選んだ根拠を示す問題などが見られ、論説記述に近い内容になっている。ともあれ、本文の読解が十分にできていることが前提であるので、まずは文学的文章の読解の実力をつけよう。

・人物の整理
人数・名前・それぞれの関係などを確認する。だいたいの性格も見ておこう。性格が違えばその言動の意味するところも違ってくる。

・場面の変化
時間・場所・人物の入出などで場面の変わり目を見つける。場面の変わり目を訊かれる問題もある。

・心情の把握
人物の言動・表情や情景などから、気持ちを読み取る。最も問題にされる部分である。多くの文章を読んで様々な人間の考えに触れておくことがなによりの経験になる。

・主題の理解
作者が描きたかったことは何か。人間の成長や葛藤・挫折、戦争の悲惨さなど、よく描かれるテーマがある。読書を通じて多くのテーマを見ておくことで、テーマをとらえる力もより付くことだろう。 

論説文の読解

例年、文量は2500字ほどと少なめで段落番号も振ってあるので読みやすくなっている。社会科学・人文科学の文章が多い。
論理的文章なので、接続詞の問題・抜き出した文を適切な箇所に戻す問題が毎年出されている。
記述問題は、自分なりの例を一つ出させて、それをもとに要旨を説明させるという問題がよく出されている。文章の要点・要旨をしっかり読み取ることが重要なので、読解のポイントをつかんでおこう。

・段落の整理                                     
形式段落→意味段落へのまとめ。意味段落の内容を短くタイトルにしてつけてしまえば、段落のつながりや論理の流れがわかりやすくなる。

・要点
各段落の最初と最後に特に注意しながら、要点をチェック。自分のやりやすい方法で良いので、傍線を引くなどしてすぐ探せるようにしておくことはやはり有効である。別の言葉で言い換えた部分と線で結んでおくなどするのも良い。

・要旨                                               
要点をまとめれば全体の要約ができる。その中で筆者の最も言いたいことが要旨である。特に記述問題は要点・要旨から字数に合わせて抽出し、まとめて答えとなる場合が多い。説明的文章の読解は結局は要旨の把握が求められている。 

試験の特徴

本校の試験の特徴的な部分によく慣れておくことが重要である。漢字の部首を絡めた問題や、先に述べた記述問題なども本校の個性ともいえるパターンとなっている
また、論説文の読解では、文中の漢字の誤用を見つけさせる問題が例年出されている。後で気づくとまた読み直すはめになるので、まずこの問題があるかどうかを確認し、一回目の読みで探しながら進めるのがよい。
今後もこのパターンが変わらないとすれば過去問で慣れておくことが肝要となるので、できるだけ多くの過去問を入手して十分に練習しておかれたい。

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2023年度「芝浦工業大学柏中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

総解答数は34問。選択肢の問題は標準的だが、漢字や記述問題には特有の形がありやや時間を取られる部分かもしれない。素材文は計7000字ほどで例年と変わりなかった。ともあれ速読を鍛えて記述に時間を残せるようにしたい。設問を先に確認するべき問題があるので注意。

【大問1】漢字・部首

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

問一 ① 和解  ② 洗練  ③ 林立   (白砂)青松   養(う)

問二 ① 「毎」をつけ加えて、「海」と「梅」 

    「也」をつけ加えて、「池」と「地」

   ③ 「十」をつけ加えて、「早」と「針」

【大問2】論説文の読解

  • 難度:標準
  • 時間配分:20分
  • ★必答問題

人づきあいの最適化という考えに警鐘を鳴らし、相手の良い面も悪い面も受け入れて「ただ

付き合う」ことが人づきあいの基本で本質ではないかと筆者は述べている。

問一 規(本)→基(本)

問二 A. どのようなつき合いをするか、選べるようになった。「では」、どのような人と関係を結ぶか。

   B. 相手との深い対話が必要です。「しかし」、~状況では、とてもできないでしょう。

   C. ~深い対話はできない。「したがって」~という当たり前の事実に立ち返る必要がある。

   D.「そもそも」~最適化することなどできるのでしょうか。

問三 それ(「一人になる自由」)は素晴らしいことで否定するつもりはない。しかし、現状

その自由をもてあましているように見える→【Ⅲ】に戻せばうまくつながる。

問四 (1) 「自らにとってなんらかの面でプラスになる人」とだけつき合い、コスパが悪い人は切り捨てるという考え方。

   (2) イ. コストパフォーマンス重視の関係になるので、反対意見を持つ人と議論するなどというコスパの悪いことは行われない。

問五 「このような社会」とは直前の「プラスの面もマイナスの面も受け入れて、期待にそぐわなくてもともにすごしてゆく」ようなつき合い方を指しているので、コスパ重視の選択肢ア・選択肢エは合わない。

問六 前段落の「原点に立ち返る」を受けて、「具体的には」どうすればよいのかを提案している→選択肢ウが合う。

問七 文章の最後で「ただつき合うことから得られる『多様性』もあるのではないか」と述べられているので、「みんなちがって、みんないい」と「多様性」は筆者の考えに沿った言葉である。

【大問3】小説の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:20分

いい加減で責任感の無いダメ人間である主人公の、あきれた行動と周囲の人の反応が描かれる。

問一 A. 先生のミスにより「首尾よく」卒業できた。

. あっちへ行きこっちへ行き「いそがしく」両方を監督した。

. 車を途中で降ろされてしまったので、「仕方なく」自分で荷物を持って歩いた。

問二 金も尽き口の中もカサカサしながら三日仕事をさがした→断られ続けて気を失った

→巡査が水をかけて起こした→区役所が引き取った→ご飯を食べさせた

→元気になった→区役所が仕事を与えた……という流れである。

問三 主人公が引いた図面は廊下やはしごがないなど欠陥だらけだったが、村長の息子なので使われている大工さんとしてははっきり意見も言えなかった。

問四 手紙の内容が自分を良く見せるような嘘ばかりである→選択肢イ。

問五 立派になったと見栄を張るために(自分としては)高価な皮の大きなトランクを買ったが、あまりよくない牛のひざの皮が使われていることを子どもたちに指摘され、自分の中身の無さを見透かされたような気がして悲しくなった。

問六 (A) 成績が(おそらく)良くないのに卒業できて(a)、実力もないのに二つも設計の仕事の依頼がきた(b)のは、すごくラッキーなことであろう。

   (B) (1) cfが残っているが、cの発言で説明されているので、残っているのはfの「まれです」である。

       (2) 高価なトランクを買って中に要らない絵図を詰め込んだのは、故郷の人たちに自分が立派に出世したと思わせたいからである。それまでの主人公は周囲からの評価などあまり気にした様子はなかったので、これはまれなことだったのである。

問七 (A) 父の勧めで建築設計の請負を始めていることからも、父は主人公に立派な仕事ができるようになって欲しいと期待していることがわかる。

   (B) 期待はしたが現実にはまともな設計・監督もできずに姿をくらましてしまっており、手紙の内容が嘘であることにも気づいていて、情けない息子に腹を立てている。

   (C) 「その大きなトランクを見てにが笑いをしました」とあるのは、手紙の内容とはかけ離れた現状を見抜き、仕事ができると思われたいために大きなトランクを引きずっている息子にあきれているのである

攻略のポイント

ここ数年は試験の形式がほぼ一定である。漢字の部首を絡めた問題や、記述問題の一定のパターンが今後も続くと考えれば、過去問で徹底的に研究し、慣れておくことがなによりの攻略法となる。過去にさかのぼって何年かごとの傾向の変化を見ておくことも大事なこととなる。

形式だけでなく問題の難易度自体もやや難しい場合があるので、読解の実力を十分につけておくことも当然のことながら大事である。地力をつけると同時に、他校とは異なるパターンの問題に十分慣れること。本校の試験対策で意識しておいてほしいところである。

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