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芝浦工業大学柏中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2019年度「芝浦工業大学柏中学校の国語」
攻略のための学習方法

問題構成

大問3つに、漢字の知識・小説の読解・論説文の読解がそれぞれ割り当てられている。
小説6000字前後・論説文2500字前後の計8000~9000字ほどの文量で、総解答数は30問ほど。
設問は選択肢・文の並べかえ・内容補充・記述など。特に記述は、自分なりの例を挙げて主題や要旨のポイントを考えさせる問題が出されており、やや難しい。

漢字の知識

漢字の書き取りと、読みと部首の組み合わせで漢字を考えさせる問題が、ここ数年よく出されている。過去問でこのパターンによく慣れておこう。

 小説の読解

ここ数年は宮沢賢治の作品がよく用いられている。
内容理解の選択肢問題と、文章の一部を並べ替える文脈の問題、記述問題が出されている。ことばの知識の問題も数問含まれている。
記述問題は自分の言葉で答える問題や、その答えを選んだ根拠を示す問題などが見られ、論説記述に近い内容になっている。ともあれ、本文の読解が十分にできていることが前提であるので、まずは文学的文章の読解の実力をつけよう。

・人物の整理
人数・名前・それぞれの関係などを確認する。だいたいの性格も見ておこう。性格が違えばその言動の意味するところも違ってくる。

・場面の変化
時間・場所・人物の入出などで場面の変わり目を見つける。場面の変わり目を訊かれる問題もある。

・心情の把握
人物の言動・表情や情景などから、気持ちを読み取る。最も問題にされる部分である。多くの文章を読んで様々な人間の考えに触れておくことがなによりの経験になる。

・主題の理解
作者が描きたかったことは何か。人間の成長や葛藤・挫折、戦争の悲惨さなど、よく描かれるテーマがある。読書を通じて多くのテーマを見ておくことで、テーマをとらえる力もより付くことだろう。 

論説文の読解

例年、文量は2500字ほどと少なめで段落番号も振ってあるので読みやすくなっている。社会科学・人文科学の文章が多い。
論理的文章なので、接続詞の問題・抜き出した文を適切な箇所に戻す問題が毎年出されている。
記述問題は、自分なりの例を一つ出させて、それをもとに要旨を説明させるという問題がよく出されている。文章の要点・要旨をしっかり読み取ることが重要なので、読解のポイントをつかんでおこう。

・段落の整理                                            
形式段落→意味段落へのまとめ。意味段落の内容を短くタイトルにしてつけてしまえば、段落のつながりや論理の流れがわかりやすくなる。

・要点
各段落の最初と最後に特に注意しながら、要点をチェック。自分のやりやすい方法で良いので、傍線を引くなどしてすぐ探せるようにしておくことはやはり有効である。別の言葉で言い換えた部分と線で結んでおくなどするのも良い。

・要旨                                               
要点をまとめれば全体の要約ができる。その中で筆者の最も言いたいことが要旨である。特に記述問題は要点・要旨から字数に合わせて抽出し、まとめて答えとなる場合が多い。説明的文章の読解は結局は要旨の把握が求められている。 

試験の特徴

本校の試験の特徴的な部分によく慣れておくことが重要である。漢字の部首を絡めた問題や、先に述べた記述問題なども本校の個性ともいえるパターンとなっている。
また、論説文の読解では、文中の漢字の誤用を見つけさせる問題が例年出されている。後で気づくとまた読み直すはめになるので、まずこの問題があるかどうかを確認し、一回目の読みで探しながら進めるのがよい。
今後もこのパターンが変わらないとすれば過去問で慣れておくことが肝要となるので、できるだけ多くの過去問を入手して十分に練習しておかれたい。

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2019年度「芝浦工業大学柏中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

総解答数は35問。選択肢の問題は標準的だが、漢字や記述問題には特有の形がありやや時間を取られる部分かもしれない。素材文も計9600字ほどと少なくはないので、速読を鍛えて記述に時間を残せるようにしたい。設問を先に確認するべき問題があるので注意。

【大問一】漢字・部首

  • 難度:標準
  • 時間配分:3
  • ★必答問題

問一 ② 達観――遠い将来の情勢を見通すこと。
問二 A 「てへん」に兆で「挑」。
    「にすい」に令で「冷」。
    「さんずい」に白で「泊」。
    皮に「やまいだれ」で「疲」。「疲労」「疲弊」など。

【大問二】物語の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:20
  • ★必答問題

人間社会を模したネズミの屋根裏世界が描かれている。
問一 わかりづらいかもしれないが、「針金製・ネズミ捕り」氏である。人間が仕掛けたネズミ捕りにツェ氏が引っ掛かったことを表している。
問二 「六」は数字で「むっつ・むつ」、「ヶ」は「か」と読み「敷い」は「しい」であるから「むつかしい=むずかしい」となる。「むつかしい」は古い言い方で現在では「むずかしい」が正式である。
問三 . 猫の唸り声。
   . 他の空欄を埋めて消去法で「ホクホク」が残る。
問四 捕まった直後の様子が。以下、とつながる。
問五 不満は表明しているが「社会を攻撃」はしていないので、アが×。
問六 すでに知っていることを言われたので最初は「ため口」だったが、知らないことを教えられて「先生」などと敬意をもって教わる態度になっている。
問七 猫の本分である「ネズミを捕る」ことを教わったという「オチ」である。
問八 (1) B「目立ちたがり」・「優しさ」・「自慢する意味」などは合わない。
   (2) オ. プライドが高くて他人の成功や優秀さをひがんでしまうのである。

【大問三】論説文の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:22

「言葉」には世界や現実を作り出す性能があり、人間関係や社会も言葉でつくられていくと述べている。
問一 判談→判断
問二 白―灰色―黒という色の間には無限の色調があるのに、「白」「灰色」と割り切ってしまうことを「デジタル」と言っているので、の意見がよい。
問四 「現代哲学は、言葉の研究もしないといけない」「なぜなら言葉は人間の現実をつくりだしているから」とつながるので、ウが選べる。
問五 C. 国や文化によって名前のつけ方が違い、どちらが正しいのかなどという論点で話はされていない。
問六 言葉で線引きした途端に「それ以外の考え方ができなくなる」ことを「拘束」と表現している。
問七 天気予報は雨が降ったという事実になんら関与していないので、アが×。
問九 (イ) 言葉が社会をつくっていく一例として、「個人」の「知識」が伝聞によって他者に伝わり、広く「社会」で「共有」されることで社会が豊かになると述べているのだろうと考えられる。
   (ロ) その言葉が発せられたことで現実にその通りの問題が起きてしまう例を考えればよい。「あいつは皆から嫌われていじめられている」といった嘘の言葉を聞いた者が、ならば自分もいじめてもよいのだろうと実際にいじめが始まってしまう、などの例が考えられる。

攻略のポイント

ここ数年は試験の形式がほぼ一定である。漢字の部首を絡めた問題や、記述問題の一定のパターンが今後も続くと考えれば、過去問で徹底的に研究し、慣れておくことがなによりの攻略法となる。過去にさかのぼって何年かごとの傾向の変化を見ておくことも大事なこととなる。
形式だけでなく問題の難易度自体もやや難しい場合があるので、読解の実力を十分につけておくことも当然のことながら大事である。地力をつけると同時に、他校とは異なるパターンの問題に十分慣れること。本校の試験対策で意識しておいてほしいところである。

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