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芝浦工業大学柏中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2018年度「芝浦工業大学柏中学校の算数」
攻略のための学習方法

芝浦工業大学柏中学校、算数の満点は100点、合格者平均点は例年6割~7割程度であるが、今年度は例年に比べ難度がやや高く、合格者平均は55点ほどであった。
例年標準的な問題が多いが、ややレベルの高い問題も含まれる。試験時間は45分でやや短いが、慌てることなく、落ち着いて取り組んで欲しい。
各単元の出題傾向と学習法は次の通り。

<単元毎の傾向と学習法>

計算問題

例年1~2題出題される。工夫が必要な問題がよく出題されるので、日頃の計算練習の際には、少しでも簡単に計算するにはどうすればよいか?といった意識で取り組んで欲しい。また単位の計算問題が出題された年もあるので、面積や体積の単位変換についてはしっか覚えておきたい。

文章題

ここ何年かの出題傾向を見ると、速さ(旅人算、時計算など)、食塩水の濃さ、売買損益算、年齢算などの出題が見られた。際立った難問は出題されないので、テキストや問題集での練習を行えば正答できる問題が中心である。速さに関する問題では、ダイヤグラム(進行グラフ)についての出題も見られるので、グラフの読み取り問題も練習しておきたい。

数に関する問題

場合の数、数表に関する問題、数の性質など毎年出題が見られる。場合の数の出題がやや多いので、しっかり練習しておきたい。単に計算で求めるものだけでなく、場合分けや調べ上げといったタイプの問題の練習も行うこと。また、数列や数表、割り算のあまりに関する問題等もしっかり練習して欲しい。

平面図形

今年度は30度―60度―90度の三角形を利用する問題が出題された。ここ数年の問題を見ると、図形の移動、影に関する問題等、趣向を凝らした問題も見られる。
この分野の対策としては、まずは相似や高さの等しい三角形など、比を用いて解く問題の練習をしっかり行うこと。また、図形の移動についても出題の可能性が高いので、力を入れて学習して欲しい。日頃から、等積変形・円周率の計算はできる限りまとめて1回だけ行う、といった工夫を考えて問題に取り組んで欲しい。

立体図形

今年度は図形の切断に関して出題された。切断問題を解き慣れていない生徒にとっては厳しい内容であった。ここ数年では、回転体の求積問題が何回か見られる。
この分野の学習法としては、今年度見られた立体の切断やここ数年で見られる回転体の求積については特に力を入れて欲しい。水の深さの変化についても今後の出題が予想されるので、問題練習を行って欲しい。

模試や過去問はまだ仕上がっていない単元や苦手な単元をあぶりだす絶好のチャンスである。単に得点だけを気にするのではなく、失点の多かった単元については、塾のテキストに戻るなどして、もう一度基本の確認を行うことが必要であろう。なお、苦手分野の分析やその対策については、プロの家庭教師へ是非相談して頂きたい。

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2018年度「芝浦工業大学柏中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

独立小問が4題、大問が4題で100点満点、試験時間は45分で例年通りであった。合格者平均は例年6割~7割程度である。

すべての小問数は20程度で多くはないが、記述問題もあり、時間的ゆとりはあまりない。
できる問題から解答欄を埋めるよう心がけて欲しい。

【大問1】小問集合

  • 難度:標準
  • 時間配分:7分

(1)整数・小数・分数の混合計算
工夫をして計算すること。
2018×(2.25-0.4+1.15)=2018×3 となる。

(2)食塩水の濃さ
 食塩水の混合、基本的な問題。

(3)数の性質
 41-13の28と55-13の42の公約数の中で、あまりの13より大きな数を求める。

(4)平面図形の求積
 30度―60度―90度 の直角三角形では、一番長い辺の長さと一番短い辺 の長さの比は2:1であることを利用する。

小問集合。計算問題は工夫を必要とするが難しくはない。(2)(3)は基本的なもの。(4)「30度―60度―90度の直角三角形」は入試に超頻出。

【大問2】規則性・売買損益・平均算

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分

(1)規則性に関する問題
 機械Aは6秒周期、機械Bは7秒周期で動作している。
42秒間のAとBの動きを調べること。

(2)売買損益・平均算
 ①10枚目までは2000円、11枚目から30枚目までは1600円、31枚目から40枚目までは1400円になる。
(2000×10+1600×20+1400×10)÷40より1650円

 ②平均が①で求めた金額より安い1500円であることから、40枚以上購入する必要がある。面積図または天秤図を描いて求めること。

規則性に関する問題と売買損益算と平均算。
(1)では図に描いて丁寧に調べることがポイント。(2)は売買損益と平均算の融合問題。定価の計算、面積図を描いて求める平均算など確実に処理をして欲しい。

【大問3】場合の数

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

(1)図に線を描いて考えること。A駅を真ん中にする場合と、B駅を真ん中にする場合と、C駅を真ん中にする場合の3通り。

(2)A駅から3つの駅へつなぐ場合と、B駅から3つの駅につなぐ場合と、C駅から3つの駅につなぐ場合と、D駅から3つの駅につなぐ場合の4通り。

(3)4つの駅を順番につなぐ場合の数は、4×3×2×1÷2より24通りとなる。
2で割る理由は、例えば、A―B―C-DとD-C-B-Aが同じになるので。
(2)で求めた4を足して全部で16通り。

(4)駅の数が5つになる場合の数。(2)のように1つの駅から4つの駅につなぐ場合が5通り。(3)で考えたように5つの駅を順番につなぐ場合が60通り。
さらに、1つの駅から3つの駅につなぎ、その中から1つの駅につなぐつなぎ方が60通りある。
決して難問ではないが、場合の数が苦手な受験生が多く、ここでしっかり得点できるかどうかで明暗を分ける可能性のある1題。ここでの失点が多かった場合、または場合の数を苦手としている場合は、今後も場合の数の出題があることを想定して、弱点補強をしっかり行って欲しい。     

【大問4】立体図形の切断

  • 難度:やや難
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

(1)切断面を描く基本は以下の2つである。
 ・同じ面にある2点を結ぶ。
 ・向かいあう面には平行な線を引く。
  この2つの基本を守って切断面を描くと、4つの立方体が切られることがわかる。

(2)基本通りに切断面を描くこと。切断面の形は正三角形で、上段で1個、下段で3個、計4個の立方体が切断される。

(3)(4)切断によって、上段には三角錐、下段には三角錐台ができる。この2つを組み合わせると、1つの大きな(底面が2cm×2cmの直角二等辺三角形、高さは2cm)の三角錐になる。点Aを含む立体の体積を求めるためには、この三角錐の体積を立方体5個分の体積から引けばよい。

立体図形の切断の問題としては決して難問ではないが、そもそも立体図形の切断を苦手としている人が多いと思われるので、得意不得意で大きく差がついてしまう1題。
  
ここで得点できなかった、あるいは立体の切断問題に自信がない方は、切断面を描く基本をしっかり理解した上で、問題集等を利用して、作図や求積問題の演習を行って欲しい。超難問は必要ないので、基本~標準レベルの演習を積み重ねて欲しい。

【大問5】割合と比の文章題

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分

(1)ろうそくAは20分で24cm短くなったことになるので、1分間には1.2cm短くなる。

(2)Aの15分後の長さは30-1.2×15より12cm。問題文より、このときBの長さも12cm。その5分後にBは10cmになっているので、Bは1分で0.4cm短くなっている。

(3)Cは7.5分で12cm短くなるので、15分では24cm短くなる。12+24よりCの初めの長さは36cm。

(4)15分後にA、Bともに12cmで、その後はAの短くなった長さとBが短くなった長さの比が3:1、残った長さの比は1:3、これを線分図に整理して求めること。

よく見かけるろうそくの長さに関する問題だが、グラフが描かれていないので、問題文をしっかり読んで、3本のろうそくの長さの変化について理解することがポイント。例えば、自分でグラフを描いて整理してみるとよいであろう。なお、この問題のみ記述が必要となっている。

攻略のポイント

大問1は計算問題と小問の集合で、その後大問が4題の構成になっている。
小問集合の4題は、計算問題、食塩水の濃さ、数の性質、平面図形求積で、いずれも塾のテキスト等で見かけるタイプのもの。日頃の練習の成果を発揮できる出題。

大問のテーマは、規則性、場合の数、立体の切断、割合と比の文章題。場合の数、立体図形といった多くの生徒が苦手にしていると思われる単元の比率が高く、ここでどれだけ正答できるかが今回の入試の明暗を分けるであろう。特に、立体図形は切断に関する出題であり、より得点差がつきやすい出題であった。

本校攻略のポイントとしてはまず、正確な計算力を身につけ、苦手単元を作ることなく、すべての単元の基本をしっかり身につけることが大切である。その上で、立体図形、数に関する問題(場合の数、規則性、数の性質)については、ややレベルの高い問題についてもしっかり演習を積み重ねておきたい。

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