芝浦工業大学柏中学校 入試対策
2022年度「芝浦工業大学柏中学校の社会」
攻略のための学習方法
問題構成
大問は4つ。それぞれに歴史・地理・地図の読み取り・政治経済の各分野が割り当てられるのがここ数年の定型となっている。問題数は歴史分野・地理分野が各13~14問・地図の読み取り3問・政治経済11問の計40問前後となっている。
設問は選択肢・適語記入が中心で記述も数問出題されている。
歴史分野
リード文を読んで下線部について答えていく形である。ここ数年は旅行のルートに沿った地域の関連する歴史について問題が出されている。
古代から近・現代まで範囲は各時代に及ぶ。人物・出来事・関係の深い場所など、項目も幅広く出題されている。時代順の並べかえの問題も毎年出題されている。この分野では資料はあまり用いられておらず、文章による出題が多い。
地理分野
歴史分野と異なり、さまざまな資料が用いられている。地図・グラフ・統計などが数多く示され、各地の地形・産業を中心に気候・人口・貿易などさまざまな内容が問われている。また、大問1つを用いて地図の読み取りが毎年出されている。
地図・資料集などを活用し、抜けの無いよう丁寧に学習しておきたい。
政治経済分野
憲法と政治のしくみを中心に、現代社会の問題点に関する質問なども出されている。政治経済の基本事項を頭に入れたうえで、近年問題とされている社会の出来事などについて時事問題集などで詳しく見ておこう。
設問の特徴
特に歴史分野・地理分野において、選択肢問題が組み合わせ問題になっている点に注意が必要である。いくつかの質問の答えとして正しい組み合わせになるものを1つ選ぶ形式である。複数の正解をまとめて1つの正解となるため、より正確な知識が求められる。
また、複数の選択肢から正解を「あるだけ」選ぶ形式の問題も多い。1つでも選び間違うとまるまる不正解になってしまうので厳しい。
問題自体はテキストをしっかり学習してあれば答えられる難易度なのだが、この設問の形式により、あいまいな知識では正解できなくなっている。幅広く正確な知識が求められているのである。
なお、政治経済分野は通常の選択肢問題になっている。
記述問題
2018年度から、それまでより記述問題が重視されるようになった印象である。前年までは1行程度の説明記述だったが、2018年度からは30~50字と字数も増えている。内容は出来事や用語の説明が主だが、今後はさらに記述が重視される可能性もある。単純な暗記ではなく、自分が学んだことについて大まかに説明できるような覚え方を意識して行おう。一般的な記述問題集で練習するのも役に立つだろう。
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2022年度「芝浦工業大学柏中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
例年、総解答数は40問前後。
リード文がつくが、下線部だけ読んでも答えられる問題が多い。地理分野の資料の多さに時間を取られる可能性がある。資料の読み取りをよく練習しておいて、時間がかかり過ぎないように慣れておく必要がある。
【大問1】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:14分
- ★必答問題
過去の巨大地震を題材に、各地・各時代の歴史の問題が出されている。
問1 Aは鎌倉時代、Bは安土桃山時代、Cは室町時代のことなのでA→C→Bの順になる。
問2 『方丈記』の著者は鴨長明。
問3 (1)・(2) 資料から、地震直後には「この世の無意味さを語り、心の濁りも薄らいだように見えた」のだが時間が経つと元に戻ってしまったと書かれている。地震の恐ろしさや備えの大切さも時が過ぎると忘れがちになってしまうのである。
問4 関東大震災の発生は1923年。普通選挙法の制定(1925年)と労働組合法の成立(1945年)が、大震災より後である。
問5 ア) 伊藤博文ではなく、黒田清隆内閣の時である。
イ) 日比谷焼き討ち事件はポーツマス条約に反対する人たちが起こした騒動である。
ウ) 日中戦争がはじまったのは近衛文麿内閣の時である。
オ) 沖縄返還は佐藤栄作内閣の時で、現在も基地は置かれている。
問6 通常の検死の措置を取らなくてよい、とあるので選択肢アが合っている。
問7 イ) 聖武天皇ではなく、元明天皇のときである。
ウ) 倭寇の活動(室町時代)と遣唐使廃止(平安時代)では時代が異なる。
エ) 宇治に平等院を建てたのは藤原頼通である。
オ) 北条泰時ではなく、義時。
カ) 後醍醐天皇ではなく、光明天皇から位を授かった。
問8 A. 防人は北九州の、衛士は都の護りにあたった兵士である。
問9 徳川綱吉の時代には上方を中心とした活気のある元禄文化が栄えた。菱川師宣の「見返り美人」(B)がこの時代の作品である。
問10 1965年には日韓基本条約が結ばれ、大韓民国と国交が結ばれた。1991年にはイラクがクウェートに侵攻し湾岸戦争が始まった。
問11 え(平安時代前半)→あ(平安時代末)→お(江戸時代前半)→う(江戸時代末)→い(大正時代)→
か(平成時代)と並べ替えられる。
【大問2】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:16分
- ★必答問題
日本各地の気候や地形、産業などについて訊かれている。
問1 兵庫県明石市を通る東経135度の子午線が日本の時間の基準となっている。日本はイギリスより東にあるので時間は進んでおり、日本が1日午前0時のときイギリスは9時間前の31日午後3時である。
問2 ア) 三角州に堆積する土砂は水はけがよい。
イ) 台地は地面が隆起したり火山灰が堆積したりして形成される地形で、一概に地盤が弱いとは言えない。
エ) カルスト地形は石灰岩地域が雨や地下水で浸食されてできる。
問3 香川県は瀬戸内気候に属し、温暖で一年を通じて雨が少ないのでCのグラフが合う。
水が不足しやすいので、かつてはため池が多くつくられた。
問4 アは米の生産が多いので秋田県、ウは畜産の多さから鹿児島県、エは果樹栽培が盛んな山梨県、イが野菜の多い特徴から群馬県と見分けられる。
問5 東日本大震災以降急激に減少したAは原子力、年々増えているCが火力、発電量が少ないDが地熱、一定の発電量で推移しているBが水力である。経済発展が著しい中国では発電量も大幅に増えている(E)ことから、Fのほうがアメリカである
問6 あ. 太平洋ベルト い. 貿易摩擦 う. 産業の空洞化
問7 国際線の貨物が多いCは成田空港がある千葉県、次に国際線の輸送が多いAが大阪、Bが北海道である。
問8 3位まで人口の多い都市が並ぶアが千葉県、多くの人口が1位に集中しているイは仙台市のある宮城県、県庁所在地が3位になっているエは福島県で、残るウが茨城県である。
問9 自動車や機械類の取引が多いウはアメリカ、日本へ石油化学の原料や燃料を多く輸出しているエがロシア、天然ガス・石炭の輸出が多いアがオーストラリア、鉄鉱石や鶏肉を日本へ輸出しているイがブラジルである。
問10 (1) あ. 潮目(潮境) い. リアス う. ウ(かき)
(2) エ) 近くに250mの計曲線があるので、C地点がいちばん高い。
【大問3】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:10分
新型コロナワクチンの接種を題材に、憲法や政治のしくみについて訊かれている。
問1 ウ) 前文と103の条文からなっているので、正しい。
問2 生存権についての規定である第25条には、「公衆衛生の向上」の文言がある。
問3 10月に召集されたのは臨時国会であった。
問4 エ) 地方公共団体の予算は地方議会で決められるので、合っている。
問5 ア) 首長が議会に対して行使するのは拒否権である。不信任決議は議会が首長に対して行うものである。
問6 世界保健機関で、略してWHOである。
問7 ウ) 6月では北アメリカと、8月ではヨーロッパと比べることになり、数字は正しい。
問8 ワクチンを接種するかどうかは個人の自由であり、そのことについて人に話す義務はない。相手がワクチンを打ったかどうかをしつこく聞いたりするのは、プライバシーの侵害になりかねない。
問9 ア) イラクではなく、アフガニスタンが正しい。
ウ) メルケルはドイツの元首相である。
エ) トランプ政権のときに離脱したが、のちにバイデン政権となって復帰した。
攻略のポイント
答えの組み合わせを選ぶ選択肢問題と地理分野の資料の多用は大きな特徴と言える。
一つ一つの知識を正確に覚えること、選択肢問題の鉄則である細部にまで注意を払うことを徹底しよう。統計やグラフの読み取りを素早く正確に。難問が出されるわけではないので、基本的な教材でよいから資料の読み取り・暗記を十分にこなしておこう。
記述問題はこれまでの出題では用語や出来事を説明するタイプなので、類似問題を多くこなして慣れておくこと。
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