巣鴨中学校 入試対策
2022年度「巣鴨中学校の国語」
攻略のための学習方法
問題構成
3つの大問に漢字と長文読解2問が割り当てられるという構成が定形となっている。
読解問題の素材文は論説文や随筆文(説明的内容)が多く物語などはほぼ見られないという、説明的文章に重点を置いた試験となっている。ここ数年は論説文・説明的随筆文・文学的随筆文のうちから2種類が出題されるパターンになっているようである。
文量は2問合わせて6000字程度。同じレベルの学校で8000~9000字ほどの問題も多い中、比較的少なめである。その分、記号選択問題は少なく、記述や書き抜きなどの言葉で書く問題が多くなっている。
知識問題では、読解問題と合わせて接続詞・品詞・語句の意味などが出題されている。
長文読解
毎年2題出題されるが、論説文と説明文が頻出である。随筆文も出されるが、社会や文化に関する説明的な内容のものが多い。算数の力を重視する方針にも関係しているのか、国語も論理的思考力を測る試験となっている。
そうした特徴を考えると、説明的文章読解の対策が主となるだろう。
・段落の整理 形式段落→意味段落へのまとめ。意味段落の内容を短くタイトルにしてつけてしまえば、段落のつながりや論理の流れがわかりやすくなる。
・要点
各段落の最初と最後に特に注意しながら、要点をチェック。自分のやりやすい方法で良いので、傍線を引くなどしてすぐ探せるようにしておくことはやはり有効である。別の言葉で言い換えた部分と線で結んでおくなどするのも良い。
・要旨 要点をまとめれば全体の要旨がわかる。特に記述問題は要点・要旨から字数に合わせて抽出し、まとめて答えとなる場合が多い。説明的文章の読解は結局は要旨の把握が求められている。
以上のような、説明的文章の読解問題を説く際の基本的な作業をしつこく練習しておく。
また、本校の特徴として書き抜きや記述など、言葉で書く問題が多いことが挙げられる。すべて字数指定があるので、答えを探す目安の一つにはなる。
記述問題も、「文中の言葉を用いて」という指定が多く、全て自分の言葉で考えるような重い記述問題ではない。必ず文中に適切な部分があるので、そこから抜き出して答えをまとめられる。ここでも、前述のようなキーワード・要点・別の言葉で言い換えた部分などをすぐに探せるような工夫が生きてくるわけである。
選択肢問題は4択だが、やはり最後に2つ選択に迷うものが残りやすい。要点や要旨に合致するか反しているか、文中に有ることか無いことか、一語や細部も見落とさない注意深さが必要とされる。
漢字・その他
漢字の書き取りが毎年10問出題されている。標準レベルの漢字が多いので、中級程度の漢字教材をしっかり仕上げれば不安はないだろう。
言語事項などは長文読解に合わせて、接続詞・品詞・語句の意味などの問題が出されており、特に接続詞はよく出題されているので注意しておくこと。
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2022年度「巣鴨中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
今年度は論説文と随筆文の2題で計5000字ほど、総解答数は35問であった。
読解に関連する選択肢問題は15問で残りは書き抜き・記述など言葉で書く問題だが、書き抜き問題が多めなので時間配分には注意を。文中からヒントや答えを特定するスピードを養って、一通りすべての問題に答えられれば理想的である。
【大問一】漢字の書き取り
- 難度:標準
- 時間配分:3分
- ★必答問題
1. 童話 2. 皮肉 3. 合奏 4. 週刊 5. 黄金 6. 亡命 7. 親善 8. 栄(えた) 9. 任(せる) 10. 巻(いて)
【大問二】説明文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:26分
- ★必答問題
コーヒーの栽培方式が環境・経済に与える影響を説明し、自然との共生が可能なシェイドグロウンのコーヒーを選べば生物多様性の保全と社会環境への配慮につながると筆者は主張している。
問1 A. サングロウンはコストが低く生産性も高い、「その結果」転換が急激に進んだ。B. 基準が設定されている、「具体的には」○○%で××メートル…。
問2 拍車がかかる――進行がいちだんと速くなる。
問3 (1) a. 落葉で地面の保湿力が高まり、「肥料を減らすこと」も可能。
b. 根を深く張るので、「土壌流出を軽減し」てくれる。
(2) 「化学肥料を使ったとしても揮発して大気を汚染することを抑えてくれる」「雑草が生えにくくなるため除草剤も不要なので、雨で流れて河川を汚染することもなくなる」ことが述べられているので、適当な字数にまとめる。
問4 生物多様性と経済活動という両立するのが難しいことを同時に達成できる手段が他にあまりないという意味で「貴重」なのである。
問5 いくつか書かれているが、「サビ病への対策コストがかからず、人件費も低く抑えら
れ、しかも生産性も高い」の部分がいちばんまとまっている。
問6 「当時の交配種はまだ品質の安定性では劣っていた」「栽植密度が高く、機械での収穫も可能=生産性が高い」などの記述から、「質より量」が思い浮かぶ。
問7 生産性ではメリットが大きいが、森林を伐採してしまうので生物多様性に重大な影響を及ぼし大量の化学肥料や農薬が必要になる→選択肢ウが合う。
問8 生物多様性による恩恵のうち、農薬に関係するのは「鳥やコウモリがコーヒー樹の害虫を捕食してくれる」という部分である。
問9 自然との共生が可能なシェイドグロウンのコーヒーを選べば、生物多様性の保全と社会環境への配慮に間接的に貢献していることになり、そのような農家も守れるのである。
問10 イ. 鳥やコウモリが害虫を食べてくれるという例で説明されている内容なので、正しい。
【大問三】随筆文の読解
- 難度:標準
- 時間配分:21分
子供の頃から抱いていた工場への強い思い入れをつづり、現在でも尽きぬ興味から本を執筆することになったと筆者は語っている。
問1 A. 石垣が高いということを強調したいので「ゆうに」。
B. 「誘拐」であるから、「こっそり」。
問2 ここで使われている「ばかり(副助詞)」は、範囲を限定する(○○だけする)という意味である→選択肢エが同じである。
問3 「西日が差し込み、~よみがえってきます」の文が、当時の印象が現在でも強く心に残っていることを物語っている。
問4 (1) それ(火花)自体が、「自在に姿を変える魅惑的な生き物」のようだと述べられている。
(2) 子どもの私にとって工員さんは、「見えない人類の敵を火花でやっつけてくれる、格好いい、英雄」でした、と書かれている。
問5 ウ. 催眠術をかけるための薬品の工場で人々を誘拐して働かせている…などとおそろしい妄想をしている。
問6 一刻も早く通り過ぎようと速度を上げながら、妄想が止められない様子が描かれている→選択肢アが合う。
問7 ア. ( )内には現実も含まれているので、×。
ウ. この三点リーダーは、例に挙げた三つ以外にも工場の思い出がたくさんある、ということを暗示している。
エ. 「記憶が古い順」だとは示されていない。
問8 最後の段落にまとめられている。建物自体の面白さ・独自の秩序・機械や道具類の精密さ・製品に対する情熱・誇り・人間の手の繊細さなど、さまざまな魅力が詰まっており、人間の知性と感情が詰まった場所で、筆者にとって書物にする価値があるところなのである。
問9 「工場の思い出は、たくさんあります」と語る段落で、「世界の秘密」「世界は自分が思うよりずっと広く、人間は想像するよりずっと偉大な働きをしている」「無意識のうちに、大事な心理を感じ取っていたのかもしれません」などの発言があることから、選択肢エを選べる。
攻略のポイント
素材文に論説文・説明的随筆文・文学的随筆文のうち2つが用いられる形がここ数年のパターンとなっている。この3パターンの文章の類似問題を多くこなしておこう。
論理的な文章の読解力を重視している本校の試験だが、ここ数年は文学寄りの随筆文が出されている。今後の傾向を示している可能性もあるので、このタイプの随筆にも慣れておく必要がある。
字数指定のある書き抜き・記述問題が多いという特徴も意識して、過去問・類似問題でまとめ方の訓練を。
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