巣鴨中学校 入試対策
2025年度「巣鴨中学校の理科」
攻略のための学習方法
巣鴨中第Ⅱ期入試、理科の満点は50点、問題数が非常に多く、中でも計算問題が多いことが特徴であり、この傾向が毎年続いている。知識問題も多いが、かなり細かい知識を問う問題も見られる。知識問題の中には、時事的な内容を問う問題が含まれる年度もある。
攻略のための学習法としては、夏までを目標に幅広く正確な知識を固めること。計算問題対策としては、力学・化学変化を中心に、演習量を十分に確保して取り組むこと。目標とする問題のレベルは高めに設定して頑張って欲しい。問題の演習においては時間を意識することも必要となる。秋以降の過去問演習等では30分という時間の使い方を意識しながら取り組むこと。各分野の学習方法は以下の通り。
<分野毎の学習法>
生物分野
本年度は季節と生物に関する出題で、基本的な知識に加え、かなり細かい知識を問う問題も含まれていた。ここ数年を見ると、植物のつくりと働き、花と種子、植物のつくりと働き、動物の生態、ヒトの骨と筋肉、アキアカネの生態など、植物・動物・昆虫・人のからだの働きの各単元から、幅広く出題されている。この分野の学習法としては、上記各単元の基本知識を夏までを目途に、しっかり身につけること。かなり細かい知識問題も想定されるので、図鑑や資料集も用いながら、貪欲に知識吸収を行って欲しい。また、植物の蒸散や光合成、人の呼吸など計算が絡む問題の演習にも力を入れること。
地学分野
本年度は天体に関する出題で、太陽の動き・月の見え方・星の見え方など、天体全体についての正確な知識と理解が求められる内容であった。ここ数年の出題を見ても、太陽の動き・月・惑星など天体に関する出題が多い。今後も天体を中心とした出題が予想される。天体に関しては知識に加え、月や星の動き・月や惑星の軌道についての計算問題の練習にも力を入れて欲しい。天体以外では、過去に出題されている地震、地層、岩石、気象についての学習も怠ることなく行うこと。
物理分野
本年は力のつり合いの出題であった。重さの違う2種類の棒のつり合いを考えるという、やや難度の高い設定であった。ここ数年の出題を見ても、力のつり合いに関する出題が続いている。今後もこの傾向が続くと思われるので、計算問題の練習に力を注いで欲しい。基本レベルの問題だけでなく、難度の高い問題や過去問と同レベルの問題の演習にも手をチャレンジすること。
化学分野
今年度は気体の発生と性質について出題された。基本的な知識問題と計算問題が含まれていた。ここ数年では、金属の化学変化、水溶液の性質、金属と水溶液の反応など気体や水溶液の化学変化についての出題が多くなっている。今後も同様の出題傾向が続くと思われる。この分野の学習としては、気体・水溶液・指示薬の色の変化などの知識は確実に身につけること。その上で、水溶液と金属の反応、中和反応、燃焼など計算を必要とする問題の演習を徹底的に行って欲しい。
本校の入試では30分というタイトな時間の中での解答の進め方が重要になってくる。過去問演習は時間を意識して取り組んで欲しい。その上で、できなかった問題についてはしっかりその原因分析を行い、同じ間違いをしないように対策して欲しい。分析や対策については、プロの家庭教師を是非活用してもらいたい。
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2025年度「巣鴨中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数は4、小問数は約40で50点満点、試験時間は30分で例年通りであった。記号選択問題、適語を答える問題、計算問題が中心で、記述問題も見られた。
設問数が非常に多く、計算問題も多いことから、30分という試験時間はかなり短く感じられるであろう。できる問題からてきぱきと解答欄を埋めていくという姿勢が求められる。また、過去問演習など時間を意識した演習も大切になってくる。
【大問1】生物分野 季節と生物
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
問1
(1)「シャワシャワシャワ」と大きな声で鳴いていた、かつては西日本の平野部に広く分布図、以上より、クマゼミ。
(2)夜に咲くことから、オオマツヨイグサ。
問2
(1)カエルは変温動物なので、気温と体温がほぼ等しくなる。
(2)ヘビもカエル同様に変温動物。コウモリは恒温動物だが、冬は自らの体温を下げ、活動しない。
(3)記述問題。「ロゼット」の姿で冬を越すことにより、冷たい風が当たりにくい。
問3
(1)モンシロチョウの幼虫の食草はアブラナ科の植物、アゲハチョウの幼虫の食草はミカン科の植物。
(2)オオイヌノフグリの花は青色、ホトケノザの花は赤色。
(3)奄美大島・絶滅宣言より、マングース。
(4)外来種には、国内の他の地域から持ち込まれた生物も含まれる。
問4
(1)1回目に捕まえたコオロギは計29匹、2回目に捕まえた35匹のうち、印のついているものが7匹で、その割合は7/35=1/5。従って、庭全体のコオロギの数は、29÷1/5より、145匹。
(2)ヒガンバナの葉についての選択問題。
問5
A:クマゼミが鳴くことから夏
B:ヒキガエルが冬眠していることから冬
D:コオロギが鳴いていることから秋
C:判断にやや迷うが、残された春が該当
季節と生物に関する出題。かなり細かい知識問題が含まれている。植物の花の色など、日頃から図鑑や資料で確認しながら学習をしているかが問われる。問4(1)の生物の個体数の計算方法は、入試で頻繁に取り上げられる。しっかり理解しておきたい。
【時間配分目安:6分】
【大問2】物理分野 力のつり合い
- 難度:やや難
- 時間配分:9分
- ★必答問題
問1 太さが一様な棒なので、ばねばかりAにかかる力は、100gの1/2にあたる50g。
問2 棒Xの重心の位置をP、棒Yの重心の位置をQとすると、PQ間の長さは10㎝。
また、棒Xと棒Yの重さの比が1:4なので、CP:PQ=4:1。これより、CP=8㎝となるので、BC=8-5より3㎝。
問3 棒Yによる反時計回りの回転力は、5×400より2000。棒Xによる時計回りの回転力は、5×100より500。2000-500の1500がおもりDによる回転力となればよいので、Dの重さは、1500÷10より150gとなる。
問4 左側のばねばかりからQまでの距離:QからばねばかりEまでの距離=1:3より、棒Yの重さの1/4が、ばねばかりEに加わる。同様に考えると、棒Xの重さの3/4が、ばねばかりFに加わるので、400×1/4+100×3/4より、175gとなる。
問5 ばねFに加わる重さは500-175より325g。ばねFは100gで2㎝伸びるので、325÷100×2より、6.5m伸びる。
問6 糸Iの位置を支点とする。左側のZによる反時計回りの回転力は、23×500より11500。右側のZによる反時計回りの回転力は、3×500より1500。糸Jによる時計回りの回転力は、30×325より9750。11500+1500-9750より、おもりGによる回転力が3250になればよいので、3250÷10よりGの重さは325g
問7 500×2+325-325より、糸Iに加わる重さは1000g。輪軸のつり合いの計算をすると、1000×3÷15より、手にかかっている重さは200g。
問8 手にかかる力が770gなので、糸Iにかかる重さは770×15÷3より3850g。ばねFの伸びが3㎝なので、糸Jに加わる力は150g。従って、Zの重さの合計は3850+150の4000gなので、4000÷500より8本となる。
力のつり合いの計算問題。2種類の棒の重さを考慮して計算するという設定で、全体的に条件が複雑であり、やや難度が高い。本校では、力のつり合いの出題頻度が非常に高く、今後も本年度と同程度のレベルの出題が想定される。本校受験者は、力のつり合いの問題演習を、レベルの高い問題も含めてしっかり行ってもらいたい。
【時間配分目安:9分】
【大問3】地学分野 天体
- 難度:易
- 時間配分:6分
- ★必答問題
問1 (1)~(3)春分・夏至・秋分・冬至における太陽の動きに関する選択問題
問2
(1)月を毎日同じ時刻に観測すると、見える方位は東へ移動していく。
(2)満月の南中高度が最も高くなるのは冬至のころ。太陽・地球・月の位置関係で考えること。
(3)月は南中する頃に最も大きく見える。また、月の公転軌道は完全な円ではないので、月と地球の距離は一定ではない。
問3 毎日同じ時刻に星を観測すると、東から西へ約1度ずつ移動して見える。
問4
(1)南半球では、太陽は東から上り、北の空を通って、西に沈む。
(2)南半球では、オリオン座は東から上り、北の空を通って、西に沈む。見え方は、北半球で観測した時と上下左右が反対になる。
問5
(1)オーロラに関する問題。普段は見えないオーロラが北海道で観測できたのは、太陽から地球に届く粒子が多かったためと考えられる。
(2)すい星に関する選択問題。すい星の尾は、太陽から飛んでくる粒子の影響で、太陽と逆側に伸びる。
天体に関する出題で、太陽の見え方・月の見え方・星の見え方・オーロラとすい星についてと、幅広い知識問題が並んでいる。太陽・月・星の動きに関しては。どうしてそのように動いて見えるのかの理屈を含めて理解すること。日本以外での天体の見え方も、理屈がわかっていれば理解可能なはずである。
【時間配分目安:6分】
【大問4】化学分野 気体の発生と性質
- 難度:易
- 時間配分:9分
- ★必答問題
問1 二酸化マンガンと過酸化水素水の反応で酸素が発生する。
問2 二酸化マンガンは触媒として働く。粉状にすると、酸素の発生総量は変わらないが、発生の速度が上がる。
問3 酸素が少ない小さい方のビンから先に消える。
問4 二酸化炭素と石灰水の反応で炭酸カルシウムが生じ、白く濁る。
問5 塩化コバルト紙は、水にふれると青色から赤色に変化する。
問6
(1)気体は水温が低い方がよく溶ける。
(2)酸素・二酸化炭素、いずれも空気より重い。
問7 記述問題。発生した水が加熱部分にたまったときに、試験管が破損する可能性がある。木の蒸し焼きなどの実験でも同様である。
問8 12.6gの重そうから3.3gの二酸化炭素が発生する。二酸化炭素1Lの重さが1.76 gなので、3.3÷1.76より1.875L=1875㎤の二酸化炭素が発生する。従って、重そう1gから発生する二酸化炭素は、1875÷12.6より四捨五入して、149㎤。
問9 3.3gの二酸化炭素が発生したとき、7.95gのZが生じたので、2.2gの二酸化炭素が発生したときには、7.95×2/3より、5.3gのZが生じる。また、このときに反応した重そうは、12.6×2/3より8.4gなので、1.6gの重そうが反応せずに残る。
気体の発生と性質に関する出題。問6までは基本的な知識問題であり、しっかり正答したい。問7は入試頻出の記述問題。問8以降は計算問題で、難度がやや高くなっている。「知識問題は確実に正答する」という気持ちをしっかり持って学習を進めて欲しい。
【時間配分目安:9分】
攻略のポイント
今年度の巣鴨中第Ⅱ期入試は例年通り4分野からの出題であった。30分というテスト時間に対して問題数が非常に多い。基本的な知識問題が多いが、細かい知識問題も含まれる。物理・化学分野の計算問題は難度が高めなものが含まれる。本年も例年通りの傾向の出題であった。
生物分野・地学分野を中心に知識問題も多く含まれているので、ここで確実に正答することが第1の攻略ポイントである。かなり細かい知識問題も見られるので、正確で幅広い知識吸収が必要となる。夏までを目途に知識固めを行いたい。
物理分野・化学分野の計算問題のレベルは標準またはそれより高めで、今年度の出題でも同様の傾向が見られた。計算問題対策が第2の攻略ポイントとなる。力学を中心に、想定される計算問題の演習には十分過ぎるくらい時間をかけて欲しい。試験中の対応としては、計算に手間取りそうな問題は後に回すといった判断も必要であろう。
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