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巣鴨中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2021年度「巣鴨中学校の理科」
攻略のための学習方法

巣鴨中学の理科を攻略するためには、次の2つの力が同時に内在しなければならない。

1つは,理科における十分な基本的知識。
もう1つは,計算問題への対応力である。

どちらが欠けても将来の合格点は見えてこないので,両輪がそろうようにこれから勉強を積み上げていきたい。

「基本的知識」のレベルは決して高いものではなくてもよい。普段塾や家で学習している参考書や問題集において、「重要」と記されている箇所の項目を徹底的に暗記して身につけることだ。簡単そうに見えるが容易ではない。

この際には、自分への妥協は出来るだけ排除すること。巣鴨中の受験生は理数系が得意な生徒が集まってくるので理科で差をつけられないためにもできるだけ高得点を自らに課したい。

暗記においても「ここまで覚えたからいいや」ではなくて,重要項目はくまなく覚えきる。手を抜いたところが出題されるかもしれないではないか。そのとき,ライバルたちはそこで得点出来るに違いないのだ。意地のぶつかり合いだ。是が非でも巣鴨に合格したい場合は相手に負けない根性をもって項目の暗記に努めたい。

そしてその知識の確認には,過去問H28年の「植物」,H27年の「植物と昆虫」「地球の歴史」などの大問が使える。すらすら解けるようであれば,こちら側の力はもう十分だ。

とにかく,「もうおなかいっぱい」と自分もまわりも(?)満腹を感じられるまで知識量は増やしておこう。
なぜかというと,2つ目の力は「ついた」と自覚してもいささか心許ないからだ。

それは計算問題への対応力。
「生物」や「地学(天体や気象など)」よりも,覚えることが少なくて計算があたれば出来る「てこ」や「滑車」の方が好きな生徒もいるだろう。テストでもそういう分野が出ると俄然張り切る生徒(笑)。そういう生徒にははじめから計算力への対応力はあるので暗記の時間を増やしていけばよい。暗記がイヤでもやり給え。

問題は「計算問題」でつまずいてしまう受験生たちである。
巣鴨の入試問題における計算をふくむ大問は難易度が高い場合がある。まず,与えられた条件が複雑であり,数値も一気にたくさん出てくる。本番では頭がパニックになりそうだ。しかし,ここを乗り越えなければ合格は見えてこない。

今回,一から計算問題をやり直そうと志す者は,本当に基礎的な問題から順に難易度を上げて自分が引っかかった箇所を把握しておこう。物理の大問では,設問は後半に行くほど難易度が上がる仕組みになっていることが多いので,前半の設問はさほど難しくない場合もある。苦手意識のある生徒はその前半だけでの得点でも十分だ。無理してまったくわからないものまで理解しようとしなくてもよい。

計算がからむ大問においてこわいのは,はじめの方の答えを計算ミスしてしまうと,あとの設問で次々と失点を重ねてしまう可能性があることだ。これは暗記分野にはないこと。だからこそ心許ないといえる。

安定した暗記分野での得点力としっかりと身につけた計算問題への対応力,この二つがそろってこそ難関と呼ばれる巣鴨の理科を突破できるのだ。まだ時間は十分にあるので気合いを入れてがんばって欲しい。

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2021年度「巣鴨中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

30分で40問以上の小問に答えなければならず。そのうち、計算を必要とする設問が他校と比べても多く含まれているので、迅速に答えを出していくことが必要だ。
本年度でも、【大問2】の後半は計算問題が続けざまに出題されており、
ここをうまく処理しないとそれ以降の【大問3】【大問4】は時間が足りなくなる可能性がある。【大問1】【大問3】のような知識分野の設問は短時間でこなし30分という時間をうまく使いたい。

【大問1】生物…動物の生態

  • 難度:
  • 時間配分:7分
  • ★必答問題

前半は背骨がある生物とない生物の比較・特徴、後半は食性(肉食か草食か)の異なる生物の問題となっており、問9に簡単な計算問題が含まれるが、ほぼ基本的な知識問題で占められている。ここは全問正解かそれに近い数字をたたき出したい。
一度聞いたことがないと答えに自信が持てないのは問2か。動物のほとんどは背骨がない動物でその種類は約130万種で、背骨がある生物は約6万6千種である。つまり、背骨がある動物の割合は5%に満たない。
後半では問9・問10が表を参考にしながらでないと答えられないので慎重さを要する。ウシの胃の数は基本的知識だろう。ライオンのXは7を1.8で割って求めれば良い。問10はぜひふたつとも当てたい。
問11の正解に見られる「反芻(はんすう)」と呼ばれる性質も聞いたことはあるだろう。

【大問2】物理…ばね、滑車・輪じく・浮力

  • 難度:やや難
  • 時間配分:9分

もはや恒例となっている、【大問2】=「計算問題」だが、本年度は問6以降に難易度の高い設問が並んだ。ただ、巣鴨の過去問で鍛えてきた生徒にはさほどの難しさは感じなかったかもしれない。以前の問題に比べるとこれでも易化している。

問1・問2はおもてなしの心が感じられる基礎中の基礎で、出題しなくても良いと思うのだが。
問3からは手のこんだ滑車・輪じくなどを組み合わせた本格的な計算問題となる。図2を見て、滑車と輪じくの重さから支点までの逆比をとればXの長さは求められるだろう。
問4はこれにばね・おもり・浮力の要素が加わる。本年度のハイライトである。
問4では、ばねが22cmになる重さを問2の答えから求めれば良い。
問5問4で求めた値と輪じくの外側の半径の積、これがおもり1個の重さと輪じくの内側の半径の積とつりあっているところから求める。ここが正しいと最後の設問までコマを進めることが出来る。
問6のつりあいでは、おもりと棒のつり合いを考えなければならない。ここでは問3の数値が使われる。水槽の中にあるおもりは浮力を受けて軽くなっている(360g)のでこれに支点までの長さをかけたものと、右側のおもり2つとそれぞれ支点までの長さをかけたものが等しいという等式を作り、そこからYcmを求めることになる。ここがいちばんの難所。
問7は、本来540gのおもりの重さが水の中にあることによって360gの重さになっている。つまり、受けた浮力は180gである。このことと、問題文にある浮力の説明から答えを出すことができるだろう。
問8は、台はかりには、浮力で軽くなったおもりの重さが負担としてかかってくる。この設問だけを取り出せば基本的な問いである。

さて、どこまで健闘できただろうか。巣鴨対策としてがんばって計算問題に取り組んできた受験生であれば全問正解してもおかしくない。

【大問3】地学…太陽・月・潮の満ち引き

  • 難度:
  • 時間配分:7分
  • ★必答問題

潮干狩り場でもらったというパンフレットを参考にしてその情報の謎に挑むという面白い問題になっている。

問1は、太陽に関する基本的な知識問題である。(4)で問われている皆既日食と金環食の違いなども近年よく採り上げられる内容になっている。間違えた生徒は要注意。
問2は、太陽が沈むころ、南西に見られる月の形・その位置などを答えさせる問題でこちらも基本の域を出ていない。問3は出題するのがはばかれるくらい基礎的な問い。
さて、問4からが潮干狩り場の謎に迫る問いになっていて、潮の満ち引き(満潮・干潮)についての知識が必要となる。太陽と月・地球の位置関係から潮の満ち引きが起こるわけだが前半の知識問題に比べると少々細かい問いと言えよう。図2をよく見て、問4・問5には答えたい。そしてそれらの答えも含めて、問6の最終設問にあたりたい。満潮・干潮・大潮・小潮に関しての知識が乏しくても図2をうまく利用すれば解けるようになっている。良問である。

【大問4】化学…アルミニウムと鉄の反応

  • 難度:標準
  • 時間配分:7分

いろいろな重さの鉄とアルミニウムをうすい塩酸に溶かしてそのとき発生する気体の体積などを調べる典型的な問題である。新味はほぼない。

問1・問2は相変わらずのサービス問題で、問3~問5もかなり基本的な設問になっている。
後半になり、計算を必要とする問題になってくると難易度の上昇は見られるものの設問の内容は既視感のあるものばかりだ。
問6は表2を参考にして簡単なひき算をすれば良い。
問7では、表1・2に同じ重さの鉄とアルミニウムの数値がないので、どこでも良いから何倍かして鉄またはアルミニウムの重さをそろえる必要がある。
問8は問題自体のレベルは高いのだが、いかんせん同じ解き方をする問題が昨年度のテストにもあった。いわゆる「つるかめ算」を応用する解き方である。はじめて用いたときには新鮮さを感じるものの今では定番になっており、受験生たちも「またか…」と思いながら少し複雑な計算に取りかかるしかない。
問9は「たたら」と呼ばれる道具などの話で、いかに純粋な鉄をとりだすかという先人の苦労が語られているがこれもアニメ映画で採り上げられてからは毎年どこかで見かける問題となっている。設問も頭をひねるほどのものはない。

攻略のポイント

テスト時間は30分で50点満点。
本年度は【大問2】に複雑な仕組みによる計算問題を複数見てはいるものの総じて設問のレベルは基本的である。【大問2】を含めても70%以上、できれば80%の得点を要求したい。
合格点をとるためには、設問の過半数を占める知識問題で地道に得点を重ねつつ、そこかしこに存在する計算問題を理科の自力に合わせて消化していければ大丈夫だ。
また、「生物」「地学」のほか「気体の性質」「水溶液の性質」「燃焼」「電磁石」など、頻出分野での暗記項目には強くなって万全を期そう。

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