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巣鴨中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2024年度「巣鴨中学校の社会」
攻略のための学習方法

〇問題構成・形式

巣鴨中学の試験は、近年は大問3つ、それぞれに地理・歴史・政治分野が割り当てられ、配点も地理・歴史が多めであり、やや地歴重視と言える構成になっている。総解答数25~30問で時間は30分なので、時間には余裕がある。
出題形式は記号選択・正誤選択が多く、用語記入が数問混じる。例年では出されていなかった記述問題が、2019年度以降では出されるようになった。今後の傾向として記述問題の練習もしておかれたい。
解答形式が少し複雑な設問が見られるので、問題文を注意して読み、誤解しないよう気をつけること。
内容自体は極端な難問は出されないが、正解を選ぶのに細かい正確な知識を必要とするものがあるので、選択式だからといって油断はできない。記入は漢字指定なので、漢字が書けなければ得点にはならない。

〇地理分野

地図に示された範囲の地勢・気候・産業について問う形が多い。
長野県の地形図といったひとつのテーマに沿って出題される場合もあるし、各都道府県の産業のように広く総合的に訊かれる場合もある。各地の農・林・水産業、貿易とその相手国、地形や地形図の読み取りなどの問題が過去に出題された。特に、農産物と気候(雨温図)の問題は出される年が多くなっている。2019年度では災害と防災というテーマで地震・水害やその対策について詳しく訊かれる問題が出された。
テキストで各基本事項を押さえたら、地図・白地図で地形・位置・産業の特色などをまとめていく。特に、各地域の農産物の分布など、最新版の資料集でデータを集めておく。気候区ごとの雨温図の特徴と代表的な都市は正確に頭に入れておくべきである。また、地名を答える問題も多いので、地図で位置を確認し、漢字で書けるようにしておく。
2023年度はこちらの分野で記述問題が2問出されている。

〇歴史分野

各時代・各分野から幅広く出題される。
短い本文を読んでから各問に答えるパターンと、箇条書きの短文説明に1問1答で答えていくパターンとがある。他校の試験で見られるような史料は、本校ではほぼ出されていない。
選択肢の中にミスを誘う紛らわしい一言が含まれていたりするので、注意が必要である。
問題文も含めて細部まで気を抜かずに読むことを心がけたい。
時代順の並べ替えも出されているので、年表を活用して流れが頭に浮かぶようにしておく。また、年号を直接訊かれる問題もあるので、自分なりのやりやすい覚え方を見つけて暗記したい。
また、2024年度ではこちらの分野で記述問題が1問出されている。

〇政治分野

日本国憲法・三権の仕組みとはたらき・時事問題などが出される。
中国の経済成長やヨーロッパ連合など、テーマを絞って出題される問題と、環境・経済・政治などについて述べた10ほどの短い説明文の正誤を選択する問題と、およそ二つのパターンが見られる。2021年度では40~45字の記述問題2問が出された。
まずは日本国憲法と政治の仕組みの基本事項をしっかり覚える。
正誤を選ぶ問題は、細かい部分まで正確な知識が要求される。テキストに載っていること、新聞・ニュースで知ったことなど、そのつどよく調べて正確に理解しておけば、大きな力となる。

〇地歴対策

地理と歴史の配点が大きいことを考え、この2分野は重点的に取り組み、特別な難問や細かすぎる知識は問われないので、基礎力の充実に努める。
地理分野は出題傾向に少し偏りがあるので、良く出る問題を過去問で調べてその範囲は特に念入りに学習しておく。
歴史はやや細かい知識が問われることがあり、並べ替え問題も見られるので、テキストと年表を併用し、その事項の周辺まで詳しく見ておくようにする。時事問題対策として、広く社会の出来事に関心を持ち、目を向けることも忘れないでほしい。
さらに、本校の特徴である選択肢問題への対応がある。細部にまで注意が必要な選択肢や、複雑な答え方をさせる設問など、ミスを誘うような出題が多いので、過去問を多くこなして、落ち着いて対処できるように慣れておくことが重要である。

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2024年度「巣鴨中学校の社会」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

総解答数は25問。地理分野10問・歴史分野10問・政治経済分野5問という割合であった。
記述問題が出されているので、他の問題をテンポよく答えて、統計データの読み取りなどとともに記述に少し多めに時間を回せるようにしよう。
選択肢の細部の違いも見落とさないように慌てずに目を通そう。

【大問1】地理分野

  • 難度:標準
  • 時間配分:12分
  • ★必答問題

茶の栽培を題材に、各地の気候・地形や輸出入などについて訊かれている。

問1 cは冬に降雨(雪)量が多い日本海側の特徴がみられるので村上市、aは年間を通して降雨量が少ない内陸の気候と考えられるので山形市、残るbが大船渡市である。

問2 5㎜×25000=125000㎜=12500㎝=125m。125m×125m=15625平方メートル。1haは10000平方メートルなので、土地の面積は1.5625ha≒1.6haとなる。

問3 リアス

問4 川が作った平らな土地なので、河岸段丘と考えられる。

問5 関東地方には関東ローム層という火山性の土壌が広がっている。

問6 日本海側に大雪をもたらす冬の北西からの季節風を向きに植えられている。

問7 あ. 『鳥獣戯画』のある高山寺や宇治茶を指している考えられるので、京都府。
    い. 埼玉県・狭山茶について書かれている。

問8 消費量では緑茶・紅茶・半発酵茶の順で多い。

問9 緑茶・半発酵茶の輸入は中国、紅茶の輸入はインド・スリランカ・ケニアなどが多い。

問10 近年急激に伸びているは海外での日本茶ブームや日本食レストランの増加を反映した輸出量である。茶畑は年々減少しているので、が面積でが生産量である。

【大問2】歴史分野

  • 難度:やや難
  • 時間配分:13分
  • ★必答問題

年表を参考にしながら、各時代の人物や出来事について答える問題。

問1 古事記は712年・日本書紀は720年の成立なので、それ以前の出来事として選べる
のは改新の詔(646年)である。

問2 阿倍仲麻呂は遣唐使とともに唐に渡ってそこで官吏として仕え、船が難破して日本には帰ってこれなかった。

問3 御成敗式目は貞永元年の制定だったので貞永式目とも呼ばれる。

問4 東山文化についての説明として、選択肢が合っている。は北山文化、は国風文化、は桃山文化の説明である。

問5 金の含有量の少ない質の悪い貨幣で物価が上昇してしまったため、金の含有量を元に戻した貨幣で物価の安定を図った。

問6 ア

問7 大久保利通

問8 初の本格的な政党内閣を組んだ原敬。

問9 日露戦争(1904年)→第一次世界大戦(1914年)→世界恐慌(1930年代初期)→二・二六事件(1936年)

問10 佐藤栄作の政権は1964年~1972年までなので、選択肢が当てはまる。

【大問3】政治経済分野

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分

日本の政治のしくみについての正誤を考える問題。

4. 三分の二以上ではなく、過半数である。

6. 裁判官の不適切な言動は国会内に設けられる弾劾裁判所で審議される。

7. 内閣不信任決議案の議決は衆議院にだけ権限がある(衆議院の優越)。

8. 衆議院と参議院で出席議員の三分の二以上の賛成が必要。

10. 有権者の三分の二以上の署名を選挙管理委員会に提出、その後行われる住民投票で過半数が賛成すれば解職となる。

攻略のポイント

問題数や配点などが、以前のような毎年一定の形式ではなくなっている。問題の難易度や質問の内容には大きな変化はないので、過去問でしっかり傾向を見ておこう。
基本事項の問題が多いが、決して簡単な試験ではない。基本の中の高いレベルの実力が求められる。テキストを細かい部分まで正確に覚える必要がある。
2019年度から記述問題が加わった点に注意が必要である。今後もこの傾向は続くと考え、準備をしておく必要があるだろう。

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