巣鴨中学校 入試対策
2018年度「巣鴨中学校の社会」
攻略のための学習方法
問題構成・形式
巣鴨中学の試験は、近年は大問3つ、それぞれに地理・歴史・政治分野が割り当てられ、配点も地理・歴史が多めであり、やや地歴重視と言える構成になっている。総解答数25~30問で時間は30分なので、時間には余裕がある。
出題形式は記号選択・正誤選択が多く、用語記入が数問混じる。記述問題は出されていない。
解答形式が少し複雑な設問が見られるので、問題文を注意して読み、誤解しないよう気をつけること。
内容自体は極端な難問は出されないが、正解を選ぶのに細かい正確な知識を必要とするものがあるので、選択式だからといって油断はできない。記入は漢字指定なので、漢字が書けなければ得点にはならない。
地理分野
地図に示された範囲の地勢・気候・産業について問う形が多い。
長野県の地形図(平成24年度・第Ⅰ期)のようにひとつのテーマに沿って出題される場合もあるし、各都道府県の産業(平成24年度・第Ⅱ期)のように広く総合的に訊かれる場合もある。各地の農・林・水産業、貿易とその相手国、地形や地形図の読み取りなどの問題が過去に出題された。特に、農産物と気候(雨温図)の問題は出される年が多くなっている。
テキストで各基本事項を押さえたら、地図・白地図で地形・位置・産業の特色などをまとめていく。特に、各地域の農産物の分布など、最新版の資料集でデータを集めておく。気候区ごとの雨温図の特徴と代表的な都市は正確に頭に入れておくべきである。また、地名を答える問題も多いので、地図で位置を確認し、漢字で書けるようにしておく。
歴史分野
各時代・各分野から幅広く出題される。
短い本文を読んでから各問に答えるパターンと、箇条書きの短文説明に1問1答で答えていくパターンとがある。他校の試験で見られるような史料は、本校ではほぼ出されていない。
選択肢の中にミスを誘う紛らわしい一言が含まれていたりするので、注意が必要である。
例えば平成25年度では、「日本橋は五街道の起点の宿場町であった」という選択肢があったが、「起点」は「宿場町」にはならないことに気づかないと、選択を誤ってしまう。また、「正しいものを選べ」と「正しくないものを選べ」がひんぱんに入れ替わるので、問題文も含めて細部まで気を抜かずに読むことが大事である。
時代順の並べ替えも出されているので、年表を活用して流れが頭に浮かぶようにしておく。また、年号を直接訊かれる問題もあるので、自分なりのやりやすい覚え方を見つけて暗記したい。
政治分野
日本国憲法・三権の仕組みとはたらき・時事問題などが出される。
中国の経済成長やヨーロッパ連合など、テーマを絞って出題される問題と、環境・経済・政治などについて述べた10ほどの短い説明文の正誤を選択する問題と、およそ二つのパターンが見られる。
まずは日本国憲法と政治の仕組みの基本事項をしっかり覚える。
正誤を選ぶ問題は、細かい部分まで正確な知識が要求される。テキストに載っていること、新聞・ニュースで知ったことなど、そのつどよく調べて正確に理解しておけば、大きな力となる。
地歴対策
地理と歴史の配点が大きいことを考え、この2分野は重点的に取り組み、特別な難問や細かすぎる知識は問われないので、基礎力の充実に努める。
地理分野は出題傾向に少し偏りがあるので、良く出る問題を過去問で調べてその範囲は特に念入りに学習しておく。
歴史はやや細かい知識が問われることがあり、並べ替え問題も見られるので、テキストと年表を併用し、その事項の周辺まで詳しく見ておくようにする。時事問題対策として、広く社会の出来事に関心を持ち、目を向けることも忘れないでほしい。
さらに、本校の特徴である選択肢問題への対応がある。細部にまで注意が必要な選択肢や、複雑な答え方をさせる設問など、ミスを誘うような出題が多いので、過去問を多くこなして、落ち着いて対処できるように慣れておくことが重要である。
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2018年度「巣鴨中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は29問。地理10問・歴史12問・政治7問という割合であった。
記述問題などの時間がかかる問題は無いので、テンポよく答えて、統計データの読み取りなどに少し多めに時間を回せるようにしよう。
選択肢の細部の違いも見落とさないように慌てずに目を通そう。
【大問1】地理分野
- 難度:やや難
- 時間配分:11分
- ★必答問題
各都道府県の人口に関する統計を中心に問題が作られている。
問1 日本は人口減少の局面にあり、どの程度の割合で減少が進むのかは興味深い所である。5年ごとの調査の
結果を比較して、大まかな数値でよいので覚えておこう。
問2 現在、日本はすでに超高齢社会に分類されている。年少人口・生産年齢人口が減り老年人口は増えること
が予想されるので、ますます高齢化していくことになる。
問3 鳥取県・島根県・高知県・徳島県で人口の少ない県の1位から4位となっている(2017年10月)。中国・
四国地方では瀬戸内海側に産業が発達し人口も多い。
問4 57÷1.6=36(万人)という計算で、同じ面積あたりと仮定した場合の人口が推定できる。これを東京の
1351万人とくらべると、東京が約37.5倍の人口密度となる。
問5 北海道は人口は多いが広大な面積のため人口密度はもっとも低いので、その点が読み取れるアが人口密度
とわかる。平均年齢は過疎化が進んだ地域で高くなるだろうから、エが適当であろう。イは人口総数、ウ
は人口増加率である。
問7 日本は難民をほとんど受け入れておらず、そのための施設も極めて少ない。
問8 長崎は造船業と石炭産業で近代化が進んだ県である。繊維業は盛んではなかった。また、観光客数は再び
増加してきている。よって、イとカが正しくない。
<時間配分目安:11分>
【大問2】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:12分
- ★必答問題
元号の話題を中心に、各時代のことが訊かれている。
問1 710年平城京への遷都は元明天皇によるものであり、708年にも在位していたのでアは間違い。
問3 保元の乱ではともに天皇方に与して勝利に導いた平清盛と源義朝だったが、その後の政治に不満を持った
義朝らは平治の乱を起こし、清盛に敗れた。この後、平氏は全盛時代を迎える。
問4 石橋山の戦い(神奈川県)→富士川の戦い(静岡県)→一の谷の戦い(兵庫県)→屋島の戦い(香川県)と西へ西
へと平氏は追い詰められ、壇ノ浦(山口県)で滅ぼされた。
問5 エは御所ではなく別荘。また、慈照寺は銀閣のことで、金閣は鹿苑寺である。
問6 慶長の役は慶長2年(1597年)のことなのでウは誤り。
問8 1972年は日中国交正常化と沖縄返還という大きな出来事があった。
問9 701年・「大宝律令」。聖武天皇の時代の文化は「天平文化」。最澄が建てた寺院は比叡山「延暦寺」。
新井白石の「正徳の治」。戦や政策などにも元号が使われているものが多くある。
<時間配分目安:12分>
【大問3】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:7分
議会が廃止となった高知県大川村を題材に、地方自治や税制について訊かれている。
問2 県や市などの単位では、住民が多いので直接民主制は現実的ではない。解職請求や住民投票など一部にお
いて採用されている。
問3 総理大臣については、国民は直接には選べず、国会議員を通じて間接に関わるだけである。アメリカや韓
国などの大統領制は国民が直接に選出する制度である。
問4 A.国庫支出金は国に代わって自治体が担う業務なので、使い方の指定がある。地方交付税交付金には使
い方の指定は無い。
問5 義務教育を終えた高校生(15歳)から定年退職(64歳)するまでが生産年齢人口である。
問6 住民が少なくバスの路線が廃止されたような地域では、そもそも店自体が近くに無く、高齢などにより車
の運転ができない人は買い物も困難になってしまう。移動販売車はそのような地域を巡回して生活を支え
るのである。
<時間配分目安:7分>
攻略のポイント
問題数や配点などが、昨年までのような毎年一定の形式ではなくなっている。問題の難易度や質問の内容には大きな変化はないので、過去問でしっかり傾向を見ておこう。
基本事項の問題が多いが、決して簡単な試験ではない。基本の中の高いレベルの実力が求められる。テキストを細かい部分まで正確に覚える必要がある。
極端な難問は出されないが、細かい部分まで詳しく訊かれる場合があるので、年表や資料集などで知識に厚みを持たせるよう、丁寧に学習しよう。
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