頌栄女子学院中学校 入試対策
2016年度「頌栄女子学院中学校の理科」
攻略のための学習方法
着実な大学合格実績で、多くの受験生を集め、安定した人気を誇る頌栄女子学院。
その理科の入試問題も、生徒の実力を発揮しやすい良問である。
まず、出題範囲に偏りがない。いわゆる4分野から均等に出されており、基礎的な設問が中心でありながら、よく練られた計算問題も複数出されており、学力に合わせた点数が取れやすくなっている。
つまり、計算好きな生徒には高得点が望めるテストになっているということだ。
もちろん、計算ができなくても合格点は取ることができる。
では、まず何を心がけて同校の対策に入っていけばよいのか。
まずは、これはどの学校についても言えるのだが、「基本的な知識を着実に身につけること」。これが最初にして最後の目標だ。
理科の知識は煩雑で覚えきれない、という生徒もあろう。また、算数や国語に手がかかるという生徒もいるだろう。
だから、教えられたことを全部覚えなくてもいいのだ。指導してくれた先生が、「ここは大切!」といったところだけでいいから覚えていこう。
具体的には、模試などで正答率50%以上の知識問題の答えから覚えていけばよい。時間があればその先の段階まで進んでいこう。そんなに難しいことではないだろう。
しかし、極端に覚えていない範囲を作ってはいけない。
4分野が均等に出題されているとは書いたが、すべての単元から出されるわけではない。生物分野で「植物」が得意であっても、苦手な「昆虫」が中心となって出題された場合には、まったく得点できない場合も考えられる。そうなると致命的だ。
どの単元に関しても、得意でなくてもいいから、標準的な問いにはしっかりと答えられるように仕上げておこう。それが全分野に及べば、おそらく合格点は取れるはずだ。
それもできない、という生徒は、出題されやすい分野を絞ってそこを中心に覚えていこう。
生物では「人体」「植物」、地学では「天体」、物理・化学分野では「水溶液」や「気体の性質」などだ。
しかし、ヤマが外れた場合はどうなるか。想像に難くない。やはり、失敗したくなければ、まんべんなく知識を網羅していったほうが良い。
それらのことを十分にやった上で、さらに得点したい場合には、計算問題に磨きをかけるということになる。
前述のように、頌栄の理科の計算問題はなかなか難しい(本年度はさほどでもなかったが)。
算数が得意な生徒でも理科の計算が苦手な生徒がいるのは、算数に比べるといつも典型的な問題が出されるとは限らないからだ。
塩酸と水酸化ナトリウムの中和ならば何回も解いたことはあるだろうが、平成26年度の最後の設問などはまず初めて見る受験生もいたことだろう。
やったことがある問題でなければ、受験生はまず解けない。そういった点から見て、理科の計算問題もまずは典型的な問題に解き方をマスターした上で、新しい設問が出たら挑戦してもらいたい。
得点の目標は、100点満点の70点くらいが良い。
基本的な知識問題をだいたい正解し、計算問題に少し触れるくらいでその点数をクリアすることはできるだろう。
さらに悩む点があるとすれば、時間不足ということかもしれない。
40分で50問を解くわけだから、1問あたり48秒、見直しなどを考えると40秒以内で解かなくてもいけないということになる。
算数と違って、理科は後半の大問に進むにつれて難しくなっていくということはない。
下手な鉄砲とは言わないが、最後の設問まで読める程度には時間を作っておきたい。
そのためには、自覚的に解く早さを身につけること。普段、問題にあたるときも1問解いてお茶飲んで、とかのんびりペースではなく、20~30問くらい一気呵成に解くパワーを装着しておきたい。
なんといっても、テストには問題を解き切るパワーが必要だ。
確実な知識と解くスピードを身につけ、頌栄合格を自分のものにしてもらいたい。がんばれ!
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2016年度「頌栄女子学院中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
40分で大問は4つ、小問は50個前後。設問数は多めで、すばやい対応が必要になる。
受験勉強の中で蓄えてきた知識をあせることなく、解答用紙に展開できれば大方の設問には答えられるだろう。
注意すべきは「物理分野」「化学分野」の大問で、難解な問いが含まれていることがあり、あまり深く考え込んでしまうと残りの問題を解く時間がなくなってしまう。
自分の力を客観的に把握し、難しく感じた問いは後回しにし、テストにまんべんなく目を通したほうが高得点になる可能性が高い。
【大問1】 生物(両生類・せきつい動物の産卵・古生代の魚類)
- 難度:標準
- 時間配分:10分
問1~7は生物に関する基本的な知識を問われている。写真を見て「オオサンショウウオ(両生類)」とわからないと少し苦しむかもしれない。
問8は考察して答える問題。的をはずす可能性もあるが空欄にするよりは何か書いておこう。
問9は突如、古生代に生息していた魚類の問題。古生代といえば「サンヨウチュウ」くらいしか知らない生徒にはわけのわからない問題かもしれない。名前の由来(とても強いひれ)にヒントが隠されてはいるが、ほとんどの生徒にとっては「なんじゃこりゃ」的問題だったと思われるので、出来なくても仕方がないところ。古生代の肺魚でも、シーラカンスだともう少し食いつきやすかったと思うのだが…
【大問2】ものの温度変化
- 難度:標準
- 時間配分:10分
問1・問2はテキストの基礎として習うことがらだろう。問2はすべて当てられるように!
問3もよく聞かれる問いだが(2)の計算、ケタをはずして間違えたりしなかっただろうか。
問4・5はバイメタルを使って最後の設問だ。問5は少し難しい。バイメタルと言うよりは電流の回路の問題になっている。電池の直列・並列、電熱線の直列・並列などの知識がしっかり身についていないと完答は出来ないだろう。
【大問3】金属の燃焼
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
問1・2はまたも基本的な問い。知識の再確認にもってこいだ。
問3は正比例の関係からすぐに求まる。また、鉄と燃やすための酸素の重さの割合を求めておくとあとの問いに使える。
問4も長い受験生活を送ってきたのだかららくらく答えられるはず。問4でひっかかる生徒は後続の設問には答えられなくなるので過去問演習の段階でしっかりと克服しておきたい。
問5からあとはどれだけ計算問題ができるかと言う腕比べ。問6まで正解できれば十分だが、問7も解けないものではないので挑戦してみよう。
【大問4】天体(星座早見盤と冬の星座)
- 難度:易
- 時間配分:10分
- ★必答問題
問1~問3は星座早見盤に関する基本的な問題。登場するお父さんの言うとおり、考えて解いていくようにすると理科の成績も上がるに違いない。
問4の答えをヒントとして問5は答えるようになっている。納得できる説明が出来ただろうか。簡単なことを説明するのは意外と難しいものである。
問6以降はどれも基本的な知識の確認問題。出来なかった問題は反省した上で、頭の中を整理しなおそう。
攻略のポイント
テスト時間は40分で100点満点。受験者平均点が58.7点、合格者平均点が65.0点と昨年並みで、例年よりは10点近く高くなっている。おそらく【大問3】に出題されている計算問題がそれほど難しくなかったからだろう。
受験生には80点くらいの得点を期待したい。他科目への負担も減る。
さて、この得点は厳しいものなのだろうか。そんなことはないと思う。
確かに、難しい設問も含まれているが、生物・地学分野では本当に基本的な知識が問われている。それが大半だ。
本年度では【大問1】の問9以降と【大問3】にやや難しい設問が存在するが【大問1】のものは奇問の類、【大問3】はちょっとキビシメな計算問題なのでてこずるのは仕方ない。他の基本問題をしっかり得点すればよい。
理科の攻略法について簡単にまとめておくと…
・どの分野においても本当に大切だと思われる知識、たとえば星座であれば「冬の大三角」「夏の大三角」「北の空の星座」のレベル。問われる内容も典型的なものだけでよい。他の分野についても同じことで、持っているテキストが何度も繰り返して出してくる言葉と意味をしっかりと覚えておこう。そして、それ をテストで正確に表現できるようにしておけば、十分に合格ラインに手は届く。
・計算問題まで欲張り、理科でたっぷりと貯金をしておきたい生徒は同校の過去問さらに男子校の過去問、または計算問題を集めた問題集などで十分に演習を積んでおこう。計算問題の場合、出される設問が限定できないのが弱いが、計算自体が問題の大勢を占める力学などでは多くの問題に触れてきた苦労が必ず実るだろう。まず基本的な知識で合格点、さらに計算力を身につけ得点を大きく上乗せできれば、頌栄の合格もぐっと身近なものになる。健闘に期待したい。
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