頌栄女子学院中学校 入試対策
2017年度「頌栄女子学院中学校の理科」
攻略のための学習方法
着実な大学合格実績で、多くの受験生を集め、安定した人気を誇る頌栄女子学院。 その理科の入試問題も、生徒の実力を発揮しやすい良問である。
まず、出題範囲に偏りがない。いわゆる4分野から均等に出されており、基礎的な設問が中心でありながら、よく練られた計算問題も複数出されており、学力に合わせた点数が取れやすくなっている。
つまり、計算好きな生徒には高得点が望めるテストになっているということだ。
もちろん、計算ができなくても合格点は取ることができる。
では、まず何を心がけて同校の対策に入っていけばよいのか。
まずは、これはどの学校についても言えるのだが、「基本的な知識を着実に身につけること」。これが最初にして最後の目標だ。
理科の知識は煩雑で覚えきれない、という生徒もあろう。また、算数や国語に手がかかるという生徒もいるだろう。
だから、教えられたことを全部覚えなくてもいいのだ。指導してくれた先生が、「ここは大切!」といったところだけでいいから覚えていこう。
具体的には、模試などで正答率50%以上の知識問題の答えから覚えていけばよい。時間があればその先の段階まで進んでいこう。そんなに難しいことではないだろう。
しかし、極端に覚えていない範囲を作ってはいけない。
4分野が均等に出題されているとは書いたが、すべての単元から出されるわけではない。生物分野で「植物」が得意であっても、苦手な「昆虫」が中心となって出題された場合には、まったく得点できない場合も考えられる。そうなると致命的だ。
どの単元に関しても、得意でなくてもいいから、標準的な問いにはしっかりと答えられるように仕上げておこう。それが全分野に及べば、おそらく合格点は取れるはずだ。
それもできない、という生徒は、出題されやすい分野を絞ってそこを中心に覚えていこう。
生物では「人体」「植物」、地学では「天体」、物理・化学分野では「水溶液」や「気体の性質」などだ。
しかし、ヤマが外れた場合はどうなるか。想像に難くない。やはり、失敗したくなければ、まんべんなく知識を網羅していったほうが良い。
それらのことを十分にやった上で、さらに得点したい場合には、計算問題に磨きをかけるということになる。
前述のように、頌栄の理科の計算問題はなかなか難しい(本年度はさほどでもなかったが)。
算数が得意な生徒でも理科の計算が苦手な生徒がいるのは、算数に比べるといつも典型的な問題が出されるとは限らないからだ。
塩酸と水酸化ナトリウムの中和ならば何回も解いたことはあるだろうが、平成26年度の最後の設問などはまず初めて見る受験生もいたことだろう。
やったことがある問題でなければ、受験生はまず解けない。そういった点から見て、理科の計算問題もまずは典型的な問題に解き方をマスターした上で、新しい設問が出たら挑戦してもらいたい。
得点の目標は、100点満点の70点くらいが良い。
基本的な知識問題をだいたい正解し、計算問題に少し触れるくらいでその点数をクリアすることはできるだろう。
さらに悩む点があるとすれば、時間不足ということかもしれない。
40分で50問を解くわけだから、1問あたり48秒、見直しなどを考えると40秒以内で解かなければいけないということになる。
算数と違って、理科は後半の大問に進むにつれて難しくなっていくということはない。
下手な鉄砲とは言わないが、最後の設問まで読める程度には時間を作っておきたい。
そのためには、自覚的に解く早さを身につけること。普段、問題にあたるときも1問解いてお茶飲んで、とかのんびりペースではなく、20~30問くらい一気呵成に解くパワーを装着しておきたい。
なんといっても、テストには問題を解き切るパワーが必要だ。
確実な知識と解くスピードを身につけ、頌栄合格を自分のものにしてもらいたい。がんばれ!
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2017年度「頌栄女子学院中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
40分で大問は4つ、小問は50個前後なので、速読即解が求められる。
合格点を取るためには、受験勉強の中で蓄えてきた知識をあせることなく、解答用紙に展開できれば6・7割の設問には答えられるだろう。
注意すべきは「物理分野」「化学分野」の大問で、計算問題を含む難解な問いがあり、あまり時間をかけて取り組んでしまうと時間不足に陥る可能性かある。
できるに越したことはないものの、時間のかかりそうなもの・見るからに難しそうなものは後回しにし、テストにまんべんなく目を通したほうが高得点になる可能性が高い。
【大問1】 せきつい動物の分類と特徴
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
問1は、与えられたせきつい動物を5つの類に分けるというもの。 完答しないと点数にならない問いなのでよくわからない生物がまじっているといきなり苦境に立つかもしれない。「オオサンショウウオ(両生類)」は2年連続の登場となった。
問2は生物の特徴に応じて、問題文の個数分答えていくというもの。ほとんど基本的な特徴ばかりだが、(8)はクジラを選んでしまう可能性も…
問3~問5は、クマの体の大きさから始まり、動物の体の大きさと体熱の関係を問われている。問3は表から推定できることしか答えてはいけない。
問4は問3とヒントから表面積と熱の関係がつかめるはずだ。
問5はそれを一般の動物にもあてはめている。人間の体でも、耳たぶがもっとも冷たいと言われるように、暖かい地方に住む動物の耳は、体内の熱を放出するために大きくなっている。アフリカ象の巨大な耳を思い出してみよう。
<時間配分目安:10分>
【大問2】方位磁針と電磁石
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
問1~問4は方位磁針を用いた設問。どれも何回もやってきた問題だと思う。問4はリニアモーターカーの仕組みなどで触れたことがあるかもしれない。
問5~問7は電磁石の問題。問5はなにとなにが比例しているのかをしっかりと書くこと。問7はむしろ簡単な記述であろう。
どの設問も難しくはないが、方位磁針の問題では磁力線の向きを書き込むなど手作業を使って解くこと。その方がより確実にわかりやすいはずだ。
<時間配分目安:10分>
【大問3】中和
- 難度:やや難
- 時間配分:10分
問1は指示薬の基本的な知識を問われている。
問2は完全中和する時の割合が、[実験1]から、(水酸化ナトリウム水溶液):(塩酸)=3:2とつかめれば簡単な問題だ。計算が苦手であったとしてもここはしっかりと答えられるようにしておきたい。
問3もまた、完全中和時の比を用いる問題だが、蒸留水をいくら増やしても溶けている水酸化ナトリウムの重さは増えないのでそこをしっかりと把握して問題にあたること。
問4は良問で、中和の復習さらに発展的な計算問題まで含まれている。このグラフ1と問5のグラフ2との違いがわかっているだろうか。
問4(2)と問6・問7は難度の高い計算問題になっていて、すべて解ければすばらしい応用力を持っていると言えるが1・2問の正解でもよしとして先に進もう。
<時間配分目安:10分>
【大問4】月の満ち欠け
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
問1は地球から見える月の大きさに違いが生じるということに着目している。問1では見える月の面積の比較、問3では見える火星の直径の比較なので、解き方はほぼ同じものの面積比と長さの比の違いを使い分けよう。
問2は月の満ち欠けに関する基本的な問い。全問正解で通過しよう。
問3は突然難しいことを問われている。問題文などを参考にしながら2つに1つはあてておきたい。
問4は、地球と月の大気の違いに注目して記述をまとめよう。
全体としては基本的な問いが多いもののすべてを正解するのは難しそうだ。
<時間配分目安:10分>
攻略のポイント
テスト時間は40分で100点満点。
受験者平均点が50.1点、合格者平均点が58.8点と近年では最も低い合格点となっているが問題の質はそれほど高いものではないだろう。60点以上はしっかりととりたい。いや、しっかりと勉強を積んできた受験生ならば80点くらいの得点を期待したい。
本年度は【大問3】の中和の計算問題の質が高く、少しとっつきにくい印象がある。他は例年並み、例年以上に「普通の」問題だと思う。
どの分野においても本当に大切だと思われる知識、持っているテキストに何度も繰り返して出してくる言葉と意味をしっかりと覚えておこう。そして、それをテストで正しく選択または記述ができれば十分に合格ラインに手は届く。
計算問題が頻出な学校なので、理科で得点を稼ぎたい生徒は少し難しめの計算問題を問題集などで積んでおこう。苦手な生徒は、それなりに…
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