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頌栄女子学院中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2021年度「頌栄女子学院中学校の理科」
攻略のための学習方法

着実な大学合格実績で、多くの受験生を集め、安定した人気を誇る頌栄女子学院。
その理科の入試問題も、生徒の実力を発揮しやすい良問である。

まず、出題範囲に偏りがない。いわゆる4分野から均等に出されており、基礎的な設問が中心でありながら、よく練られた計算問題も複数出されており、学力に合わせた点数が取れやすくなっている

つまり、計算好きな生徒には高得点が望めるテストになっているということだ。
もちろん、計算ができなくても合格点は取ることができる。

では、まず何を心がけて同校の対策に入っていけばよいのか。
まずは、これはどの学校についても言えるのだが、「基本的な知識を着実に身につけること」。これが最初にして最後の目標だ。

理科の知識は煩雑で覚えきれない、という生徒もあろう。また、算数や国語に手がかかるという生徒もいるだろう。

だから、教えられたことを全部覚えなくてもいいのだ。指導してくれた先生が、「ここは大切!」といったところだけでいいから覚えていこう

具体的には、模試などで正答率50%以上の知識問題の答えから覚えていけばよい。時間があればその先の段階まで進んでいこう。そんなに難しいことではないだろう。

しかし、極端に覚えていない範囲を作ってはいけない。
4分野が均等に出題されているとは書いたが、すべての単元から出されるわけではない。生物分野で「植物」が得意であっても、苦手な「昆虫」が中心となって出題された場合には、まったく得点できない場合も考えられる。そうなると致命的だ。

どの単元に関しても、得意でなくてもいいから、標準的な問いにはしっかりと答えられるように仕上げておこう。それが全分野に及べば、おそらく合格点は取れるはずだ。

それもできない、という生徒は、出題されやすい分野を絞ってそこを中心に覚えていこう
生物では「人体」「植物」、地学では「天体」、物理・化学分野では「水溶液」や「気体の性質」などだ。
しかし、ヤマが外れた場合はどうなるか。想像に難くない。やはり、失敗したくなければ、まんべんなく知識を網羅していったほうが良い。

それらのことを十分にやった上で、さらに得点したい場合には、計算問題に磨きをかけるということになる。
前述のように、頌栄の理科の計算問題はなかなか難しい(本年度はさほどでもなかったが)。
算数が得意な生徒でも理科の計算が苦手な生徒がいるのは、算数に比べるといつも典型的な問題が出されるとは限らないからだ。

塩酸と水酸化ナトリウムの中和ならば何回も解いたことはあるだろうが、平成26年度の最後の設問などはまず初めて見る受験生もいたことだろう。
やったことがある問題でなければ、受験生はまず解けない。そういった点から見て、理科の計算問題もまずは典型的な問題に解き方をマスターした上で、新しい設問が出たら挑戦してもらいたい。

得点の目標は、100点満点の70点くらいが良い。
基本的な知識問題をだいたい正解し、計算問題に少し触れるくらいでその点数をクリアすることはできるだろう。

さらに悩む点があるとすれば、時間不足ということかもしれない。
40分で50問を解くわけだから、1問あたり48秒、見直しなどを考えると40秒以内で解かなければいけないということになる。

算数と違って、理科は後半の大問に進むにつれて難しくなっていくということはない。
下手な鉄砲とは言わないが、最後の設問まで読める程度には時間を作っておきたい。

そのためには、自覚的に解く早さを身につけること。普段、問題にあたるときも1問解いてお茶飲んで、とかのんびりペースではなく、20~30問くらい一気呵成に解くパワーを装着しておきたい

なんといっても、テストには問題を解き切るパワーが必要だ。
確実な知識と解くスピードを身につけ、頌栄合格を自分のものにしてもらいたい。がんばれ!

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2021年度「頌栄女子学院中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

40分で大問は4つ、小問は50個前後とかなり分量が多いテストになっているので、速読即解力と同時に集中力の持続が求められる学校である。一昨年度・本年度と「考えて答えをまとめる記述の問題」が見られ、2020年度大学入試変革を意識した出題といえる。
受験者平均点が50点台と安定した難易度を持つ学校だけに高得点は必ずしも必要ではない。基本的な知識を問う問題をしっかり正解することが大切だ。その上で頻出の計算問題にも挑戦する姿勢を見せよう。

【大問1】地学(火山・岩石)

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分

問1は「火山」について、基本的知識を問う問題になっている。(2)のマグマの性質と火山の形の関係はやや地味な知識問題だが解けただろうか。
問2・3はマグマが冷えて固まった岩石についての問題で、(1)(2)は平易だが、(3)は表1・図3を参照しながら少し考える設問になっている。表1には主要造岩鉱物の名前が並ぶが、その中身を知らなくても「有色鉱物」か「無色鉱物」の分類があるのでそちらを参考にすればよい。主要造岩鉱物の名前では「セキエイ」「チョウ石」「黒ウンモ」は知っておきたい。
問4から問7まで続く「地質柱状図」を使っての問題が【大問1】のカナメであり、難しい設問も含まれている。

問4はヒントからすぐに答えは分かる。問5では、①②③の順でたい積したのであるから、そのあたりの海は泥(深い)→砂(普通)→泥(深い)と深さが変化したのでが選べる。
問6は実際に図4・図5を参照しながら解いていかなければならない。【大問1】のみならず、本年度のテストではもっとも骨の折れる問題になっている。A地点・B地点・D地点はそれぞれ標高が異なるので等高線を見ながら、たとえば火山灰の層が標高何mから何mの高さにあるかを調べていく。その数値から(1)(2)の答えが出るはずである。また(3)はその結果から記号を選択する。そしてC地点の高さ(192m)を使いながら同じように火山灰の層が深さを求めていくことになる。難しい計算はないものの、緻密な作業が必要になる。

【大問2】化学(ものの溶け方)

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

4種類の固体が水にどれだけ溶けるかを表した表1はよく見るものである。また、硝酸カリウムを除いた3種類の固体名もおなじみのものなので問題も解きやすいだろう。
問1のグラフは書き慣れていると思うが、数値をグラフ用紙に「点」で書き込んだあとなめらかな線で結ぶこと。直線で結んでいくと減点される可能性がある。
問2は20℃と40℃の間というのはすぐ見当がつくので固体Aの溶け方具合からウを選べばよい。
問3は計算を要する問題だが(1)がくせ者。20%の水溶液が100gあるのであって、固体Bとは別に水が100gあるわけではないので、水溶液100gのうち、固体Bが20g、水が80gなので、表1の数値はすぐには使えない。表の数値を5分の4倍して用いること。すると答えが割り切れなくなるが、【大問2】の問題文の最後に「計算結果は、小数第1位を四捨五入して整数値で答えなさい」とひっそり書いてある。問1にとりかかったころは読み飛ばしていた可能性があるのであわてて確認すること。
(2)は水が150gということでこれらの問題の方が解きやすい。9gを3分の2倍して用いれば答えはすぐに見つかる。
問4は計算せずとも表1の数値を見ていれば答えは自ずと分かるもの。
問5も簡単な間違いさがしだ。
問6も基本的な知識を問うもの。硝酸カリウムは消去法から選ばれる。
問7問3(1)とならんでやや難しく、計算はないものの問題の設定が細かい。20℃の時点でまだ溶けている固体Aが32gあり、濾過したあと残った固体が14gなのでこれを加えればよい。
最後に気体の溶け方の設問がある。こちらは基本的な知識を確認するものでさして手応えのある設問ではない。

【大問3】生物(被子植物の仕組み・実験)

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

被子植物についていろいろな問題が続いている。まずは、葉の図がいくつか与えられる。
問1~問4は葉のつくりに関する問題で易しいものである。問2は過不足なく選べただろうか。
問5・問6は気孔とそこから出入りする気体に関する問題でこれも基礎的なものである。
次は、植物の光合成に関する実験が行われる。よく見かける実験だが、いつものように「水が何cm減った」とか「水が何g減った」という実験結果ではなく「植物の乾燥重量(mg)」を与えられて考察するところはユニークである。ただし、乾燥重量の変化についてヒントになる一文があるのでそこをしっかり読めば後続の設問でひっかかることはないだろう。
問7がそれで、の乾燥重量は変化していないことから「茎では光合成していない」と考えてしまうと(1)からことごとくはずしてしまうことになる。茎でも消費されたデンプンと同量のデンプンを光合成から作っているので減らない=+-0になるのだ、ということなのだ。(2)(3)は試験管の組み合わせを慎重に選ぼう。(3)では考えた理由も書かされる。

【大問4】物理(ものの運動)

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

[Ⅰ]のふりこの問題は初歩的な質問ばかりである。
また、[Ⅱ]の加速していく運動についてもおそれるべき設問はなかった。計算も小学生低学年並のものですぐに解決できただろう。
ポイントは[Ⅲ]で、必ずしも正解しなければならないものというわけではなく、はたして正解者がいたのだろうか、と思ってしまうくらいの奇問・難問だ。
駅と駅の間に傾斜をつけ、下ったときのエネルギーを使って上りのエネルギーを軽減するというものだがなかなか思いつくものでもないだろう。ここは仕方ない。他の設問はすべて正解しておこう。

攻略のポイント

テスト時間は40分で100点満点。
受験者平均点が55.4点、合格者平均点が61.7点といずれの値も例年の数値と比べても大きな差はなく、合格目標としては60点を挙げたい。
大問1つ1つの構成としては、前半・中盤は基本的な知識を問う問題であり、後半に若干難度の高い設問が混じるといった感じである。中には、かなり高度な計算力を必要と設問もある。
その難易度の高い計算問題以外は逆にこなせなくては困る基本問題なので、合格点の60点とは言わず、70点以上を目指す勉強を積んで本番には臨みたい
まず基本的な知識を充実させること、その上で計算問題も演習し自信をつけてテストに向かえばきっと合格に結びつく得点が期待できるだろう。

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