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湘南白百合学園中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2023年度「湘南白百合学園中学校の国語」
攻略のための学習方法

構成

大問が5~6問、総問題数は40問程度で、前半に漢字の読み書き・文法・言語事項、後半に長文読解2問というのがほぼ定形となっている。
長文は物語・小説で1問、論説文・説明文あるいは随筆で1問出されることが多い。総計8000~10000文字程度で、文量としては増加傾向にある。

設問形式は選択式・書き抜き式と5~7問ほどの記述式問題で、そのうち2問ほどは50~120字ほどの長文記述となっている。
全体としてここ数年の構成はほぼ一定なので、過去問で慣れておきたい。

漢字・文法・言語事項

漢字は読み書きそれぞれ5問ずつの計10問。文法・言語事項は全ての範囲から幅広く出題されている。いずれも難易度としては標準レベルの問題がほとんどなので、漢字と言語事項の問題集を1冊しっかりマスターして、どこから出されても戸惑わないように準備しておく。

長文読解

素材文は中学生程度を対象としたレベルのものが使われることが多い。また、論説文・説明文のほうがやや難しい傾向があるので、普段の読書や問題演習はそのようなレベルを想定して練習するのがよいだろう。

選択式問題と書き抜き問題はほぼ標準レベルの難易度である。選択肢もさほど紛らわしいものは無いし、書き抜く範囲が指定される問題も多いので、前半の漢字・言語事項と合わせて、手堅く得点しておきたい。

記述式問題は、本校の特徴であり差がつくところであろう。文学的文章・論理的文章のどちらでも出されている。例年5~7問が出題され、字数制限のあるもの・無いもの、1~2行程度のものや50~120字ほどの長文記述も含まれている。「本文全体をふまえて」・「解答欄に合うように」など、指定される条件も多様である。
ただし、「自分で考えて」・「自分の言葉で」といった条件の指定はない。過去の問題でも、本文から適した部分を見つけて答えにできる場合が多くなっている。設問と問題構成をまず確認し、ポイントになりそうなところをチェックしながら読み進める方法が有効である。

また、100字を越えるような記述では、いきなり書き始めると途中で行き詰まる場合もあるので、書くべきポイント1つにつき20~30字でまとめ、設問で訊かれたのと同じ順番でつなげていくと仕上げやすいだろう。

まとめ

記述対策が必須の試験である。
文字数・条件・心情や要旨といった内容……など、多彩な記述問題が出題されるので、さまざまな記述問題演習で多くのパターンに触れておく。特に、100字超の長めの記述は慣れが必要である。

満点の解答にならなくても部分点は稼げるように、臆することなく字数を埋められるように過去問や類似問題で経験を積んでおいていただきたい。

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2023年度「湘南白百合学園中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

2023年度の素材文は約10000字、総解答数は33問、選択・書き抜きと25~70字で3問の記述式問題が出されている。前半の漢字とことばの知識、読解問題の選択・書き抜き問題は早めに一通り終わらせて、記述問題を考える時間を多めに確保したい。

【大問一】 漢字の読み書き・文脈

  • 難度:標準
  • 時間配分:13分
  • ★必答問題

問一 ① 練(り)   祝福   温暖   鉄橋   郵便
   ⑥ す(る)   じきでん   ぞうきばやし  ⑨ たも(つ)   お(る)

問二 (1) 多様化  (2) イ  (3) ベトナム  
   (4) 中国語は2回数えられているので、言語数としては9である。

問三 (1) イ  (2) ウ

【大問二】小説の読解

  • 難度:標準
  • 時間配分:18分
  • ★必答問題

主人公の日記を通して、学校生活や部活動、友人とのつきあいや気持ちの動きが描かれる。

問一 「簡単に・たいして考えもせずに」という意味を例えている。

問二 「部長として、リーダーシップ抜群の山田を選ぶのは当然」と考えた結果である。頭がいい・人をまとめていく力がある・優秀とも評価しているので、これらの理由をまとめればよい。

問三 投票結果では同点だったのに選ばれなかったことで、自分が劣っているということを部の全員の前で宣言されたという気持ちになったのだろう。

問四 その反応から、田山は「感情」的な人間であることがわかる。対して山田は「説明すれば納得する」ような「理性」的な人間であることが示されている。田山が感情的なのは自分とは関係が無い問題だと、主人公は「理性」的に思うわけである。

問五 ① 一期一会  ② 優柔不断

問六 読み間違いを指摘してくれなかったために後で恥をかいたと主人公を恨んでいたAだったが、自分に宛てたと思われる主人公作の詩を読み認めることで、主人公を許すという気持ちを示している。

【大問三】論説文の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:14分

人類の発展において、文化の蓄積とそれを可能にした好奇心の働き方について説明している。

問一 第一段落で「順応性が高い」ことが紹介されているので、その後の  a  に入れれば流れがつながる

問二 「仲間から学ぶこと」が水平的学習であるから、選択肢アが合う。

問三 「知識は知識の上に、アイディアはアイディアの上に積み重ねられてゆく」ので、すでに「先人たちが積み重ねてきた知識」である「文化」を利用して、複雑な機械も作れるのである。

問四 「何も知らないこと」と「すでに知り尽くしているという自負がある事柄」とを比べると、「これら二つの領域」に対する人の好奇心には差が出るということが、この段落で述べられていることである。

問五 「全く知らない・知り過ぎている」事柄に人は興味を示さない。「少し知っている・適度に知らない」という状態で、人は最も好奇心を刺激される性質があると説明されている→(イ)のグラフが合う。

問六 「好奇心の強さは、欠けている情報が何らかの洞察を与えてくれる可能性」に影響される、とある。この実験の場合、四角形を開くことが「重要な問題を解き明かす鍵」になっているので、全体像を知りたくてついクリックしてしまうのである。

問七 エ.   A  は「文化と好奇心の関係」が話題となっており、  B  は「好奇心」に焦点を当てたピンポイントの解説になっている。

攻略のポイント

合格者平均点が高く、70点ほどにもなる。漢字・語句がすべて正解・記述部分の得点が5割・各大設問の選択式問題の誤答が二つ以内程度、これくらいの得点でおよそ合格者平均点に達すると思われるので、この程度の正答率を目指したい。
素材文を読む時間は12分~13分程度に納め、残りの時間を解く時間にあてたい。
記述問題は規定の字数=9割を目標に埋めて、完璧でなくてもよいので部分点をねらう。
誤字脱字は減点される。文字は、急ぎながらも正確にていねいに書く。

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