湘南白百合学園中学校 入試対策
2019年度「湘南白百合学園中学校の理科」
攻略のための学習方法
湘南白百合学園の満点は100点、合格者平均点は例年6割程度である。満点が国語や算数と同様に100点なので、理科の学習に対してもしっかり取り組んで得点源にしたい。
標準的な問題が多く、問題の形式としては、長めの問題文・図・実験データ等を読み取った上で各設問に答える問題が中心である。やや細かい知識を必要とする問題、計算問題、簡単な記述問題も見られる。試験時間の40分に対して問題量がやや多い。慌てる必要はないが、できる問題から解答欄を埋めていくといった姿勢で臨んで欲しい。各分野の学習法は次の通り。
<分野毎の学習法>
生物分野
本年度は植物・動物・食物連鎖などからの出題であった。基本的な知識問題に加え、やや細かい知識問題も見られた。近年では、動物の分類、光合成、プランクトンなどからの出題が見られた。この分野の学習法としては、人のからだの働き、植物の分類・つくり・はたらき、昆虫や動物に関する基本知識を確実に覚えることが第一である。
今年度は動物の絵を選ぶ出題が見られた。学習をする際は、資料集や図鑑の写真・絵を見ながら、姿・色などを確認して欲しい。
地学分野
本年度は天体の動き・月の満ち欠けを中心とした天体に関する出題であった。ここ何年かでは、天体と地層についての出題が多くなっている。この分野の学習としては、まずは地層・岩石・地震と火山・気象そして天体に関する基本知識を確実に固めることが第一である。天体の学習においては、地球の自転・公転、月の公転などとそれによって起こる現象とを結び付け、理屈を理解した上で確実に定着させておきたい。地層に関しては、ボーリング調査に関する問題演習に力を入れて欲しい。
物理分野
本年は光と音の性質に関する出題で、計算問題も見られた。ここ数年では、ばねの伸び、滑車など力のつり合いに関する出題が多く見られる。この分野の学習法として、まずは最も出題される可能性の高い力のつり合いに関してしっかり演習を行って欲しい。ばね、てこ、滑車、輪軸、浮力、振り子などについて、塾のテキストや問題集を使って計算問題の練習に時間をかけて欲しい。音や電気、光などについても基本を身につけた上で、演習を積み重ねて欲しい。
化学分野
今年度は溶解度・濃さ・中和などかなりバラエティーに富んだ内容であった。また、食材・調味料をテーマにしたユニークな出題も見られた。ここ何年かでは、気体や水溶液の性質、金属と水溶液の反応などが出題されている。この分野の学習法としては、まず、水溶液の性質、気体の性質・ろうそくの燃焼などの基本知識をしっかりと固めて頂きたい。さらに、溶解度、中和、金属と水溶液の反応、燃焼などに関しては、計算問題の練習をしっかり行って欲しい。
今年度は調味料や食材をテーマにした出題が見られた。日常の出来事や身の回りの自然現象などを学習した知識と結び付けて考えるといった習慣も大切である。
模試や過去問はまだ仕上がっていない単元や苦手な単元をあぶりだす絶好のチャンスである。単に得点だけを気にするのではなく、失点の多かった単元については、塾のテキストに戻るなどして、もう一度基本の確認を行うことが必要であろう。なお、苦手分野の分析やその対策については、プロの家庭教師へ是非相談して頂きたい。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
2019年度「湘南白百合学園中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数は4題、小問数は30題程度で100点満点。試験時間は40分で例年通りであった。適語を答える問題、記号選択問題、計算問題が中心で、簡単な記述問題や図を描く問題も見られた。長めのリード文やデータ・図を読み取った上で設問に答える形式が中心になっている。試験時間が40分あるが、設問数がやや多い。むやみに慌てる必要はないが、できる問題から解答欄を埋めていくように心がけて欲しい。
【大問1】生物 植物・動物
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
(1) 花のつくりに関する基本的な設問。
(2) ①鳥類の特徴に関する設問。恒温動物、肺呼吸を行い、心臓は二心房二心室。
②記述問題。鳥類は乾燥から守るために固い殻のある卵を産む。
(3) マングースとアライグマの絵を選ぶ問題。
(4)(5)マングースやアライグマは「外来生物」と呼ばれ、元来その地域にいた生物生態系影響を与える可能性がある。
(6) ヤマネとシマリスはほ乳類ではあるが、冬の間はエサとなる生物がいないため、冬眠を行う。
(7) 会話文から、旅行の場所は沖縄県と考えられる。 気温のグラフから沖縄県のものを特定できる。
(8) ①食べる・食べられるの食物連鎖で考えると、下位の生物ほど個体数が多い。
②~④落葉樹は水分の蒸発を防ぐために冬に葉を落とす。
(9) インフルエンザの病原体はウイルス。予防のために使わるのはワクチン。
植物・動物・食物連鎖等の生物総合問題。知識問題が中心だが、やや細かい知識も求められている。
ここで得点できなかった時は、植物のつくり、動物の分類、食物連鎖などの基本知識の整理をしっかり行って欲しい。
【大問2】化学 溶解度・中和
- 難度:標準
- 時間配分:10分
(1) スチールウール(鉄)と塩酸が反応すると水素が発生する。酸化鉄と塩酸は反応しない。
(2) 問題文より、ハンバーグを焼く時、ある温度を超えると内部で化学変化が起こると考えられる。
(3) 「す」の方が「しお」よりも食材にしみこみやすい。また、「す」は暖めると風味が失われる。
(4) 「しお」が食材にしみこむといいう言葉から、「つけもの」が考えられる。
(5) 「さとう」には炭素が含まれているために、加熱を続けると黒くこげる。
(6) 溶解度と濃さに関する問いで計算問題を含む。水の量が半分になると、溶ける量も半分になる。
(7) やや難。めんに含まれるアルカリ性の成分で緑色に変化し、ソースに含まれるトマトや果物の酸性の成分により赤色に変化する。
(8) アルカリ性の水酸化カルシウムと酸性の胃酸で中和反応が起こる。
(9) 中和反応に関する表の読み取り問題。
(10) 水酸化カルシウム水溶液が2倍の量になるので、2倍の濃さの塩酸が必要になる。
前半は調味料や食材をテーマにしたユニークな内容。全体としては、溶解度・濃さ・中和反応などバラエティに富んだ出題になっている。
【大問3】地学 天体の動き・月の満ち欠け
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
(1) 惑星と衛星および月の公転周期・満ち欠けの周期に関する知識問題。
(2) 簡単な記述問題。1光年とは光の速さで1年間に進む距離。
(3) 地球は北極側から見て反時計まわりに太陽のまわりを公転する。
(4) 地球の自転の向きと周期を考えると、地球各地点の時刻がわかる。
(5) 月の満ち欠けに関する問い。太陽の光が当たっている部分が光って見える。
(6) 月が真南に見えるのは、その地点の正面に月がある時刻になる。
(7) 中学入試頻出の記述問題。月は自転と公転の向きと周期が同じなために、地球からいつも同じ面が見える。
(8) これも頻出の記述問題。月が地球のまわりを1周公転する間に、地球も太陽の周りを約30度動くために、月の公転周期と満ち欠けの周期は異なる。
(9) 南半球から見る天体の動きに関する問い。
(10) 北緯・南緯いずれも66.6度から90度の地域で白夜が起こる。
天体の動きや月の満ち欠けに関する知識問題。やや細かい知識も含まれるが、いずれも中学入試でよく問われる内容で。ここで得点できなかった場合は、知識の整理をもう一度しっかり行って欲しい。その際、何故そのように動いて見えるのか?といった理屈の理解が大切である。
【大問4】物理 音と光
- 難度:標準
- 時間配分:10分
(1) 光も音も波長があり、反射する。
(2) 音の速さに関する計算問題。記述も含まれる。空気中を伝わる光の速さは音の速さの約88万倍になる。
(3) 光の性質に関する問い。実験に関する長めの説明を読みながら解き進めていく内容。「反射」「全反射」「屈折」など光に関する基本知識が必要になる。
光と音の性質に関する出題。計算や記述も含まれるが難問ではない。音の計算問題は日頃の練習が必要である。
攻略のポイント
やや細かい知識や思考力を必要とする問題も含まれている。また、記述問題や計算問題も含まれているが、全体としては標準レベルの問題が多い。問題形式としては、長めのリード文や実験・観察の結果に基づいて解き進めていく問題が中心となっている。本校の攻略のポイントとしては、まずは苦手分野を作ることなく、基本レベルの知識を身につけることがあげられる。その上で、長めの問題文や実験・観察の結果を見ながら解くタイプの問題演演習も必要があろう。また、計算問題も出題されるので、各分野の計算問題の練習も行って欲しい。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
湘南白百合学園中学校の科目別
入試対策一覧
中学受験のために
家庭でできること
インタビュー=学力が伸びる子と伸び悩む子の特徴とは
リーダーズブレインの合格実績豊富な現役家庭教師が、プロならではの視点でポイントをお話ししています。どのようなタイプの子供が伸びるのか、家庭でのサポートで親が気を付けるべき事は何か。勉強のサポートの仕方から親子の関係性など…ぜひ参考にしてください。