湘南白百合学園中学校 入試対策
2017年度「湘南白百合学園中学校の社会」
攻略のための学習方法
[出題分析]
大問数6~8で総解答数は50~60と、多めの問題量の試験となっている。
試験時間は40分だが、記述問題以外はさほど時間を取られる問題ではないので、時間が全然足りないというほどではないだろう。
歴史・地理分野に比重が置かれ、政治分野からの出題はやや少ない。
用語記入・記号選択がバランス良く出され、これまでは3~6問程度の短文記述が含まれていたが、近年変化が見られる。
年度によって各項目・形式に多少の変動があり、記号選択を多めにしたり地理分野が多めだったりと、変化をつけているようである。極端な難問は出されていないので基本事項のマスターが当面の目標となる。
その上で、地図・統計・資料が多用される傾向を鑑みて、副教材でしっかり補強することが重要となってくる。
理・社の配点が国・算と同じ100点満点であるのも女子校としては珍しく、理・社を重視する方針なので社会の学習にも油断無く取り組みたい。
[地理分野]
地形・気候、各地の産業などが地図や統計を多く用いて出題されている。
産業についての問題が例年出されていて、地形図の読み取りも毎年のように出されているのでよく練習しておくこと。
ある地域を中心として詳しく問う問題も見られる。統計資料も多く使われているので、資料集を活用すると良い。
また、日本だけでなく、世界地図や地理・貿易もよく出されているので、主な国については一通り頭に入れておこう。
基本事項中心の出題で難易度は高くないが、全般から広く出題されており、伝統工芸などポイントを絞って詳しく訊く問題もあるので、抜けが無いよう丁寧な学習が必要である。
白地図や資料集も使ってしっかり知識を定着させておいて欲しい。
[歴史分野]
各時代から幅広く出題されている。
人物・出来事・社会制度などについて一つずつ、一問一答のような形式で出されることが多い。
外交についての質問も多く見られ、欧州・アジア地域などの地図を用いた問題も出題されている。
時代順を問う設問もあり、歴史に関しての広く正確な知識が求められる。
図版などの史料もよく使われるので、資料集なども隅々まで目を通して見慣れておきたい。
問われているのは基本的事項が多いが、広範囲から少し細かい知識も出されるので、各時代に偏りの無いよう、まんべんなく学習しておくこと。
[政治分野・時事問題]
日本国憲法や三権のしくみなどについて出題されている。
地理・歴史分野と比べて分量は少なめであるが、大問一つを使って出されている年度もあるので油断はできない。
また、前年に起こった出来事についても大問で出されたり地理・歴史分野に混ざって出題されたりしているので、特に近い年度で起こった出来事・時事問題は押さえておくこと。
資源とエネルギー問題など、世界各地に関係する問題も扱われているので、世界情勢の大きなニュースにも意識を向けておきたい。
[地図・資料、記述対策]
全体を通して、極端な難問や細かすぎる知識は問われていないが、テキスト・地図・資料集の全般から広く出題があり、問題量も多いので、基本的事項をしっかりマスターし使いこなす力量が求められる。
テキストレベルにおける確かな実力が必要な試験と言えよう。
記述問題についても、これまでは用語や出来事について1~2行で説明するものが多かったが、近年は高齢者の交通事故死を減らす方策について50字程度で考えさせる(平成24年度)など、やや難しくなる傾向が見られるので、新聞・ニュース等で知識を増やし、自分なりの意見をまとめておくなどの練習もしておいたほうがよいだろう。
抜けや偏りがないよう、まんべんなく丁寧に学習しておいて欲しい。
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2017年度「湘南白百合学園中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問7つに総解答数60問と、例年通りの分量である。地理分野27問・歴史分野28問・現代社会分野5問と、地理・歴史に重点が置かれている点も変化は無い。
60~70字の長文記述が1問あり、問題数が多めであるので、記号選択・適語記入の問題は考え込まずにテンポよく解き進めたい。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:12分
- ★必答問題
いくつかの県について関係する事柄を答えていく問題。
あ~かの県は順に、愛媛・鳥取・宮城・鹿児島・岩手・愛知。
1 (ア)今治・(イ)境港・(ウ)松島・(エ)種子・(オ)中尊・(カ)豊田。
2 石油危機や各国の排他的経済水域の影響で、遠洋漁業はかつてより衰退した。
3 日本付近の4つの海流とその性質はまとめて覚えてしまおう。
5 東シナ海の大陸棚は良い漁場となっている。
6 各県が品種改良に力を入れ、独自の銘柄米を開発している。
7・8 阿蘇山(熊本県)のカルデラや田沢湖(秋田県)・十和田湖(青森県・秋田県)などのカルデラ湖は有名である。
9 西陣織は京都の伝統工芸品。
11 貿易の不均衡にアメリカや欧米諸国が反発し、輸入制限をしたり商品を破壊するなどの抗議行動が起こったりした。
12 Eは工業生産額や人口の多さから愛知県とわかる。Cは面積と人口が2番目に多いことから宮城県、Dは果実産出額の大きさから愛媛県と考えられる。
【大問2】地理分野
- 難度:やや難
- 時間配分:5分
- ★必答問題
1 人口は中国・インドがともに13億人を超えて圧倒的に多い。アメリカの3.2億人がそれに続く。
3 資料A・Bから、今後は開発途上国でさらに食料の需要が増えること、社会情勢により食料の生産が不安定になる場合があることがわかる。資料Cにみられるような食料を輸入に頼っている国は、何かあった時には困る事になると予想されるのである。
【大問3】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:3分
地形図の読み取りはよく出題されている。
2 イ.5万分の1の地図の方が細かくて見づらい=広い範囲を表示している。
ウ. 正解は2cmである。計算を間違わないように。
エ. 国土交通省・国土地理院である。
【大問4】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:3分
- ★必答問題
墓を題材にした古代についての問題。
3 その形状からかめ棺と呼ばれる。
4 大仙(大山)古墳。仁徳天皇の墓と伝えられてきたので仁徳天皇陵とも呼ばれる。
5 群馬県・岩宿遺跡は日本に旧石器時代があったことを示す大発見だった。黒曜石の打製石器などが見つかった。
【大問5】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:10分
- ★必答問題
2・4 寝殿造り・書院造など、各時代に特有の建築様式がある。
7 平清盛は武士として初めて太政大臣になった。遣唐使には行っていないし宋にも行っていない。
9 い・えは江戸時代なので除外。以下、まず天皇中心の政治に戻るという宣言(王政復古の大号令)→五箇条の御誓文→国会開設の要望が高まり→第一回帝国議会となる。関税自主権の回復は日露戦争後である。
10 平城京・平安京などの当時の都は、皇居を北の中心に置いた南北に細長い街になっていて、街は皇居の南側に広がる形になっていた。
14 ウの朝鮮出兵はその先の中国(明)の征服を考えてのことであったので、アはおかしい。
【大問6】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:4分
オリンピックを題材にして、戦争の歴史などが訊かれている。
日清戦争(1894年)・日露戦争(1904年)・第一次世界大戦(1914年)・第二次世界大戦(1941年)と勃発した年も覚えやすい。東海道新幹線は東京オリンピック直前に開業した。
【大問7】現代社会分野
- 難度:やや難
- 時間配分:3分
3 憲法は前文と103条から成る。
4 かつては国民総生産(GNP)が指標として使われていたが、現在は国内総生産(GDP)が使われている。
5 イギリス以外の国は、国民が選挙で行政長を選ぶ大統領制をとっている。
攻略ポイント
難問・奇問は無く、基本的事項がしっかり定着していれば得点できる問題と言える。
本校の偏差値からするとこの試験問題は易しいという印象だが、テキストのレベルでの高い実力が必要だということであろう。
記述問題は、近年は難化の傾向にあるので60~80字ほどで記述の演習をこなしておくこと。
今年度も大問ごとにあるテーマに沿って少し詳しく尋ねる問題が多かった。難易度としては例年の傾向と変わらないので、過去問で頻出の問題はよく練習して特に習熟しておいていただきたい。
また、前年の出来事に関する問題もよく見られるので、重大ニュース集などでチェックしておくと良い。
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