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湘南白百合学園中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2022年度「湘南白百合学園中学校の社会」
攻略のための学習方法

[出題分析]

大問数6~8で総解答数は50~60と、多めの問題量の試験となっている。
試験時間は40分だが、記述問題以外はさほど時間を取られる問題ではないので、時間が全然足りないというほどではないだろう。
歴史・地理分野に比重が置かれ、政治分野からの出題はやや少ない。
用語記入・記号選択がバランス良く出され、これまでは3~6問程度の短文記述が含まれていたが、近年変化が見られる。
年度によって各項目・形式に多少の変動があり、記号選択を多めにしたり地理分野が多めだったりと、変化をつけているようである。極端な難問は出されていないので基本事項のマスターが当面の目標となる。
その上で、地図・統計・資料が多用される傾向を鑑みて、副教材でしっかり補強することが重要となってくる。
理・社の配点が国・算と同じ100点満点であるのも女子校としては珍しく、理・社を重視する方針なので社会の学習にも油断無く取り組みたい。

[地理分野]

地形・気候、各地の産業などが地図や統計を多く用いて出題されている。
産業についての問題が例年出されていて、地形図の読み取りも毎年のように出されているのでよく練習しておくこと
ある地域を中心として詳しく問う問題も見られる。統計資料も多く使われているので、資料集を活用すると良い
また、日本だけでなく、世界地図や地理・貿易もよく出されているので、主な国については一通り頭に入れておこう
基本事項中心の出題で難易度は高くないが、全般から広く出題されており、伝統工芸などポイントを絞って詳しく訊く問題もあるので、抜けが無いよう丁寧な学習が必要である。
白地図や資料集も使ってしっかり知識を定着させておいて欲しい

[歴史分野]

各時代から幅広く出題されている。
人物・出来事・社会制度などについて一つずつ、一問一答のような形式で出されることが多い。
外交についての質問も多く見られ、欧州・アジア地域などの地図を用いた問題も出題されている。
時代順を問う設問もあり、歴史に関しての広く正確な知識が求められる
図版などの史料もよく使われるので、資料集なども隅々まで目を通して見慣れておきたい
問われているのは基本的事項が多いが、広範囲から少し細かい知識も出されるので、各時代に偏りの無いよう、まんべんなく学習しておくこと

[政治分野・時事問題]

日本国憲法や三権のしくみなどについて出題されている。
地理・歴史分野と比べて分量は少なめであるが、大問一つを使って出されている年度もあるので油断はできない。
また、前年に起こった出来事についても大問で出されたり地理・歴史分野に混ざって出題されたりしているので、特に近い年度で起こった出来事・時事問題は押さえておくこと
資源とエネルギー問題など、世界各地に関係する問題も扱われているので、世界情勢の大きなニュースにも意識を向けておきたい

[地図・資料、記述対策]

全体を通して、極端な難問や細かすぎる知識は問われていないが、テキスト・地図・資料集の全般から広く出題があり、問題量も多いので、基本的事項をしっかりマスターし使いこなす力量が求められる
テキストレベルにおける確かな実力が必要な試験と言えよう。
記述問題についても、以前は用語や出来事について1~2行で説明するものが多かったが、近年は外国人にもわかりやすい地図記号を考案し、その由来も答える(2021年度)など、やや難しくなる傾向が見られるので、新聞・ニュース等で知識を増やし、自分なりの意見をまとめておくなどの練習もしておいたほうがよいだろう
抜けや偏りがないよう、まんべんなく丁寧に学習しておいて欲しい

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2022年度「湘南白百合学園中学校の社会」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問5つに総解答数57問と、例年通りの分量である。地理分野21問・歴史分野24問・現代社会分野12問と、地理・歴史に重点が置かれている点も変化は無い。
記述問題が2問あり問題数が多めであるので、記号選択・適語記入の問題は考え込まずにテンポよく解き進めたい。

【大問1】地理分野

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

海が見える駅を題材に、各地の気候や特徴などについて答える問題。

 岡山県は瀬戸内気候に属し、一年を通じて温暖で少雨のけいこがあるので、高知県は太平洋側の気候で夏に雨が多いという特徴からと見分けられる。
 北海道は新潟県と1・2を争う米の生産量だが耕作地の割合で考えれば低くなるので、牧草・小麦の割合が高いことと合わせて、が北海道と考えて矛盾しない。
 北海道の北にはオホーツク海が広がっている。
 イ. 風通しや日当たりを良くするためや、養分を分散させないために間伐が必要な場合がある。
 長野県から新潟県へと流れる信濃川。
 岡山県の旧国名から備前焼と呼ばれる。
 太平洋を北上してくる暖流である、黒潮(日本海流)。
 高知県の旧国名である「土佐」がついた駅名が多い。
 (1) ウ. 工場の記号に黒点が入った灯台の地図記号が2つ見られるので、正しい。
      (2) ラムサール条約は湿地の保護を目的としたもので、カワウソの餌が取れなくなるようなことはない。
      (3) 左側に海が見えるので、の方向から見ている。
      (4) 湾の周囲が囲まれて、外海の波などの影響が少ないことが考えられる。
10 温暖な気候とビニルハウスでの栽培などで、他の地域が寒い季節でも収穫できるため、のように出荷機関が長くなっている。
11 の施設にはなだらかなスロープが設けられており、高齢で足腰が弱っている人や車椅子を利用している人なども非難しやすい。

【大問2】地理分野

  • 難度:やや難
  • 時間配分:5分

食料自給率を題材に、主に日本の農業について訊かれている。

 (1) 消費した分の何%が国内生産かを示す値であるから、bが正しい。
  (2) 魚かい類と肉類の自給率は似ているが、1960年に100%を超えていたが魚かい類と考えられる。大豆の近年の自給率は5~6%なのでのグラフである。
 小麦の輸入先第1位はアメリカである。
 生産「額」でみれば、畜産が1位で、野菜・果物と続く。
 米の生産量の上位は新潟県・北海道・秋田県なのでは誤り。また、左隣の山形県との県境のほうが長いのでも誤りである。

【大問3】歴史分野

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

世界文化遺産を話題に、人物や出来事について訊かれている。

 (1) 大山(大仙)  (2) 石見銀山  (3) 聖徳太子  (4) 承久の乱
 世界遺産の認定は国連教育科学文化機関(UNESCO)が行っている。
 (飛鳥時代)→(平安時代)→(鎌倉時代)→(江戸時代)。
 (1) は石舞台古墳、は正倉院、は吉野ケ里遺跡の写真である。
  (2) は古墳時代、は弥生時代の出土品である。
 2つの遺跡から「ワカタケル大王(雄略天皇)」の名を刻んだ鉄剣が見つかったことからヤマト政権の支配がこの地域まで及んでいたことがわかる。
 ウ. ポルトガル人やスペイン人との貿易を南蛮貿易と言った。
  エ. 南蛮船は博多や堺などにも訪れていた。
 各地の特産品を納める税は「調」である。
 承久の乱は1221年。それより後に起こったのは、元寇(1274年・1281年)→日明貿易(1401年~)→日清戦争(1894年)である。

【大問4】歴史分野

  • 難度:やや難
  • 時間配分:8分

日本に訪れる外国人という話題で、幕末から日中戦争ころまでの歴史について訊かれている。

 (1) 浦賀  (2) 日米修好通商条約  (3) 渋沢栄一  (4) 日中
 ウ. 領事裁判権(治外法権)が認められていたので、正しい。
 ア. 説明は「藩校」についてである。
  イ. 狂言ではなく、歌舞伎・人形浄瑠璃が正解。
  ウ. 国学ではなく、「蘭学」である。
 1865年の出版であるから、その後の出来事である(1873年)や(1868~69年)についての記述があるはずがない。は内容に誤りがある。
 エ. 日清戦争の講和条約である下関条約の内容である。
 Ⅱ. 第一次世界大戦のあと、5年後には4倍ちかくまで生産総額が増えているので、×。
 (1) 部落出身者への差別の解消を目指す全国水平社が結成された。
  (2) すべての核兵器の製造・保有を禁止する核兵器禁止条約。
  (3) (1918年)→(1925年)→(1933年)→(1940年)の順。

【大問5】政治経済分野

  • 難度:標準
  • 時間配分:9分
  • ★必答問題

夫婦別姓の問題を取り上げ、政治のしくみなどについて訊かれている。

 (あ)  被告  (い) 検察官  (う) 裁判員
 (1)  国会は国の唯一の立法機関である。
  (2)  ア・イ・エは正しい。内閣総理大臣は衆・参どちらの議員から選ばれてもよい。
 ウ. 地方自治体が制定できるのは条例で、法律は国会でしか作れない。 
  エ. 子育て支援事業は国と自治体が協力して取り組んでいる。
 (1) ア. 国事行為を行うのは天皇である。
     ウ. 内閣が指名し、天皇が任命する。
  (2) 国の歳出で最も多いのは社会保障関係費で、2番に多いのは国債費である。
 (1) 基本的人権
  (2) あと一つは「納税」の義務である。
 選挙で投票する権利である選挙権が18歳以上に引き下げられた。

攻略のポイント

難問・奇問は無く、基本的事項がしっかり定着していれば得点できる問題と言える。
本校の偏差値からするとこの試験問題は易しいという印象だが、テキストのレベルでの高い実力が必要だということであろう。
記述問題は、近年は難化の傾向にあるので60~80字ほどで記述の演習をこなしておくこと
今年度も大問ごとにあるテーマに沿って少し詳しく尋ねる問題が多かった。難易度としては例年の傾向と変わらないので、過去問で頻出の問題はよく練習して特に習熟しておいていただきたい
また、前年の出来事に関する問題もよく見られるので、重大ニュース集などでチェックしておくと良い

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