湘南白百合学園中学校 入試対策
2023年度「湘南白百合学園中学校の社会」
攻略のための学習方法
[出題分析]
大問数6~8で総解答数は50~60と、多めの問題量の試験となっている。
試験時間は40分だが、記述問題以外はさほど時間を取られる問題ではないので、時間が全然足りないというほどではないだろう。
歴史・地理分野に比重が置かれ、政治分野からの出題はやや少ない。
用語記入・記号選択がバランス良く出され、これまでは3~6問程度の短文記述が含まれていたが、近年変化が見られる。
年度によって各項目・形式に多少の変動があり、記号選択を多めにしたり地理分野が多めだったりと、変化をつけているようである。極端な難問は出されていないので基本事項のマスターが当面の目標となる。
その上で、地図・統計・資料が多用される傾向を鑑みて、副教材でしっかり補強することが重要となってくる。
理・社の配点が国・算と同じ100点満点であるのも女子校としては珍しく、理・社を重視する方針なので社会の学習にも油断無く取り組みたい。
[地理分野]
地形・気候、各地の産業などが地図や統計を多く用いて出題されている。
産業についての問題が例年出されていて、地形図の読み取りも毎年のように出されているのでよく練習しておくこと。
ある地域を中心として詳しく問う問題も見られる。統計資料も多く使われているので、資料集を活用すると良い。
また、日本だけでなく、世界地図や地理・貿易もよく出されているので、主な国については一通り頭に入れておこう。
基本事項中心の出題で難易度は高くないが、全般から広く出題されており、伝統工芸などポイントを絞って詳しく訊く問題もあるので、抜けが無いよう丁寧な学習が必要である。
白地図や資料集も使ってしっかり知識を定着させておいて欲しい。
[歴史分野]
各時代から幅広く出題されている。
人物・出来事・社会制度などについて一つずつ、一問一答のような形式で出されることが多い。
外交についての質問も多く見られ、欧州・アジア地域などの地図を用いた問題も出題されている。
時代順を問う設問もあり、歴史に関しての広く正確な知識が求められる。
図版などの史料もよく使われるので、資料集なども隅々まで目を通して見慣れておきたい。
問われているのは基本的事項が多いが、広範囲から少し細かい知識も出されるので、各時代に偏りの無いよう、まんべんなく学習しておくこと。
[政治分野・時事問題]
日本国憲法や三権のしくみなどについて出題されている。
地理・歴史分野と比べて分量は少なめであるが、大問一つを使って出されている年度もあるので油断はできない。
また、前年に起こった出来事についても大問で出されたり地理・歴史分野に混ざって出題されたりしているので、特に近い年度で起こった出来事・時事問題は押さえておくこと。
資源とエネルギー問題など、世界各地に関係する問題も扱われているので、世界情勢の大きなニュースにも意識を向けておきたい。
[地図・資料、記述対策]
全体を通して、極端な難問や細かすぎる知識は問われていないが、テキスト・地図・資料集の全般から広く出題があり、問題量も多いので、基本的事項をしっかりマスターし使いこなす力量が求められる。
テキストレベルにおける確かな実力が必要な試験と言えよう。
記述問題についても、以前は用語や出来事について1~2行で説明するものが多かったが、近年は外国人にもわかりやすい地図記号を考案し、その由来も答える(2021年度)など、やや難しくなる傾向が見られるので、新聞・ニュース等で知識を増やし、自分なりの意見をまとめておくなどの練習もしておいたほうがよいだろう。
抜けや偏りがないよう、まんべんなく丁寧に学習しておいて欲しい。
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2023年度「湘南白百合学園中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問3つに総解答数49問と、例年通りの分量である。地理分野19問・歴史分野16問・政治経済分野14問と、ほぼ均等の出題数であった。
記述問題が1問あり問題数が多めであるので、記号選択・適語記入の問題は考え込まずにテンポよく解き進めたい。
【大問1】地理分野
- 難度:やや難
- 時間配分:14分
- ★必答問題
愛知県の用水を話題に、各地の気候や産業などについて訊かれている。
1. ① 二毛作 ② 水害(洪水) ③ 持続可能
2. (1) アは気温の高さから沖縄県、ウは降水量の少なさから香川県、エは冬に降水(雪)量が多いので石川県、残るイが愛知県・名古屋市のグラフとなる。
(2) 愛知県には世界有数の自動車会社であるトヨタ自動車があることからも機械工業(第二次産業)が盛んであると考えられるのでエが選べる。アは北海道、イは東京都、ウは青森県である。
3. キャベツは冬の野菜で、冬に露地栽培をしている愛知県が多い③が冬のグラフである。群馬県では夏の冷涼な気候を利用して高原野菜として夏~秋に多く出荷するので①が夏秋のグラフ、残る②が春のグラフとなる。
4. (1) 土砂が三角形に堆積するので、三角州と呼ばれる。
(2) 縮尺25000分の1の地図なので、実際の長さは2㎝×25000=50000㎝=500m=0.5㎞。
5. 一般的に4~6月の初夏のころに田植えが行われる。
6. ②の沈殿池で不純物を薬品で固めて分離する。
7. ウ ―― 部品を作る関連工場に被害があれば、組み立て工場での生産はできなくなる。
8. (1) 1960年代に多かった鉄鋼(②)やせんい品(③)は外国の安価な製品に押されて輸出が減り、代わって価格と性能のバランスが良い自動車(①)が輸出を大きく伸ばした。
(2) ウ. 割合は減ったが総額はそれ以上に増えているので、額では増加している。
9. 報道で最も大切なのは「正確に(正しく)」伝えることである。
10. イ ―― 天然林が約6割を占めている。
11. 2020~22年の分担金割合はアメリカ・中国・日本・ドイツ・イギリスという順で多くなっている。以下、フランス・イタリアと続く。
【大問2】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:16分
- ★必答問題
歴史かるたを題材に、各時代の人物や出来事について答える問題。
1. 足利義満は勘合という割符を用いた日明貿易を行った。また、琉球王国は薩摩藩に征服された後も中国との関係は維持されたため両方に仕える形となった。
2. 富岡製糸場
3. ア 室町時代ではなく平安時代である。
イ 与謝野晶子ではなく、平塚らいてうである。
エ 「鎌倉へ攻め上り」はおかしい。
4. (1) イ. 佐渡島ではなく対馬である。
(2) 江戸時代の寺子屋について、図Ⅱと説明①が合う。
5. ウ 桶狭間ではなく長篠が正しい。
6. 正倉院
7. 足尾銅山鉱毒事件について説明されている。また、水俣病の原因物質は有機水銀である。
8. 日本の鉄道は新橋―横浜間で最初に開通した。
9. ウ 応仁の乱は11年も続き、戦場となった京都は甚大な被害を受けた。
10. 千歯こきやとうみなどの農機具が使われるようになったのは江戸時代なので、【カード4】と同時期である。
11. 【カード2】と【カード8】がともに明治時代のことである。
12. 選択肢カは明治時代後半の出来事で同時期のカードがない。
13. 順に【カード3】→【6】→【1】→【5】→【4】→【2】→【8】→【9】→【7】となるので、三人とも間違いである。
14. 2001年以降に起こった出来事について読み札を、その影響・結果や対となる出来事などについて取り札を考えればよい。東日本大震災などの災害やウクライナへの侵攻などの紛争、新型コロナウィルスの流行などが考えやすいであろう。
【大問3】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:10分
文化財とその保護という話題で、憲法や国際関係について訊かれている。
1. a (国務大臣) b (文部科学)
2. (1) パブリック・コメント
(2) 待機児童
3. (1) d (参議院) e (本会議)
(2) ウ. 衆議院には内閣不信任案を議決する権限がある。
4. ユネスコ(国連教育科学文化機関)
5. 三審制。通常、刑事裁判はまず地方裁判所に提訴され、控訴した場合は高等裁判所で第二審が争われる。
6. (1) 憲法第9条
(2) アが長崎市にある平和祈念像、ウが広島市にある原爆死没者慰霊碑である。
攻略のポイント
難問・奇問は無く、基本的事項がしっかり定着していれば得点できる問題と言える。
本校の偏差値からするとこの試験問題は易しいという印象だが、テキストのレベルでの高い実力が必要だということであろう。
記述問題は、近年は難化の傾向にあるので60~80字ほどで記述の演習をこなしておくこと。
今年度も大問ごとにあるテーマに沿って少し詳しく尋ねる問題が多かった。難易度としては例年の傾向と変わらないので、過去問で頻出の問題はよく練習して特に習熟しておいていただきたい。
また、前年の出来事に関する問題もよく見られるので、重大ニュース集などでチェックしておくと良い。
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