昭和学院秀英中学校 入試対策
2020年度「昭和学院秀英中学校の国語」
攻略のための学習方法
問題構成
論説文(説明的随筆文)と小説の計2題が定形となっている。文量は計6000~7000字ほど。
合わせて漢字の読み書き5~6問と接続詞・慣用句など数問の知識問題が出されている。総解答数は25~30問程度。
形式は記号選択・書き抜き・記述などがバランスよく配されている。記述は40~60字程度で4~6問ほどの出題。抜き出した文章を元に戻す問題なども見られる。全体として、言葉で書く問題が少し多めの、オーソドックスな試験である。
なお、2019年度では素材文が計8600字ほどとやや増え、記述問題も100字のものが出されている。今後の傾向を示しているかもしれないので注意しておきたい。
長文問題
論説文・小説とも3000~4000字程度の文量で配点もほぼ均等であり、扱いに差はない。
素材文も無理に難解なものではなく、小学六年生にも理解しやすい難易度やテーマの文章が多い。設問も、難しい言葉遣いやわざと迷わせるような意地悪なものはなく、相応の実力があれば正解できるよう配慮されている。難関校としては、控えめな難易度設定である。
特別な対策は必要ないので、長文読解の基本に忠実に学習を進めればよい。
論説文
段落の整理。形式段落を意味段落にまとめ、意味段落ごとに内容を見ておく。小見出しをつけると段落のつながりもわかりやすい。
要点と細部。各段落の最初と最後に特に注目して、大事な1文をマークする。例えや言い換えは細部に含まれることも多いので要点ばかりに気を取られないことも大事である。
要旨・要約。全体を見渡して要旨を把握する。普段の読書や学習でも、文章を短くまとめる練習をしておくことは、実力アップにつながり記述対策にもなるのでお薦めである。
小説
場面分け。時間・場所・登場人物の移動などで場面の変わり目をマークする。だれのどんな気持ちを描いた場面なのか。
心情把握。人物の言動や情景などから、気持ちを読み取る。人物の性格により反応も異なるので、十分考慮する。自分ならばこう考えるなどと予断を持ってはいけない。あくまで文中に書かれてあることから考える。
主題。全体を見渡し、だれのどんな状況・心情を描いた話なのかを読み取る。記述問題で聞かれることの多い内容である。
記述問題
「(具体的に)説明しなさい」という形で、字数以外の条件は示されない場合が多い。文中に適切な部分があれば使えば良いし、具体的な部分がなければ自分で説明することになる。
文中に全く手がかり無く自分で一から考えて記述するような問題にはなっていないので、あまり身構える必要はない。ただ、従来は40~60字くらいの字数が多かったが、2019年度は100字の問題も出されているので、類似の問題で感覚をつかんでおきたい。
漢字・その他
漢字は読み書きが5~6問程度出されている。標準~上級レベルの難易度である。
接続詞の問題はよく出されているので、苦手な人は克服しておくべきである。
その他の言語事項の問題はあまり出されていないが、読解との関連でことばの意味などは聞かれやすいので、読解力アップのためにも語彙を増やす努力を怠りなく。
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2020年度「昭和学院秀英中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
問題数は多くはないので、長文2題を13分前後で読み終えれば、時間は足りるだろう。ただし、選択肢問題は5択が多く、選択肢の文も長いものがあるので、理想としては分速650字を目指したい。
難解な用語が多く出てくる文章ではないので、慣れれば速く読めるだろう。
【大問一】論説文の読解
- 難度:標準
- 時間配分:24分
昆虫やコウモリを例に、生き物はそれぞれに異なった感覚で世界を認識していて、それぞれの感覚で構築された世界が共存していると説明している。
1. A 器官。機関・気管など、同音異語が多くある。
B 利己。自分の利益を重視して、他人のことは顧みないこと。
2. 木で鼻をくくる――不愛想な冷たい態度。 ア.足を棒にする ウ.馬の耳に念仏 エ.目を丸くする オ.手をこまねく
3. (2) 触らなくても匂いはわかる→「しかし」→ある場合には触って匂いを感じる
4. Y 「印象」は心で感じるものであるから合わない。音としては感知できないが、空気は振動しているので「衝撃」が合う。
5. 人間にはできない「触れて匂いや味を感じることができる」点を不思議だと言っている。
6. ハエやチョウの例は、生き物はそれぞれ異なる感覚で世界を認識しているので、見えている・聞こえている世界はそれぞれに違うということを説明している。コウモリの例も同様である。
7. エだけエコー・ロケーションを指している。他は超音波のことである。
8. まず状況を説明(エ)→「議論」の内容(ア・イ) →内容のまとめ(ウ)
10. 直前に、チョウ同士は紫外線で互いの性別を見分けているが人間には同じチョウにしか見えないという説明がある。
11. 「そのような非常にたくさんの世界」を明らかにする。生き物はそれぞれに異なった知覚で周囲の世界を認識している。同じ環境であっても、見えている景色や受け取っている情報は生物ごとに違っていて、それぞれに違う世界が構築されているのである。ひとつの環境にもそうした別の世界が共存しており、さまざまな生物が生きているのである。
【大問二】小説の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:26分
- ★必答問題
間借りしている工場の経営者である父とその娘を通して、主人公は心の「のりしろ」について考えさせられる。
2. a 難癖をつける――ささいな欠点をみつけておおげさにとがめる。
b 気負い――今度こそ・自分こそと張り切る気持ち。
c 匙加減――手加減・手ごころ。
3. (1) アの「しばらくスープを飲まなくて済む」や、オの「前の二回の失敗を気にしている」などは人物の言動からは読み取れない。ウの「責任を果たした」や、エの「言い訳として」も小説の内容と合っていない。
(2) 「笑いながら怒る」なので嫌がっているのは「ふり」であって、父親の真意をくみ取って喜んでいるようである。
4. 傍線部直前で主人公が話していることは、勝敗は実力できまり、そのことで負の感情を持つ者も出てくるが、気にせず思い通りに走ればよい、ということであろう。
5. 林さんに伝えたことを米倉さんにも伝えたところ、「削り屑の~ことがわかる」のはあたりまえだと言ったのであるから、「削り屑~わかる」を二人に話したということである。
6. まず、「粗挽きと丁寧さ」を説明する。「粗挽き=粗削り」は「全体の流れや個々の工程で多くの技術が必要になることを見越した仕込み」だと書かれている。それは次の工程を担当する人の性質や技量を考慮して、適度な余裕(のりしろ)を残して自分の分担を仕上げるということであり、繊細な仕事の加減が求められる。「粗挽き」においてそのような「丁寧な」仕事ができる人が腕利きと呼ばれるのである。
7. 「のりしろ」とは、仕事における作業や人間関係における感情の「余裕」を表していると考えられる。咲ちゃんは仲間や自分のためにそのような「余裕」が持てるような「気づかいと辛抱強さ」を持っていると主人公は考えている。
8. 問題7も参照。父親譲りの咲ちゃんの気づかいと辛抱強さがあれば、学校での問題も乗り越えられるだろうと考えている。
攻略のポイント
4問ある記述問題は配点も大きくできるだけ得点したい。他の問題を速やかに終えて記述問題に余裕を持って取り組むためにも、読解のスピードは上げておこう。設問に示された条件が、正解を探す端緒にもなるので、落ち着いて見落とし無く進められるよう、過去問で練習しておく。
全体としての難易度は難関校としては押さえられおり、試験自体もオーソドックスなものである。無理に難問集などに取り組む必要はないので、しっかり準備して臆せず臨んでいただきたい。
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