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昭和学院秀英中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2021年度「昭和学院秀英中学校の国語」
攻略のための学習方法

問題構成

論説文(説明的随筆文)と小説の計2題が定形となっている。文量は計6000~7000字ほど。
合わせて漢字の読み書き5~6問と接続詞・慣用句など数問の知識問題が出されている。総解答数は25~30問程度。
形式は記号選択・書き抜き・記述などがバランスよく配されている。記述は40~60字程度で4~6問ほどの出題。抜き出した文章を元に戻す問題なども見られる。全体として、言葉で書く問題が少し多めの、オーソドックスな試験である。
なお、2019年度では素材文が計8600字ほどとやや増え、記述問題も100字のものが出されている。今後の傾向を示しているかもしれないので注意しておきたい。

長文問題

論説文・小説とも3000~4000字程度の文量で配点もほぼ均等であり、扱いに差はない。
素材文も無理に難解なものではなく、小学六年生にも理解しやすい難易度やテーマの文章が多い。設問も、難しい言葉遣いやわざと迷わせるような意地悪なものはなく、相応の実力があれば正解できるよう配慮されている。難関校としては、控えめな難易度設定である。
特別な対策は必要ないので、長文読解の基本に忠実に学習を進めればよい。

論説文 

段落の整理。形式段落を意味段落にまとめ、意味段落ごとに内容を見ておく。小見出しをつけると段落のつながりもわかりやすい。

要点と細部。各段落の最初と最後に特に注目して、大事な1文をマークする。例えや言い換えは細部に含まれることも多いので要点ばかりに気を取られないことも大事である。

要旨・要約。全体を見渡して要旨を把握する。普段の読書や学習でも、文章を短くまとめる練習をしておくことは、実力アップにつながり記述対策にもなるのでお薦めである。

小説

場面分け。時間・場所・登場人物の移動などで場面の変わり目をマークする。だれのどんな気持ちを描いた場面なのか。

心情把握。人物の言動や情景などから、気持ちを読み取る。人物の性格により反応も異なるので、十分考慮する。自分ならばこう考えるなどと予断を持ってはいけない。あくまで文中に書かれてあることから考える。

主題。全体を見渡し、だれのどんな状況・心情を描いた話なのかを読み取る。記述問題で聞かれることの多い内容である。

記述問題

「(具体的に)説明しなさい」という形で、字数以外の条件は示されない場合が多い。文中に適切な部分があれば使えば良いし、具体的な部分がなければ自分で説明することになる。
文中に全く手がかり無く自分で一から考えて記述するような問題にはなっていないので、あまり身構える必要はない。ただ、従来は40~60字くらいの字数が多かったが、2019年度は100字の問題も出されているので、類似の問題で感覚をつかんでおきたい。

漢字・その他

漢字は読み書きが5~6問程度出されている。標準~上級レベルの難易度である。
接続詞の問題はよく出されているので、苦手な人は克服しておくべきである。

その他の言語事項の問題はあまり出されていないが、読解との関連でことばの意味などは聞かれやすいので、読解力アップのためにも語彙を増やす努力を怠りなく。

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2021年度「昭和学院秀英中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

問題数は多くはないので、長文2題を13分前後で読み終えれば、時間は足りるだろう。ただし、選択肢問題は5択が多く、選択肢の文も長いものがあるので、理想としては分速650字を目指したい。
難解な用語が多く出てくる文章ではないので、慣れれば速く読めるだろう。

【大問一】論説文の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:26分
  • ★必答問題

情報が簡単に手に入る社会になり知性教養や人格へのリスペクトが失われた結果、人は学ぶ意欲や向上心を失くし自己形成が困難になった、と説いている。

1.a. 志――動詞で使う場合は「志す」と送り仮名が要る。

 c.平板――変化に乏しく、面白みがないこと。

 d. 新興――新しくおこる・おこすこと。   

2.Bは例を挙げているので「たとえば」、は別の言い方でまとめているので「つまり」。 

3.インターネットなどで「情報はタダ」で手に入るという認識が一般化し、情報提供者やその著書に対する敬意が失われたと述べられている。すべてがフラットに「単なる」情報として消費されるだけなのである。

4.直後に「自己形成に至るのは難しい」とある。その人にとって重要な「意味や価値」がある「知識や情報」は「敬意を払って初めて得られる」もので、リスペクトという「精神のコスト」を払わないと得られないからである。 

5.直後の段落に「自分自身もフラットな存在」になり、「奥行・内面」がなくなってしまう、とある。「価値を生み出す意欲に欠ける」と言っている箇所もある。

6.同じ段落内に「努力しなくなった」「勉強しなくなった」とある。7段落前で「その代償」として「学ぶ意欲、向上心」がそぎ落とされたと述べている部分も同じことを言っている。 

7.実例として前の段落に「怪しい宗教への帰依や占いなどへの依存」が挙げられている。リスペクトを通じた自己形成というプロセスを踏まないと、「あこがれや尊敬の精神が歪んだ形で噴出」してしまい、「自分の人格を、すべて相手任せにしてしまう」ことになるのである。

8.(オ) 「インターネットをできるだけ使わないようにして」などという主張はない。

【大問二】小説の読解

  • 難度:標準
  • 時間配分:24

調子に自信が持てないままアンカーで走ることになった駅伝だったが、他のメンバーの気持ちに応えるかのように、主人公は全力を尽くす。

2.a 脈絡――物事の一貫したつながり・筋道。

  b 一目置く――相手が自分より優れていることを認める。

3.それは「今までの努力を認めてくれる言葉」で「安心」してはいるが、今日は「無理でもなんでもして死ぬ気で走ってやる」と思っていることから、選択肢のように受け取っていると考えられる。

4.中学最後となるかもしれない駅伝大会で部長としてアンカーを走るという「花道」が用意される状態を、安い「ドラマ」のようだと捉えたのであろう。

5.上原は主人公の不調や自身を第五走者にした理由など、すべてを理解した上でエントリー変更をしているので、今さら主人公の主張を聞いて決定を変えるつもりはない。

6.「桝井君は誰のこともわかってない」みんなに「一目置かれちゃってる」から「誰も桝井君に伝えられない」とある。皆が桝井の実力・人格やチームへの貢献を認めているがために、本音を伝えられていないのである。

7.皆が桝井をアンカーにしたのは、土壇場の苦しい状況でも「勢いのあるおれの走り」「おれの走りをするんだ」と思える桝井への信頼があったからで、皆が望んでいたのは自身のために思い切り走ってほしいということだったのである。

8.レース前のやりとりなどもはさみながら、主人公の心中を独白の形で読者に提示している。

攻略のポイント

3問ある記述問題は配点も大きくできるだけ得点したい。他の問題を速やかに終えて記述問題に余裕を持って取り組むためにも、読解のスピードは上げておこう。設問に示された条件が、正解を探す端緒にもなるので、落ち着いて見落とし無く進められるよう、過去問で練習しておく。

全体としての難易度は難関校としては押さえられおり、試験自体もオーソドックスなものである。無理に難問集などに取り組む必要はないので、しっかり準備して臆せず臨もう。

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