視覚障害を持つ人が聴覚で得たイメージを視覚で処理していることや、晴眼者とは異なる空間経験を持っていることを述べ、そうした違いを意識しつつ空間認識について語り合えたらすばらしいと説いている。
１. a. 反射　b. 吸収　c. 並(み) d. 先導　　　
２.　空間の把握(認識)の仕方が視覚と聴覚という別のルートでも空間世界を共有できる、その違いを意識しながら語りあえたらすばらしいと筆者は述べているので、選択肢ウが一致する。選択肢エは、聴覚については両者とも有しているので「有無」はおかしい。
３.　選択肢ウもよさそうだが、「主人公」では映画や小説に限定されてしまう。体験している「本人」の視点になってしまうという選択肢アのほうがよい。
４.　俯瞰という視点は「高いところから見下ろしたとき、さえぎられていたものがなく視野が広がるという、視覚的な体験」にもとづいて得られるものであると説明されている。視覚障害者はそのような体験がないので、俯瞰という視点を得られないのだと考えられる。
５. イ. 「暗闇の世界がいかに恐ろしいか」を体験し共感するという意義は示されていない。
６.  (１)「目の見える人たち」のことだが、５字以内という条件があるので「晴眼者」が抜き出せる。
　　(２)Ｂ. Ⅰ～Ⅳすべてに共通しているのは、点字を読む際に視覚に関する脳の部位が働いており、触覚で得たイメージを視覚で処理していることがわかった、ということである。
　　　  Ｃ. Ⅲ・Ⅳは視覚に関する脳の部位が働くようになるまでの時間について実験しており、短期の練習で触覚のイメージを視覚で処理できるようになった、という実験結果が共通している。
(３)ウ. どちらの文章も「聴覚の感度」について述べているわけではないので、合わない。

武士の身分を失ったがプライドを捨てきれず酒を飲んでばかりの主人公の父。しかし、息子が誇りを捨て髪結いの手伝いをし始めたことで、自分も変わらなければと思い生活を改める。
１. 「お武家さんの家に生まれた」のだからしかたがない、と言いたいようである。しみついた考えはなかなか抜けないという意味でアを選ぶ。
２.　髪結いのおかみさんの手に触れて、亡くなった母を思い出して、涙がこみ上げている。
３.a.「偉そうに言ったが、その言葉に嘘はないな？」と念を押すような言い方である。
    b.「お前も苦労するだろうが(今はだらしないがあいつも父親なのだから)、そのうち考えを改めて地道に働くようになる(目が覚める)だろう」、という意味と考えられる。
４.もう使わない刀の手入れをする様子からは、かつて武士だったという誇りを捨てきれない未練が感じられる。酒浸りの情けない現実の中で、刀が心の支えになっているのであろう。
５.町人として生きる覚悟ができたことで、武士・男らしさという呪縛から解放されたという感覚であろうか。
６.なんでも屋として生きる覚悟を決めた場面である。それまでいえなかった商売人にふさわしい「へえ」という返事をこの時初めて発したのである。
７.以前の父ならば、髪結いの手伝いという武士がすべきではない仕事を息子がすることを認めなかったであろうが、いまはもう何もいわない。父の変化を意外に思い、すべてをあきらめてしまったような態度にさびしさを覚えた。
８.息子が武士の子としてのプライドを捨て、武士からすれば恥ずかしいと思われる髪結いの手伝いを始めた。生活のために誇りを捨てて生きようとする息子の頑張りに自分も変わらなければいけないと思いなおし、酒に逃げることをやめたのだと考えられる。今後はなんでも屋として、どのような仕事でも引き受けるのであろうと予感させる場面である。