昭和学院秀英中学校 入試対策
2018年度「昭和学院秀英中学校の理科」
攻略のための学習方法
昭和学院秀英中理科の満点は50点、合格者平均点は例年5割~7割である。知識だけで答えらえる問題もあるが、実験や観察に関する説明を読んだ上で答える問題が中心であり、計算問題も含まれる。また、時事問題が毎年出題されている。
分野毎の学習法
生物分野
本年度はアリを中心とした生物に関する出題で、時事問題として「ヒアリ」についての問いもあった。近年ではセキツイ動物の分類と進化に関する出題、また千葉県内に生息する生物に関して出題された年もあった。
この分野については、動物や植物の分類、光合成や呼吸などの植物の働き、人の体のはたらきなど、基本的な知識を固める学習を行って頂きたい。また、千葉県に関わる出題もあり得るので、地理的な要素も含めて頭に入れておきたい。
地学分野
本年度は気象に関する出題で、「線状降水帯」「激甚災害」など細かい知識を問う出題が特徴的であった。近年では、熱中症の予防をテーマとした出題などが見られた。
この分野の学習としては、まずは気象・天体・地層や岩石などの基本事項をしっかり理解し覚えることが大切である。
気象関連では、台風・地球温暖化・フェーン現象なども想定されるテーマである。
また、地震や火山については近年の出来事とも結び付けて学習して頂きたい。
天体については、単なる丸暗記ではなく、星や月の動きに関してしっかり理屈(なぜそのように動いて見えるのか)を理解した上で覚えて欲しい。
物理分野
本年は電気回路および音の高さと速さに関する出題であった。近年では音、光の性質、振り子の運動、てこのつり合いなどがテーマとして取り上げられている。
この分野の学習法としてまずは、てこや滑車のつり合い・ばね・物体の運動などについて、計算練習を十分に行って欲しい。また、「音」に関する出題が多いのにも注意が必要である。
単なる頭の中の理解だけではなく、実際の演習をしっかり行うことが大切である。
化学分野
本年度は金属と水溶液の反応に関する出題であった。ここ数年では、化学変化・溶解度・燃焼などに関する出題が多い。
この分野に関しても、基本的な知識事項を覚えることはもちろんのこと、計算を含む問題演習を数多く行うことが大切である。極端に難しい出題は見られないので、塾のテキストや問題集の問題を一通り解けるようにしておきたい。
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9月以降に行われる模試はまだ仕上がっていない単元をあぶりだす絶好のチャンスである。模試で失点の多かった単元については、知識の抜けが原因なのか、計算ミスが原因かなどしっかり分析を行い、苦手分野についてはしっかり対処する必要がある。
そのあたりの分析や対策については、プロの家庭教師を是非活用して頂きたい。本校の理科は基本をしっかり固めることができれば対応可能であるので、あせることなくしっかり対策を行って欲しい。
過去問についても同様で、単に得点だけを気にするのでなく、間違えの多かった分野については、家庭教師のアドバイスなども受けながら多少時間をかけてでもしっかり対策を行って欲しい。
そして、入試直前期には、時事問題対策の学習もしっかり行って頂きたい。
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2018年度「昭和学院秀英中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数は5題、小問数は30題程度で50点満点。試験時間は40分で例年通りであった。
適語を答える問題、記号選択問題、計算問題が中心だが、記述問題や図を描く問題も含まれている。
時間は40分あるので、与えられた問題文・図・表などをていねいに読み取り、設問に対して一つ一つしっかり答えることが大切である。
【大問1】生物 アリについて
- 難度:標準
- 時間配分:4分
問1 2017年、中国からの貨物船内で発見されたのは「ヒアリ」。毒を持ち、人への被害も心配される。
問2 アリなど昆虫の足は胸部に6本ついている。
問3 クモの足は頭胸部に8本ついている。
問4 完全変態をする昆虫は、カブトムシ・ハチ・チョウ・テントウムシ・カ。
シロアリはアリとは違って不完全変態であることに注意。
問5 知識問題だが知らない生徒も多いと思われる。「外来生物法」は正式には「特定外来生物による生態系に係る被害の防止に関する法律」である。
問1から問3は昆虫に関する知識や時事問題で易問。問4のシロアリ、問5の外来生物法は知識問題だがテキストなどにほぼ載ってなく判断に迷う。
【大問2】地学 気象
- 難度:やや難
- 時間配分:8分
問1 2017年の九州北部の豪雨に関する知識問題。警報の基準をはるかに上回り、重大な災害がさし迫っている時に出されるのは「特別警報」。2017年の九州北部豪雨では、台風が「梅雨前線」を刺激し、「線状降水帯」と呼ばれる帯状の積乱雲が、同じ場所を次々に通過することにより記録的な豪雨となった。
問2 特別警報には、「大雨」「大雪」など気象に関するものの他に、「地震」「噴火」そして「津波」に関するものがある。
問3 選択肢問題だが、やや判断に迷う。特別警報が出ても、屋外に出て避難することが危険と判断したときは、家の中のより安全な場所に留まるといった判断が求められる。
問4 甚大な災害で、援助が必要な災害を「激甚災害」という。2017年の九州北部豪雨も激甚災害に指定された。
問5 雨量は深さで表すので、底面積に関係しない。
1×0.5×0.129=0.0645㎥=64.5L
気象に関する出題だが、「線状降水帯」「激甚災害」などニュースや天気予報に興味を持っていないと答えられない設問が多く含まれている。
【大問3】物理 電気回路
- 難度:標準
- 時間配分:8分
問1 乾電池と豆電球の口金のつなぎ方に関する易問。
問2 乾電池3個を直列につなぐ際、1個だけ向きを変えて、-+―++-のようにつないだ回路でも、乾電池1個分の明るさで豆電球が光ることに注意。
問3 導線のつなぎ方を作図する問題。スイッチを右に倒しても左に倒しても、電気の流れる道筋ができるように導線をつなげばよい。
問2の選択肢問題は上記の通り注意が必要。問3はやや難問だが、過去にもいくつかの学校で出題されている頻出問題。
【大問4】物理 音の振動数
- 難度:やや難
- 時間配分:12分
- ★必答問題
問1 自動車が近づいてくるときは、実際のクラクションの音より高く聞こえる。これをドップラー効果とよぶ。
問2 170÷340=0.5秒後
問3 34÷17=2秒
問4 (170-34)÷340=0.4秒後
問5 問2~問4の計算結果を使い、2-0.5+0.4=1.9秒間
問6 クラクションの振動数は646Hzなので、2秒間では646×2=1292回振動する。
問7 問5と問6の計算結果を使う。1.9秒間に1292回振動した音を聞くので、
1292÷1.9=680Hzとなる。
問8 2.1秒間に1292回振動する音を聞くことになるので、1292÷2.1を計算して、約615Hzとなる。
音の振動数に関する計算問題が中心。前半は速さの基本問題が並んでいるので、ここを確実に正答すること。問5以降で問4までの計算結果を使うことになるので、前半の間違えは大きな失点につながってしまう。
【大問5】化学 金属と水溶液の反応
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
問1 A:装飾品として使われることから「金」 B:硬貨の材料として大きな割合を占めることから「銅」 C:鏡の材料に使われることから「銀」 D:水酸化ナトリウムにも溶け、軽いことから「アルミニウム」 E:暮らしや産業を支えてる金属であることから「鉄」
問2 (1)(2)塩酸に溶けているのは塩化水素、泡の正体は発生した水素
(3)金属をはやく溶かすには、金属を細かくするなどして表面積を広げる、よくかき混ぜる、といったことが考えられる。
問3 下方置換法で集めるのは、水に溶けやすく、空気より重い気体である。
問4 (1)表のデータを見てグラフを作図する問題。グラフが折れ曲がる(それ以上気体が発生しなくなる)のは、Dの重さが0.45gのときであることがポイント。
(2)BTB液は酸性の溶液で黄色に変化する。
(3)XとYが1:1で中和するので、X150mLとY50mLではXが100mLあまる。X100mLにD(アルミニウム)は0.5gすべて溶けるので、12×5=60mLの水素を発生する。
問5 電車の線路は鉄でできている。夏の暑い日に鉄が熱で膨張することを想定し、線路のつなぎ目には、隙間をあらかじめ空けている。
金属の性質と水溶液との反応に関する出題。金、銀などの性質でやや迷う可能性がある。グラフの作図や計算問題もあるが、標準的な内容なので、落ち着いて処理して欲しい。
攻略ポイント
ここ何年かの出題分野を見ると、物理分野と化学分野の出題比率が高いので、この2分野については、基本はもちろんのこと、多少難しめの計算問題も含めてしっかり学習しておきたい。
生物・地学の2分野についても、決して出題されないわけではないので、何が出題されても大丈夫なように基本をしっかり固めて欲しい。オリジナリティのある問題も見かけられるが、まずは塾のテキスト等をしっかり学習して確実に固めることが最も大切な攻略ポイントである。
また、本校受験者は日頃から生物・気象・天体や化学的なニュースに興味を持って頂きたい。時事的内容を含んだ出題が多いのも特徴のひとつである。
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