昭和学院秀英中学校 入試対策
2020年度「昭和学院秀英中学校の理科」
攻略のための学習方法
昭和学院秀英中理科の満点は50点、合格者平均点は例年5割~7割である。標準レベルの出題が中心であるが、細かい知識を必要とする出題も見られる。また、物理・化学分野では、やや難度の高い出題も想定される。出題スタイルとしては、実験や観察等に関する説明を読んだ上で答える問題が中心であり、計算問題や記述問題も含まれる。
分野毎の学習法
生物分野 本年度は植物に関する知識問題で、やや細かい知識を問う問題も含まれていた。
近年ではウイルスと免疫、ヒアリについて、セキツイ動物の分類と進化について、千葉県内に生息する生物に関して等の出題が見られた。この分野については、動物や植物の分類、光合成や呼吸などの植物の働き、人の体のはたらきなど、知識を確実に固める学習を行って頂きたい。また、千葉県に関わる出題もあり得るので、地理的な要素も含めて頭に入れておきたい。
地学分野 本年度は星と星座に関する出題であった。
ここ何年かでは「線状降水帯」「激甚災害」など細かい気象知識を問う出題や熱中症の予防をテーマとした出題などが見られた。この分野の学習としては、まずは気象・天体・地層や岩石などの基本事項をしっかり理解し覚えることが大切である。気象関連では、台風・地球温暖化・フェーン現象なども想定されるテーマである。また、地震や火山については近年の出来事とも結び付けて学習して頂きたい。天体については、単なる丸暗記ではなく、星や月の動きに関してしっかり理屈(なぜそのように動いて見えるのか)を理解した上で覚えて欲しい。
物理分野 本年は電磁石とベルの仕組みおよびベルを利用した装置に関する出題で、ややレベルの高い内容であった。
近年では力のつり合い(浮力・てこ・振り子など)、電気回路、音の高さと速さ、光の性質、などがテーマとして取り上げられている。この分野の学習法としてまずは、てこ・滑車・浮力・ばねなど力のつり合いについて、計算練習を十分に行って欲しい。また、「音」や「電気」に関する出題が多いのにも注意が必要である。単なる頭の中の理解だけではなく、実際の演習をしっかり行うことが大切である。
化学分野 本年度は木の蒸し焼きについての知識問題と化学変化の計算問題が出題された。
ここ数年では、化学変化・溶解度・燃焼などに関する出題が多い。この分野に関しても、基本的な知識事項を覚えることはもちろんのこと、計算を含む問題演習を数多く行うことが大切である。やや高いレベルの計算問題が出題されることも想定して、塾のテキストや問題集の問題を一通り解けるようにしておきたい。
9月以降に行われる模試はまだ仕上がっていない単元をあぶりだす絶好のチャンスである。模試で失点の多かった単元については、知識の抜けが原因なのか、計算ミスが原因かなどしっかり分析を行い、苦手分野についてはしっかり対処する必要がある。そのあたりの分析や対策については、プロの家庭教師を是非活用して頂きたい。
過去問についても同様で、単に得点だけを気にするのでなく、間違えの多かった分野については、家庭教師のアドバイスなども受けながら多少時間をかけてでもしっかり対策を行って欲しい。
そして、入試直前期には、時事問題対策の学習もしっかり行って頂きたい。
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2020年度「昭和学院秀英中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数は4題、小問数は25題程度で50点満点。試験時間は40分であった。大問数は年度によって変化している。適語を答える問題、記号選択問題、計算問題が中心だが、簡単な記述問題も含まれている。時間は40分あるので、与えられた問題文・図・グラフなどをていねいに読み取り、設問に対して一つ一つしっかり答えることが大切である。
【大問1】物理分野 電磁石・ベルの仕組み
- 難度:やや難
- 時間配分:13分
問1 電池を並列つなぎにすることにより、1つの電池から流れる電流が減る。
問2 エナメル線を巻いた筒に鉄心を入れることにより、電磁石の力を強くする。
問3 表より、ばねを1cm伸ばすための重さは10gなので、2.4cm伸ばすためには24g必要。さらに、支点からばねまでの距離は支点からコイルまでの距離の3倍なので、てこのつり合いの計算より、コイルが棒を引く力は72gに相当する。
問4 ベルの原理の説明文について、( )を埋める選択肢問題。
問5~問7 ベルを利用したスタンプ装置に関する出題でやや難。ロール紙の動く速度と観察者の動く速度の関係から、旅人算的な考えで計算すること。
前半は、電磁石を利用したベルの仕組みについて。後半は、ベルを利用した装置の動きについての出題。大問1としてはやや重い内容になっている。てこのつり合いの計算や速さの計算など幅広い学力が要求される。
【大問2】化学分野 木の蒸し焼き・化学変化
- 難度:やや難
- 時間配分:13分
問1 中学入試頻出の記述問題。木の蒸し焼きでは、試験管の加熱部が発生した液体で急に冷やされて割れるのを防ぐために、試験管の口を下げて加熱する。
問2 物質が酸素と結びつく反応を選ぶ問い。
問3 燃焼する気体として水素が考えられる。
問4 グラフより、砂鉄は29g。グラフの折れ曲がり部分に着目すると、3gの木炭を加えた時に21gの固体が残る。29+3-21 より、発生した二酸化炭素は11g。
問5 3gの木炭を完全に燃焼させるのに使われた酸素は、11-3 より8g。従って、29gの砂鉄の中に含まれていた酸素は8g、残りの21gが鉄。
問6 問5より、84gの鉄を得るために必要な砂鉄は116g。砂の重さの10%が116gにあたるので、必要な砂は1160g。
問7 問4より、11gの二酸化炭素を発生させるのに必要な砂鉄は29g。116gの砂鉄からは44gの二酸化炭素を発生させることができる。最後に、重さから体積への変換を忘れないように。
前半は木の蒸し焼きに関しての知識問題。後半は、化学変化についての計算問題。割合や比を用いた計算力が求められる。前半で間違いが多かった時は、木の蒸し焼きに関しての知識を復習すること。後半で間違いが多かった場合は、金属や気体の燃焼に関する計算問題の練習に時間をかけて頂きたい。
【大問3】生物分野 植物
- 難度:標準
- 時間配分:8分
問1 絵を見て、アサガオとヘチマの種子を選択する問題。
問2 絵を見て、ヘチマの葉の葉脈・子葉を選択する問題。
問3 ヘチマ同様に双子葉類である植物として、ヒマワリが該当する。
問4 ヘチマ同様に単性花である植物として、キュウリとトウモロコシが該当する。
問5 アサガオはくきで巻き付き、ヘチマは巻きひげで巻き付く。
問6 植物は重力の働く方向とは逆の方向に茎を伸ばそうとする性質がある。
問7 「よじのぼり植物」は茎を太くする必要がないので、その分のエネルギーを成長にまわすことができる。
問4までは基本的な知識問題で、ここでの失点は避けたい。間違えた時は、テキストに戻って復習すること。その際、葉・茎・芽生えの様子などは資料集等の写真を見て確認すること。問5以降はヘチマやアサガオなどのよじのぼり植物に関する問いで、かなり細かい知識が必要。
【大問4】地学分野 星と星座
- 難度:標準
- 時間配分:6分
問1 ふたご座とおとめ座について、星座名・1等星の名前・見える季節を答える出題。
問2 夏の大三角を構成する星の名前を答える問題。
問3 さそり座とオリオン座の日周運動、年周運動に関する問題。
星と星座に関する出題。問1のふたご座とおとめ座は夏の大三角や冬の大三角ほど入試での出題頻度が高くないので、やや盲点になっている。日本から見える一等星とそれを含む星座については、怠りなく覚えておきたい。
攻略のポイント
ここ何年かの出題分野を見ると、物理分野と化学分野の出題比率が高く、多少難しめの計算問題が出題される可能性が高い。今年度の出題においても、難度の高い内容が含まれていた。この2分野に関しては、レベルの高い計算問題の練習も行いたい。もちろん、生物・地学の2分野についても、何が出題されても大丈夫なように基本はしっかり固めて欲しい。全体的にオリジナリティのある問題が多く、問題文をしっかり読まないと解けない問題も多い。また、かなり細かい知識や時事的内容について聞かれることも見られる。
塾のテキスト等をしっかり学習して知識を確実に固めることが最も大切な攻略ポイントであるが、過去問等を用いて本校と同タイプの問題演習もしっかり行いたい。
また、本校受験者は日頃から化学的なニュースにも興味を持って頂きたい。
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