昭和学院秀英中学校 入試対策
2021年度「昭和学院秀英中学校の理科」
攻略のための学習方法
昭和学院秀英中理科の満点は50点。標準レベルの出題が中心であるが、細かい知識を必要とする出題も見られる。また、物理・化学分野では、やや難度の高い出題も想定される。出題スタイルとしては、実験や観察等に関する説明を読んだ上で答える問題が中心であり、計算問題や記述問題も想定される。
<分野毎の学習法>
生物分野 本年度はウイルスと感染症に関する知識問題で、やや細かい知識を問う問題も含まれていた。近年でもウイルスと免疫をテーマにした出題があった。近年では他に、ヒアリについて、セキツイ動物の分類と進化について、千葉県内に生息する生物に関して等の出題が見られた。この分野については、動物や植物の分類、光合成や呼吸などの植物の働き、人の体のはたらきなど、知識を確実に固める学習を行おう。ウイルスや免疫・感染症については今後も出題される可能性がある。また、千葉県に関わる出題もあり得るので、地理的な要素も含めて頭に入れておきたい。
地学分野 本年度はこの分野での出題はなかった。ここ何年かでは「線状降水帯」「激甚災害」など細かい気象知識を問う出題や熱中症の予防をテーマとした出題などが見られた。この分野の学習としては、まずは気象・天体・地層や岩石などの基本事項をしっかり理解し覚えることが大切である。気象関連では、台風・地球温暖化・フェーン現象なども想定されるテーマである。また、地震や火山については近年の出来事とも結び付けて学習して頂きたい。天体については、単なる丸暗記ではなく、星や月の動きに関してしっかり理屈(なぜそのように動いて見えるのか)を理解した上で覚えて欲しい。
物理分野 本年は電磁石および人の骨と筋肉を題材にしたてこのつり合いに関する出題であった。近年でも、力のつり合い(浮力・てこ・振り子など)や電磁石に関する出題が見られ、他には、電気回路、音の高さと速さ、光の性質、などがテーマとして取り上げられている。この分野の学習法としてまずは、てこ・滑車・浮力・ばねなど力のつり合いについて、計算練習を十分に行って欲しい。また、「音」や「電気」に関する出題が多いのにも注意が必要である。単なる頭の中の理解だけではなく、実際の演習をしっかり行うことが大切である。
化学分野 本年度は燃焼と水の状態変化に関する出題であった。ここ数年では、化学変化・溶解度・燃焼などに関する出題が多い。この分野に関しても、基本的な知識事項を覚えることはもちろんのこと、計算を含む問題演習を数多く行うことが大切である。やや高いレベルの計算問題が出題されることも想定して、塾のテキストや問題集の問題を一通り解けるようにしておきたい。
9月以降に行われる模試はまだ仕上がっていない単元をあぶりだす絶好のチャンスである。模試で失点の多かった単元については、知識の抜けが原因なのか、計算ミスが原因かなどしっかり分析を行い、苦手分野についてはしっかり対処する必要がある。そのあたりの分析や対策については、プロの家庭教師を是非活用しよう。
過去問についても同様で、単に得点だけを気にするのでなく、間違えの多かった分野については、家庭教師のアドバイスなども受けながら多少時間をかけてでもしっかり対策を行って欲しい。
そして、入試直前期には、時事問題対策の学習もしっかり行おう。
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2021年度「昭和学院秀英中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数は4題、小問数は25題程度で50点満点。試験時間は40分であった。大問数は年度によって変化している。適語を答える問題、記号選択問題、計算問題が中心だが、簡単な記述問題も含まれている。時間は40分あるので、与えられた問題文・図・グラフなどをていねいに読み取り、設問に対して一つ一つしっかり答えることが大切である。
【大問1】生物 ウイルスと感染症
- 難度:やや難
- 時間配分:9分
問1 新型コロナウイルスに関連した時事問題。3密とは、密閉・密集・密接。
問2 免疫に関係する血液成分は白血球。
問3 感染症対策における手洗いと手指の消毒に関する問い。
問4 選択肢問題だが難問。抗生物質は最近の増殖を防ぐ物質であり、ウイルスの増殖を防ぐ効果はない。
問5 問題文に書かれてある内容を適語で埋めながらまとめる内容の問題。適語は問題文から引用すればよいので、問題文をしっかり読んで理解できるかがポイント。
新型コロナウイルスに関連した出題。「ウイルス」「最近」「免疫」「ワクチン」「抗生物質」「ファージ療法」などについて、問題文を読みながら解答する内容。
【大問2】物理・生物 てこのつり合い
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
問1 手や腕の骨格をモデル化した図におけるてこのつりあいの計算問題。回転力(支点からの距離×重さ)が時計まわりと反時計まわりで等しいときにつり合う。
問2 つり合いの計算結果を基に、グラフを作成する問題。
問3 支点から力点までの距離よりも支点から作用点までの距離の方が長いので、力点に加える力よりも作用点に加わる力の方が小さくなる。
問4 ピンセットと箸は、力点に加える力よりも作用点に加わる力の方が小さくなる。
手・腕の骨格と筋肉を題材にしたてこのつり合いに関する出題。てこの基本原理が理解できていれば正答可能な内容。ここで失点した時は、てこの原理の理解と計算練習および身のまわりの道具におけるてこの原理の活用例に関しての復習に時間をかけた。
【大問3】物理 電磁石
- 難度:標準
- 時間配分:9分
問1 磁力の強い電磁石にするためには、
①電流を強くする ②コイルの巻き数を多くする ③鉄芯を入れる。
問2 芯の種類と磁力の強さの関係を調べるためには、電流とコイルの巻き数を同じにし、電流の強さと磁力の強さの関係を調べるためには、芯の種類と巻き数を同じにすればよい。
問3 芯が鉄である電磁石は取り出した後も磁力を持っていると考えられる。
Aの釘と同じ向きに電流を流したもの同士は釘の先と頭が違う極となるので、お互いに引き合う。
問4 方位磁針の振れを絵で描く問題。親指以外の4本の指が電流の向きと同じになるように右手を握ったときに、親指側がN極になる。方位磁針のN極は電磁石のS極側を向くように振れる。
電磁石に関する出題でいずれも基本的な内容。
【大問4】化学 燃焼と状態変化
- 難度:標準
- 時間配分:12分
- ★必答問題
問1 木材の燃焼では、炭素と酸素が結びついてできる二酸化炭素が出ていくので、燃
焼によって軽くなる。一方スチールウールの燃焼では、結びついた酸素の分だけ重くなる。
問2 フェノールフタレイン液が赤くなることからアルカリ性。石灰水以外に、木の燃焼後の灰を水に混ぜた灰汁もアルカリ性になることに注意。
問3 磁石につくかどうかで、鉄の性質が変化したか変化していないかがわかる。
問4 物質が固体・液体・気体と変化することを状態変化という。
問5 汗の蒸発は体の表面の熱を奪い、体温調整に役立っている。
問6 30℃における飽和水蒸気量は30.4g/㎥なので、湿度70%では、30.4×0.7の結果を四捨五入して、21.3gの水蒸気が含まれている。この部屋の温度を20℃に冷やすと、20℃での飽和水蒸気量が17.3g/㎥なので、21.3-17.3より4.0gの水蒸気が水滴に変化して出てくる。
四捨五入して小数第1位まで求めよという指示なので、第1位の0まで答えることに注意。
木材や金属の燃焼、水の状態変化関する出題。燃焼や状態変化だけではなく、水溶液の性質などに関する基本知識も必要。問6の計算問題では日頃の練習の成果が試される。
ここでしっかり得点できなかった場合は、基本知識の再確認と飽和水蒸気量や湿度に関する計算問題演習にもしっかり時間をかけて欲しい。
攻略のポイント
ここ何年かの出題分野を見ると、物理分野と化学分野の出題比率が高く、計算問題が出題される可能性が高い。今年度の出題においても、物理分野の比重がやや高くなっている。この2分野に関しては、多少レベルの高い計算問題でも対応できるように練習を行いたい。もちろん、生物・地学の2分野についても、何が出題されても大丈夫なように基本はしっかり固めて欲しい。全体的にオリジナリティのある問題が多く、問題文をしっかり読まないと解けない問題も多い。また、かなり細かい知識や時事的内容について聞かれることも多い。今年度も、ウイルスと感染症に関する出題ではやや細かい知識を要求する問いも含まれていた。
塾のテキスト等をしっかり学習して知識を確実に固めることが最も大切な攻略ポイントであるが、過去問等を用いて本校と同タイプの問題演習もしっかり行いたい。
また、本校受験者は日頃から化学的なニュースにも興味を持って欲しい。
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