豊島岡女子学園中学校 入試対策
2017年度「豊島岡女子学園中学校の国語」
攻略のための学習方法
問題構成
漢字の書き取り・説明的文章の読解・物語文の読解の三題の出題が通例となっている。
素材文は計7000~8000字ほど。総解答数は25問前後となっている。そのうち、漢字が3問とことばの知識が1~2問だけという、長文読解中心の試験となっている。
ここ数年、物語文の問題では記号選択ばかりだったが、最新年度では書き抜きや記述問題も出されている。配点は両者ほぼ均等である。選択肢問題は五択であるうえ、複数を選択する完答の問題もあり、けっして楽ではない。
また、記述問題は70~90字ほどもある長いもので、要旨の理解を問う難しいものが多い。
長文読解
・説明的文章
内容がやや高度なものが多い。科学的な話題が中心になるので、専門知識や用語が多く出てきて、理数系に苦手意識がある人は難しく感じるかもしれない。特に記述問題は90字という年度もあり、多くは要旨に関係する問題で筆者の考えの根本を問うようなものなので難しい。
論説文の要旨を把握する訓練を積むこと。まずは説明的文章読解の基本的な技術を身につけたい。
形式段落と意味段落の整理。各段落の要点と細部の区別。全体の要約。重要点には傍線を引いたり関連する箇所を線で結んでおいたりして、目立つようにしておく・・・などである。難しい言葉も前後の内容や別の表現で言い換えたところを参考に、自分の頭でしっかり理解できるようにしたい。
また、記述対策として80~100字ほどで要旨をまとめる練習をしておけば、本校以外の試験でも得点に結びつくであろう。
・物語文
主人公の設定やストーリーが受験生にも理解しやすいものが多く、読みやすい。とはいえ、選択肢が五択であったり選択肢の文章が長めであったりと、楽な問題ではない。選択肢の一語一句に注意をはらい、的確に判断したい。
また、前年・前々年と記号選択問題ばかりだったが、最新年度では書き抜きや記述問題も出題されている。
物語文の読解の基本をおさらいしよう。
場面の整理。時間・場所・登場人物に注意して場面の区切りに印をつけておく。各場面の主役に特に注目しながら、心情を考える。言動や情景から気持ちを想像する。自分ならこう思うだろうなどと予断を持ってはいけない。あくまで文中にある手がかりから考える。
そのためにも、普段から読書に親しみ、いろいろな生き方や考え方に触れておくことは大変有意義である。論説文でも同様だが、読書に勝る勉強は無いと心得ておかれたい。
漢字・その他
漢字の書き取りが例年3問出されている。標準レベルの漢字で、1問くらい難しい問題が含まれることもある。
その他には、言葉の知識が1~2問出される場合もあるが、まったく出されない年度もある。長文読解に重点が置かれた試験となっている。
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2017年度「豊島岡女子学園中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
論説文3300字・物語文4800字の計8100字ほど、総解答数は22問と例年と変わりない。
2題の長文読解での時間配分を考えておく。文章量も配点も毎年ほぼ均等であるが、説明的文章のほうがやや難しい傾向がある。得意な方から取り掛かるのも良いだろう。
選択肢問題も五択で文字数も多いので読む量は多くなる。答えやすい問題から解き進み、時間のかかる長文記述は最後に落ち着いて書きあげる。
【大問1】論説文の読解
- 難度:難
- 時間配分:28分
- ★必答問題
話すこと自体に価値があるとされ話すことを強要される社会に疑問を感じ、まずは黙して自分の心を知ることがコミュニケーションには必要であると説いている。
問三 無理に元気な大声の挨拶はもちろん、知りもしない人からは挨拶自体も要らないと筆者は考えているので、Bさんの意見は適当ではない。
問四 短歌の作者のことを言っている。短歌の内容から、歌の作者がどのような考えの人かを述べている部分がある。「~人」ではなく、別の言い方になっている。
問六 直後の「無理して自分を消している」とは逆の状態であると推測される。
問八 ここで訊かれているような「人」が増えていることを、「気がかりなこと」として挙げている箇所がある。
問九 「~いいんですよね」という言い方に、確かめたいという気持ちが感じられる。
問十 このことわざは「結局、相手と同じ立場になってしまう」という意味。
また、ここはグループにいながら黙していることの難しさを説明している部分である。選択肢エの「結局自分から話しかけてしまう」は適切だろうか?
問十一 ル・グィンの小説『ゲド戦記』からのセリフ「聞こうと思うなら黙っていること」が、筆者の考えるコミュニケーションの要点であろう。この前後で、筆者自身の言葉で具体的に説明している部分があるので、いくつかの文から抜き出してまとめる。
【大問2】小説の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:22分
- ★必答問題
学校をズル休みすることで凡庸で退屈な日常から抜け出したつもりだったが、かえって平凡な一日の持つ価値に気づかされた主人公。
問一 よく「あくせく働く」という使われ方をするが、進んで楽しく働いているイメージではない。仕事に追われて忙しく余裕がない姿が頭に浮かぶ。
問二 「息の詰まる」のは緊張感のせいだろうが、どういった緊張なのか?「胸が躍る」などの表現から楽しみにしている気持ちが読み取れる。
問三 「おしあい、へしあう出入り口」や「混雑したホーム」では、群衆のなかの一人の無名の女子生徒の行動など誰も気にもとめないであろう。
問五 二人がズル休みをした意図から考えて、何の授業だったかは無関係である。
問六 少し後で、ズル休みが思ったほど楽しくなかったことに「吃驚し」ている。結局、ズル休みへの期待は学校という狭い社会に居て考えただけのことだったのである。選択肢アも悪くはなさそうだが、「絶望感」は当てはまらないだろう。
問八 小学校の授業風景を見て考えている場面が使える。ズル休みをしたせいで自分が経験できなかった時間や得ることが出来なかった新しい知識を惜しむ、喪失感といったものを感じている。平凡な日常も過ぎ去ってしまえば二度と手に入らない、その大切さがわかったのであろう。
この問題のように、「文中の言葉を用いて」といった指示がない場合、自分で具体的に説明しなければならないことがあるので、語彙を増やし表現力をつけておきたい。
攻略のポイント
問題数は22問と少なめだが、長文の記述問題や選択肢の五択など、スピードが必要であり、難易度も高めである。
合格者平均点は7割を超えることも多く、どの項目でも大きく失点するわけにはいかない。
長文読解に重点を置いた試験なので、選択肢・書き抜き・記述いずれも十分に問題をこなし、説明的文章・文学的文章ともに自信が持てるよう、過去問で経験値をあげておきたい。理想としては、読書を日々の習慣として文章読解の地力をあげておければ心強い。
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