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豊島岡女子学園中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2018年度「豊島岡女子学園中学校の国語」
攻略のための学習方法

問題構成

漢字の書き取り・説明的文章の読解・物語文の読解の三題の出題が通例となっている。

素材文は計7000~8000字ほど。総解答数は25問前後となっている。そのうち、漢字が3問とことばの知識が1~2問だけという、長文読解中心の試験となっている。

数年前は、物語文の問題では記号選択ばかりだったが、近年では書き抜きや記述問題も出されている。配点は両者ほぼ均等である。選択肢問題は五択であるうえ、複数を選択する完答の問題もあり、けっして楽ではない。

また、記述問題は70~90字ほどもある長いもので、要旨・主題の理解を問う難しいものが多い。

長文読解

・説明的文章

内容がやや高度なものが多い。科学的な話題が中心になるので、専門知識や用語が多く出てきて、理数系に苦手意識がある人は難しく感じるかもしれない。特に記述問題は90字という年度もあり、多くは要旨に関係する問題で筆者の考えの根本を問うようなものなので難しい。

論説文の要旨を把握する訓練を積むこと。まずは説明的文章読解の基本的な技術を身につけたい。形式段落と意味段落の整理。各段落の要点と細部の区別。全体の要約。重要点には傍線を引いたり関連する箇所を線で結んでおいたりして、目立つようにしておく・・・などである。難しい言葉も前後の内容や別の表現で言い換えたところを参考に、自分の頭でしっかり理解できるようにしたい。

また、記述対策として80~100字ほどで要旨をまとめる練習をしておけば、本校以外の試験でも得点に結びつくであろう。

・物語文

主人公の設定やストーリーが受験生にも理解しやすいものが多く、読みやすい。とはいえ、選択肢が五択であったり選択肢の文章が長めであったりと、楽な問題ではない。選択肢の一語一句に注意をはらい、的確に判断したい。また、以前は記号選択問題ばかりだったが、ここ数年では書き抜きや記述問題も出題されている。

物語文の読解の基本をおさらいしよう。場面の整理。時間・場所・登場人物に注意して場面の区切りに印をつけておく。各場面の主役に特に注目しながら、心情を考える。言動や情景から気持ちを想像する。自分ならこう思うだろうなどと予断を持ってはいけない。あくまで文中にある手がかりから考える。

そのためにも、普段から読書に親しみ、いろいろな生き方や考え方に触れておくことは大変有意義である。論説文でも同様だが、読書に勝る勉強は無いと心得ておかれたい。

漢字・その他

漢字の書き取りが例年3問出されている。標準レベルの漢字で、1問くらい難しい問題が含まれることもある。その他には、言葉の知識が1~2問出される場合もあるが、まったく出されない年度もある。長文読解に重点が置かれた試験となっている。

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2018年度「豊島岡女子学園中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

論説文3400字・物語文5000字の計8400字ほど、総解答数は19問とやや少なめである。

2題の長文読解での時間配分を考えておく。文章量も配点も毎年ほぼ均等であるが、説明的文章のほうがやや難しい傾向がある。得意な方から取り掛かるのも良いだろう。

選択肢問題も五択で文字数も多いので読む量は多くなる。答えやすい問題から解き進み、時間のかかる長文記述は最後に落ち着いて書きあげる。

【大問1】論説文の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:25分
  • ★必答問題

嫌われたくないから、かわいそうだから子を叱らないという親の態度を批判し、将来子が社会で自立して生きていけるように、時に厳しく、自分の考えや価値観をぶつけるのが親としての真のやさしさであると説いている。

問一 「自分が死んだあと、生きていくたくましさ」とある。親に頼らず自分ひとりで生きていく、「自立の力」をつけさせるために心を鬼にして厳しくするのである。

問二 文章後半で、親にはもっと毅然として堂々としていてほしい、でないと頼りがいがない、という学生の意見が紹介されている。親が子供のご機嫌を取るような態度は、大人として、人生の先輩として自信のない姿に見える。

問三 アかウかで迷うところである。アも完全に間違いともいえないのだが、「子供が将来困ったことになる」点を考えずに甘やかしていることを指摘しているウの方がよい。

問四 「親子の間には他人にはない」ものがある。産み育てたものだけが持つ、絆やつながりだろうと予測できる。「深い結びつき」がちょうど6字なのでよい。

問五 「歪んだ行動や自分勝手な態度が改まらないまま大きくなったら」社会で信用されないと述べている。

問六 「近視眼的」の部分をしっかり説明してある選択肢を選ぶ。子供の将来のためには厳しくすることも必要なのだが、「嫌われたくない」「子供がかわいそう」など「現在」の単純な感情だけで対応してしまうことが「近視眼的」だと筆者は考えている。

問九 まず最後の、時には厳しく自分の考えや価値観をぶつけるのが親としての本当のやさしさであるとするまとめの部分を押さえる。厳しさは、子供が将来自立して生きていけるようにするためである。子供のご機嫌をうかがって甘やかすのではなく、堂々としていてほしいという子供の思いも含めて、適度な字数でまとめよう。

<時間配分目安:25分>

【大問2】小説の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:25分
  • ★必答問題

亡くなった母の過去の時代を訪れるという不思議な体験をした主人公。形見の浴衣が作られた経緯も知り、母親を暖かい気持ちで思い出す。

問一 ①友達に良いことをしてあげたという報告なので「得意満面」、②莉子が反発するほど決めつけた言い方なので「頭ごなし」、ということでイが選べる。

問二 母に亡くなった姉がいたことを知り、亡くなってからも大切に想われていた様子を想像して、心が温まったのだろう。

問四 「がまんしていたもの」は、友達を信じたいと思いながらも実際には浴衣を返してくれなかった現実に対するつらい気持ちであろう。まさにその浴衣のことで母親とけんかしてしまったので話すわけにもいかない。そこに母親から優しくされたので、押さえていた気持ちが噴出したのだと思われる。

問五 「お母さんの分は?」と質問しているので、母親の提案を「非現実」「余計」とは思っていないので、イやエは選ばない。途中で浴衣を縫うことを考えたり、結果として縫うことに決めたりしているのでオとアも合わない。

問六 浴衣のことで母親としばらく口をきいていないことから「頑固」さがわかる。

問七 現実にもどったときの「とても満たされた気分」を考える。「切なさ」や「後悔」はふさわしくない。自分のことを考えているわけでもないのでアも合わない。不器用さについて「自分と同じように」だったかどうかは描かれていないのでイもおかしい。

問八 本校の受験生のレベルを考えたらこの漢字をミスするわけにはいかない。当然、全問正解で。

<時間配分目安:25分>

攻略のポイント

問題数は19問と少なめだが、長文の記述問題や選択肢の五択など、スピードが必要であり、難易度も高めである。

合格者平均点は7割を超えることも多く、どの項目でも大きく失点するわけにはいかない。

長文読解に重点を置いた試験なので、選択肢・書き抜き・記述いずれも十分に問題をこなし、説明的文章・文学的文章ともに自信が持てるよう、過去問で経験値をあげておきたい。理想としては、読書を日々の習慣として文章読解の地力をあげておければ心強い

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