豊島岡女子学園中学校 入試対策
2022年度「豊島岡女子学園中学校の国語」
攻略のための学習方法
問題構成
漢字の書き取り・説明的文章の読解・物語文の読解の三題の出題が通例となっている。
素材文は計7000~8000字ほど。総解答数は25問前後となっている。そのうち、漢字が3問とことばの知識が1~2問だけという、長文読解中心の試験となっている。
数年前は、物語文の問題では記号選択ばかりだったが、近年では書き抜きや記述問題も出されている。配点は両者ほぼ均等である。選択肢問題は五択であるうえ、複数を選択する完答の問題もあり、けっして楽ではない。また、記述問題は70~90字ほどもある長いもので、要旨・主題の理解を問う難しいものが多い。
長文読解
・説明的文章
内容がやや高度なものが多い。科学的な話題が中心になるので、専門知識や用語が多く出てきて、理数系に苦手意識がある人は難しく感じるかもしれない。特に記述問題は90字という年度もあり、多くは要旨に関係する問題で筆者の考えの根本を問うようなものなので難しい。
論説文の要旨を把握する訓練を積むこと。まずは説明的文章読解の基本的な技術を身につけたい。形式段落と意味段落の整理。各段落の要点と細部の区別。全体の要約。重要点には傍線を引いたり関連する箇所を線で結んでおいたりして、目立つようにしておく・・・などである。難しい言葉も前後の内容や別の表現で言い換えたところを参考に、自分の頭でしっかり理解できるようにしたい。
また、記述対策として80~100字ほどで要旨をまとめる練習をしておけば、本校以外の試験でも得点に結びつくであろう。
・物語文
主人公の設定やストーリーが受験生にも理解しやすいものが多く、読みやすい。とはいえ、選択肢が五択であったり選択肢の文章が長めであったりと、楽な問題ではない。選択肢の一語一句に注意をはらい、的確に判断したい。また、以前は記号選択問題ばかりだったが、ここ数年では書き抜きや記述問題も出題されている。
物語文の読解の基本をおさらいしよう。場面の整理。時間・場所・登場人物に注意して場面の区切りに印をつけておく。各場面の主役に特に注目しながら、心情を考える。言動や情景から気持ちを想像する。自分ならこう思うだろうなどと予断を持ってはいけない。あくまで文中にある手がかりから考える。
そのためにも、普段から読書に親しみ、いろいろな生き方や考え方に触れておくことは大変有意義である。論説文でも同様だが、読書に勝る勉強は無いと心得ておかれたい。
漢字・その他
漢字の書き取りが例年3問出されている。標準レベルの漢字で、1問くらい難しい問題が含まれることもある。その他には、言葉の知識が1~2問出される場合もあるが、まったく出されない年度もある。長文読解に重点が置かれた試験となっている。
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2022年度「豊島岡女子学園中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
論説文4700字・物語文4100字の計8800字ほど、総解答数は21問とやや少なめである。
2題の長文読解での時間配分を考えておく。
文章量も配点も毎年ほぼ均等であるが、説明的文章のほうがやや難しい傾向がある。
得意な方から取り掛かるのも良いだろう。
選択肢問題も五択で文字数も多いので読む量は多くなる。
答えやすい問題から解き進み、時間のかかる長文記述は最後に落ち着いて書きあげる。
【大問一】論説文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:26分
- ★必答問題
業の生産者がどのように商品を生産し販売価格を決めているのかを、イチゴの生産を例として解説している。
問一 示された一文は利益と費用の関係を説明している。空欄Cの後の「このこと(からわかるように)」がこの文を指していると考えれば、文意がうまくつながる。
問二 エ. イチゴ栽培に直接必要なお金ではない。
問三 〔い〕の今年度分の費用(支払い+くらし)は400円。来年度の費用も同じだけかかるので〔あ〕の利益は400円必要で、計〔う〕800円の値付けが必要となる。
問四 まず、図オは収入と利益の関係がおかしい。費用は一定で変わらないという前提なので図アと図エは外れる。損失は費用が収入を上回った部分なので、図イが正しい。
問五 「不確実性とリスクを生み出しているのは消費者である」と述べられている。それまでは生産者の側からの価格決定要因が述べられていたが、ここから消費者の考えや行動も価格に影響を及ぼすことが示されていくので、選択肢エが合う。
問六 「事前に掛かった費用が払えなくなる」ということは「赤字」ということである。
問七 オ. 後半で説明されている内容と合う。
問八 文章の前半では、費用と利益を考慮して値付けをしていることが述べられている。後半では、消費者の行動や気象などのリスク、市場の相場なども計算に入れて値段を決める必要があることが示されている。
問九 X. 負担 Y. 店頭 Z. 保証
【大問二】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:24分
他の生徒と違う雰囲気を持つ菊池さんに興味をひかれていた主人公。大好きな鳥の話をするうちに、自分の書いた小説を菊池さんが読んでくれていたことがわかり、小説をほめてくれたことで自身がありのままに認められた気持ちになる。
問一 A. 白ける――興が冷めて気まずい雰囲気になる。
B. ちゃっかり――自分の利益のために抜け目なくふるまう様子。
問二 B. 〔あ〕背筋が「しゃん」と伸びる。
〔い〕状況から、少しずつ話している感じなので「ぽつぽつ」。
〔う〕「危惧が音を立てる」のであるから湧き上がるような感じの「ぷちぷち」。
問三 前後の独白から、独りになること・人から嫌われ厭われることを怖がっているのだと考えられるので、選択肢ウがよい。
問四 C. 自分が鳥を好きであることを「やっぱり」と予測していたような口ぶりで、からかうこともなく自然に受け止めてくれる菊池の様子に、主人公の気持ちがほぐれている。傍線⑤はそうした心理描写であると考えられるので、生徒Cの感想は合う。
E. 傍線⑦の後で「おもしろいね、御蔵さんは」という発言がある。鳥について熱心に語る主人公を馬鹿にするでもなく、個性として認めている言動であると思われるので、生徒Eの意見は合う。
問五 「やっぱり、鳥が好きなんだ」と、主人公が鳥好きであることを知っていたような口ぶりである。菊池が主人公の書いた小説を読んで、その内容から予測していたのである。
問六 イ.並んで歩きながら主人公は鳥について熱心に語り、菊池も歩調を合わせきちんと話を聞いている。この二人の距離感は、心の距離の暗示であると考えられる。
問七 まさか菊池が自分の書いた小説を読んでくれているとは思わず、さらに急に褒められてしまってとっさに適当な返事が思いつかなかったのだろう。
問八 もともとの印象では、孤独を恐れないような独特の雰囲気の人だと思っていた。しかし、鳥の話をきちんと聞いてくれたことや、自分の書いた話を読んでいてくれてほめてくれたことで、ありのままの自分を受け入れてくれているのだと感じるようになった。
攻略のポイント
問題数は21問と少なめだが、長文の記述問題や選択肢の五択など、スピードが必要であり、難易度も高めである。
合格者平均点は7割を超えることも多く、どの項目でも大きく失点するわけにはいかない。
長文読解に重点を置いた試験なので、選択肢・書き抜き・記述いずれも十分に問題をこなし、説明的文章・文学的文章ともに自信が持てるよう、過去問で経験値をあげておきたい。
理想としては、読書を日々の習慣として文章読解の地力をあげておければ心強い。
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