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豊島岡女子学園中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2017年度「豊島岡女子学園中学校の理科」
攻略のための学習方法

計算問題に重きが置かれているとは言え、生物の大問に見られるように、当然知識問題も出題される。しかも比較的細かいレベルで聞いてくるので、用語だけでなく数値や行動・作業の手順についての暗記が重要である。
用語以外に関して問われる知識の内容は、メダカのオス/メスの区別など定番のものもあるとは言え、何が出題されるかの見当をつけにくい。したがって、実戦問題や過去問に取り組む中で、「これは覚えていなかった」という知識が出てきたらその場でノートにまとめる、といった地道な取り組みを積み重ねておきたい。

計算問題についてはしつこく述べてきた通り、基礎的な解法の習熟が必要不可欠である。
たとえば本年度の大問2に見られるレベルの問題で悩んでいるようでは、時間的な制約の面で合格が厳しくなる。
理科における計算問題の多くは「比例・反比例」か「旅人算」かのどちらかに分類され、その傾向は分野を問わない。つまり、ひとつの計算問題をきちんと理解することは、そのまま他の問題を解く力につながるということを意味する。
したがって、計算問題が嫌だと思ったとしても式だけ暗記してお茶を濁すのではなく、しっかりと向き合って理解に努め、「これはもう楽勝だな」と思えるようになるまで学習を徹底できるかどうかが合否を大きく左右するだろう。

また、計算問題の考え方と同程度に重要なのが計算力そのものであり、特に「式をひとまとめに記述できる力」である。
本学の問題には四捨五入を要するものが散見されるが、このような問題では計算の各段階で答えを算出することが出来ない。ほとんどは計算をまとめて記述し、1つの分数式として扱っていくことが求められる。
計算記述のスタイルは一朝一夕に変わるものではないから、カッコの使い方を含めた立式の練習を早い段階から習慣づけておくのが望ましい。半面、全ての計算を無条件に分数で処理してしまうのも好ましくない。小数で計算した方が圧倒的に早い場合もある。
要は「最も計算が楽になる手順」を見出す力が重要なのであり、その点を意識しない計算練習は、いくら量をこなしたとしても計算力の向上にはつながらない。本学の入試では算数でも処理の手際が問われるので、日頃からの練習を心がけること。

以下、各分野の学習において特に注力すべき点を挙げておく。

生物分野

知識の面で言えば、植物分野で多くの受験生が足をすくわれるのが「分類」である。単子葉/双子葉の分類といった頻出のものは言うまでもなく、「◯◯科」レベルの分類、陽生/陰生植物の区別、冬越しの形態などは、いざ聞かれると正確に覚えていないことに気付かされる。
動物分野で穴になりがちなのは「ヒト」だろう。誕生までの過程や、器官(特に肝臓)の役割は抜かりなく覚えておきたい。
また、各種の観察・実験に用いる器具や試薬、手順についても押さえておこう。

地学分野

計算問題という観点で見れば、この分野で天体と並んで出題されやすいのが地震であろう。震源地までの距離の割り出し方など、基本的な計算手順はすぐ思い浮かべられるようにしておくこと。

その他、湿度や高地の気温に関する計算にも慣れておきたい。これらの計算問題は単純であり慣れてしまえば難しくはないが、本年度出題された天体は図形的な理解と旅人算の応用を同時に求められ、理屈がきちんと分かっていないと立式が難しい。自分で図を書いて考えられるようになるまで学習を徹底したい。

物理分野

力学分野は基本的に計算を伴う。つり合いやばねの伸びといった基本的な計算が難なくこなせることは不可欠。
浮力の計算は密度が1g/cm3ではない液体についても考えられるレベルまで練習しておこう。
電流の分野では電熱線との組み合わせによる熱量計算が強化ポイント。あまり見たことはないが、こちらも比熱が1cal/g・℃ではない場合の処理まで練習しておくと安心である。

化学分野

化学分野も計算が多いが、本質的には全て比例計算であるから慣れてしまえば苦にはならない。むしろ重要なのが立式の前段階で持つべき着眼点である。

本年度は完全反応ばかりで難しくなかったが、化学反応の問題では完全反応時にそれぞれの物質がどのくらいずつ反応するかを自力で明らかにすることから出発するのが基本である。その量的な関係をもとに、新しく生成された物質や残った物質の量を計算するところまでが「基礎」であると認識しておきたい。

他には溶解度曲線を用いた濃度やとけ残りの計算が存在するが、ここでは計算の要領が重要である。水、水溶液、溶質のどれに着目して比例式を考えれば最も「楽に」計算できるかを考えながら練習に取り組むこと。

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2017年度「豊島岡女子学園中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

理科と社会の2科目合計で50分であるが、設問数が27個あるうえに、その半数以上は計算問題であり、四捨五入を要するものもある。
理科に30分を割くとしても、迷いなく式を立てられることに加え無駄なく正確に計算する力まで求められる。通り一遍の計算力では合格に必要な点数を確保するのが難しいと覚悟しよう。

【大問1】物理分野:等加速度運動

  • 難度:やや難
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

計算というよりは、規則性の発見が厄介。(3)の問題で躓くと以降の問題を正しく考えられないのだが、「時間−移動距離」のグラフを「時間−速さ」のグラフに変換する方法が直接示されていないので簡単ではない。合否の分かれ目になっただろう。

(1) 「時間が2倍、3倍…になると、移動距離は4倍、9倍…になる」という規則性の発見を初っ端から求められる。「放物線」のグラフがこうした関係を示す、という知識は持っていて損は無いだろう。

(3) (2)の答えと図3との比較から、「(等加速度運動の場合)時間t1〜t2における平均の速さはt1とt2における速さの平均と等しくなる」ことを見抜けたかどうか。
Aでは「0〜2秒の平均の速さ」が15cm/秒と求められるから、0秒後の速さと2秒後の速さの合計(つまり2秒後の速さ)が15×2=30[cm/秒]になっているグラフを選ぶ。
Bでは「0〜5秒の平均の速さ」と「5秒後の速さ」とで同じように考えれば良い。

(5) (4)の結果から、台車の重さが1kgのままであれば、8gの力を加えたときには1秒ごとに8cm/秒ずつ速くなると分かる。台車の重さが1.6kg、つまり8/5倍になれば、加速度は5/8倍になるので1秒ごとに8×5/8=5[cm/秒]ずつ速くなるはずである。

(6) 速さは時間に比例するので、点Pまで移動するのにかかった時間は50cm移動するのにかかった時間の3倍である。(1)で見た通り、時間が3倍になると移動距離は9倍になる。
よって、点Pまでの距離は50×9=450[cm]となる。
「(5)の台車に」と書いてあるので、「1.6kgの台車が50cm移動するのに何秒かかるか?」と考えたくなるところだが、そういう方向性で考えるとまず正解へはたどり着けない。

【大問2】化学分野:水溶液の反応

  • 難度:標準
  • 時間配分:7分
  • ★必答問題

計算問題が多いが、基本的には単純な比例式で解くことができる。指示通りに四捨五入を要する計算は少ないが、本当に必要な場合には最後に割り算して四捨五入しなければ答えが変わってしまう。そういった要領も含めた計算力と、設問の理解から式を立てるまでのスピードで差がつく問題。

(3) (2)の結果から、酢酸と水酸化ナトリウムが過不足なく反応する際の質量比は1.5:1であると分かる。B液5mL中には8×5/200=0.2[g]の水酸化ナトリウムが含まれており、これを完全に中和する酢酸の質量は「水溶液の濃度にかかわらず」0.2×1.5=0.3[g]である。

(4) C液32mL中の酢酸が0.3gであるから、C液100mLに含まれる酢酸の質量は0.3×100/32で計算される。
これはうすめる前の食酢25mLに含まれる酢酸の質量と等しいから、食酢100mLにはその100/25倍、すなわち0.3×100/32×100/25≒3.8[g]の酢酸が含まれると言える。
0.3×100/32の計算結果を求めないという点が重要。

(6) ①まずは問題文から「実験1〜5を各班が1回行なう」とすぐに解釈できたかどうか。
実験4以降は作った水溶液を一部分使うだけなので、実験3までに各班が使用する薬品の量を考えれば良い。
食酢は1班あたり25mLしか使用しない。班の数は1学年で8×6=48であるから、全体で必要な食酢は25×48=1200[mL]であり、500mL入りの容器は3本必要だと分かる。

作った水溶液を混ぜ合わせても、全体としての出入りは発生しない。本問でも実験3までに作った水溶液の量が問題になる。
実験1〜3で各班が合計400mL=0.4Lの水溶液を作るので、48班では0.4×48=19.2[L]である。

【大問3】生物分野:メダカの観察

  • 難度:やや難
  • 時間配分:6分

本年度の知識問題のほぼ全てがこの大問に集中している。参考書で学ぶ内容で解けるものばかりだが、産卵時の行動順序や数値・時間などに関する細かい知識まで問われている。学習の精度で差がついたと思われる。

(2) 動物プランクトンに食べられる植物プランクトンはだいたい動物プランクトンよりも小さいが、細胞が数千個集まって細胞群体を形成するボルボックスはゾウリムシなどの単細胞の動物プランクトンよりも巨大である。クンショウモも同じく細胞群体であるが、こちらはミカヅキモやハネケイソウよりも小さいので注意。
イラストでも両者をきちんと見分けられるようにしておこう。

(6) メダカの問題では日数がよく問われる。メダカの卵が受精してから主な器官ができるまでにかかる日数や、ふ化してから自力で餌をとり始めるまでの日数などは覚えておくこと。

【大問4】地学分野:太陽と惑星

  • 難度:やや難
  • 時間配分:9分
  • ★必答問題

要領は月の満ち欠けの周期と公転周期を考える問題と同じである。池の周りを同じ方向に回る旅人算として考えれば難しくないが、扱う数字が単純でないため計算が煩雑になる。
ここも手際の良さが勝負。

(3) 「池の周りを兄と弟が同じ場所から同時に同じ方向へ歩き始め、兄が弟に追いつくまでにかかる時間」を求める旅人算と同じである。

地球と金星の進んだ距離(=角度)の差が360°になる時間を考えれば良い。親切に回転角度を与えてくれているので利用して良いのだが、「途中で四捨五入してはならない」原則を考えると、本来は比を用いて解くべき問題。

金星と地球の速さ(回転角度)の比が1/225:1/365=73:45であるから、再び内合するまでに進む角度の比も73:45となる。この差が360°に相当することから、地球はその間に360×45/(73−45)[度]公転しなければならない。よって、その際に必要な日数も365×45/(73−45)≒590[日]と計算できる。

(4) 黒点が見えなくなるということは、地球と黒点とのなす角が90°に広がるということである。
設問が「太陽の自転周期」ではなく、「地球から見たときの太陽が1回転する時間」を聞いていることに注意。
つまり、地球の公転を考慮に入れてはならない。したがって、単純に27/4×360/90=27[日]と求めれば良い。

(5) 再度、旅人算。太陽の黒点と惑星の回転角度に360°の差がつくまでの時間は「360÷(太陽の自転の速さ−惑星の公転の速さ)」によって求められる。
金星の公転は地球よりも速いので、太陽の自転の速さとの差は小さくなる。よって、かかる時間は長くなる。

(6) 太陽の直径に対する黒点の直径の比率は3/150である。太陽の直径が地球の直径の109倍であることを考えると、黒点の直径は地球の直径の109×3/150=2.18[倍]となる。

攻略のポイント

計算問題が主体とは言え、多くの設問は直線的な思考で答えを出せるレベルであり、問題集で練習しておけば十分に太刀打ちできる。

厄介なのは解答に費やせる時間が短いため、解き方で長々と悩んでいるとあっという間に時間が無くなってしまう点であろう。全問を解き切るには、基礎的な計算問題であればすぐ考え方が分かる程度の習熟が必要となる。

また、一部で考えるのにやや時間を要する設問が見られるため、出来るだけ点数を稼ごうと思うと、1分程度考えて解答の糸口が掴めないような問題は思い切って捨てる勇気も求められる。したがって、時間配分や問題の取捨選択を意識した練習こそが過去問演習のポイントになると言える。

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