東邦大学付属東邦中学校 入試対策
2017年度「東邦大学付属東邦中学校の国語」
攻略のための学習方法
問題構成
論説文・小説の読解問題2題と、漢字・言葉の知識が数問という形式が定着している。
素材文の長さは各2500~3000字の2問で計5000~6000字ほど。平均的な文量と言えるが、時間は45分と少し短いので注意。
選択肢問題がほとんどで、短い記述問題が出される年度もある。
県下でも有数の高偏差値の学校であるが、国語の試験は非常にシンプルな構成になっている。
長文読解
論説文と小説の2問。同程度の難易度の学校では10000字を超える長文も多く見られる中、5000~6000字は文量としては少なめである。設問でも、長大な記述問題や答えを探すのに手間取りそうな書き抜き問題はほとんど出されない。
最新年度では短い記述が1問ある以外はすべて記号選択問題であった。選択肢は四択で文は少し長いのでここで多少時間を取られるが、内容は無理に迷わせるような意地悪なものではない。全体的にクセのないシンプルな試験である。
45分と少し時間は短いが、本校を志望するレベルの生徒であれば時間・難易度ともにさほどの困難は感じないであろう。
特別な対策は要らないので、長文読解の基本に沿って学習を進めればよい。
・論説文 段落の整理。形式段落→意味段落へとまとめ、各意味段落の内容を小見出しのようにつけてしまうとよい。
各段落の要点。段落の最初と最後に特に注意しながら、要点と思われる1文に傍線を引くなどしてマークしておく。細部でも、言い換えた部分などは手がかりになる場合も多いので、チェックしておく。
要旨の読み取り。どのような問題でも訊かれることが多いので、要旨の中でも特に重要な部分を目立つようにしておく。
・小説 場面分け。時間・場所・人物の移動などに注目し、場面の変わり目をチェックしておく。だれのどんな場面なのか、他の場面との関連なども考えておく。登場人物の性格を把握し、言動や情景から心理を読み取る。気持ちに変化があった場面は問題にされやすいので、特に注意しておく。全体を見渡して、何が中心テーマとして描かれていたのかを考える。
漢字・その他
漢字はここ数年、同音異字の選択肢問題という形で3問程度出題されている。語句の意味も数問、出されている。標準的な難易度である。
まとめ
選択肢問題が多いので、類似問題で慣れておくことは重要である。しかし、本校の高い偏差値からすると難易度は控えめであり、全体としても取り組みやすい試験になっている。
それだけに、合格者平均点は7~8割と高いことが予想され、高得点での争いになると思われる。確かな実力と、ミスのない答案作成が求められる。
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2017年度「東邦大学付属東邦中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
長文2問で計6000字は、同じ偏差値レベルの他の学校より少なめである。時間のかかる書き抜きや記述問題が無い点でも、手間が少ない。ただし、選択肢の文は長めであり、45分の試験時間も、50分の学校が多い中、短く感じるだろう。
しかし、問題の難易度もさほど高くはないので、他の学校の過去問でスピードに慣れておけば、あまり苦労は感じないであろう。
【大問一】論説文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:22分
- ★必答問題
外国の影響を受けて発展した日本の食文化だが、明治以降の料理人による日本料理は外国の素材や技術を拒み、家庭料理とは異なる状況で現在に至ったと述べている。
問一 漢字の出題は同音異字の選択肢という形が定例となっている。難しさは標準レベルである。
問三 諸説あるが、魚の発酵食品であることは共通している。次の段落で、発酵を省くという日本的アレンジに言及して、その後に生魚を使うようになったと述べている。
問四 和食の代表であるテンプラや寿司でも、そのルーツは外国にあると前の段落で書いたことを受けている。
問五 「システムを固定化」して「守る」とある。化石になればそれ以上風化しにくいので、変化しないという意味であろう。
問六 日本料理に取り込まれなかったカレーやラーメンが家庭料理(しかも国民食)になったということが、その「状況」を端的に表している。
問八 直後に「西洋料理という体系」より「肉食」のほうが受け入れられたと推定している。
問九 文中にまったく述べられていない内容の選択肢が一つある。
【大問二】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:23分
- ★必答問題
吹奏楽部の後輩に思いを寄せる、卒業を間近に控えた中学生の切ない気持ちが描かれている。
問三 その後の横田の熱い語りの内容から判断できる。
問四 ホルンの魅力を語る横田の話に、それまでは感じていなかった楽器の素晴らしさを気づかされた様子が読み取れる。
問五 何を指しているかはすぐわかるだろうが、7字ぴったりという条件なので、必要最小限の言葉でまとめる必要がある。
問六 部活内ではよく話していたことが書かれている。ここは部活動時間外で横田と会うという場面である。
問七 直後の数段落に主人公の気持ちが描かれている。「同い年であればいいのに」という願望は卒業が同時でないことへの無念でもある。
問八 ここも問七と同様、学年が同じであればもっと違った展開で横田との関係を深められるのではないかという思いが、「越えられない川」という比喩になったと考えられる。
問十 選択肢アは「場面を織りまぜながら」が正確ではないので選ばない。
攻略ポイント
高い偏差値のわりに、問題構成もシンプルで難易度も控えめである。ただし、年度によって難しさに多少のばらつきはあるので、過去問に多く当たり、年度による違いに慣れておきたい。
また、選択肢問題が多い傾向は今後も続くと予想されるので、類似問題で経験を積んでおくこと。漢字の選択肢形式の問題や45分という時間にも慣れが必要である。
当然、高得点での勝負となり、不用意なミスは致命傷になりかねないので、最後まで集中を切らさない持久力をつけておきたい。
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