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東邦大学付属東邦中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2018年度「東邦大学付属東邦中学校の国語」
攻略のための学習方法

問題構成

論説文・小説の読解問題2題と、漢字・言葉の知識が数問という形式が定着している。
素材文の長さは各2500~3500字の2問で計5000~7000字ほど。平均的な文量と言えるが、時間は45分と少し短いので注意。
選択肢問題がほとんどで、短い記述問題が出される年度もある。
県下でも有数の高偏差値の学校であるが、国語の試験は非常にシンプルな構成になっている。

長文読解

論説文と小説の2問。同程度の難易度の学校では10000字を超える長文も多く見られる中、5000~7000字は文量としては少なめである。設問でも、長大な記述問題や答えを探すのに手間取りそうな書き抜き問題はほとんど出されない。

最新年度では書き抜きが2問ある以外はすべて記号選択問題であった。選択肢は四択で文は少し長いのでここで多少時間を取られるが、内容は無理に迷わせるような意地悪なものではない。全体的にクセのないシンプルな試験である。

45分と少し時間は短いが、本校を志望するレベルの生徒であれば時間・難易度ともにさほどの困難は感じないであろう。
特別な対策は要らないので、長文読解の基本に沿って学習を進めればよい。

・論説文 段落の整理。形式段落→意味段落へとまとめ、各意味段落の内容を小見出しのようにつけてしまうとよい。
各段落の要点。段落の最初と最後に特に注意しながら、要点と思われる1文に傍線を引くなどしてマークしておく。細部でも、言い換えた部分などは手がかりになる場合も多いので、チェックしておく。
要旨の読み取り。どのような問題でも訊かれることが多いので、要旨の中でも特に重要な部分を目立つようにしておく。

・小説 場面分け。時間・場所・人物の移動などに注目し、場面の変わり目をチェックしておく。だれのどんな場面なのか、他の場面との関連なども考えておく。登場人物の性格を把握し、言動や情景から心理を読み取る。気持ちに変化があった場面は問題にされやすいので、特に注意しておく。全体を見渡して、何が中心テーマとして描かれていたのかを考える。

漢字・その他

漢字はここ数年、同音異字の選択肢問題という形で3問程度出題されている。語句の意味も数問、出されている。標準的な難易度である。 

まとめ

選択肢問題が多いので、類似問題で慣れておくことは重要である。しかし、本校の高い偏差値からすると難易度は控えめであり、全体としても取り組みやすい試験になっている。
それだけに、合格者平均点は7~8割と高いことが予想され、高得点での争いになると思われる。確かな実力と、ミスのない答案作成が求められる。

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2018年度「東邦大学付属東邦中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

長文2問で計6700字ほどと、例年とほぼ変わらない。時間のかかる記述問題が無い点でも、手間が少ない。ただし、選択肢の文は長めであり、45分の試験時間も、50分の学校が多い中、短く感じるだろう。

問題の難易度もさほど高くはないので、他の学校の過去問でスピードに慣れておけば、あまり苦労は感じないであろう。

【大問一】説明文的随筆文の読解

  • 難度:標準
  • 時間配分:23分
  • ★必答問題

お掃除ロボットから感じたその進化と現状についての考察。

問一 軽快―軽症 重複―複雑 所作―場所

問二 直後で、動きに無駄があることやごみの取りこぼしに言及している。掃除の効率が悪いのではないかと考えている。

問三 ロボットに掃除させて(客)人間は休む(主)はずが、ロボットが動きやすい(主)ように人間が手伝う(客)という逆転が起こってしまったのである。

問四 傍線(2)直前に書いてあることをとらえればよい。

問五 完璧な計算ではなく、仕方なくランダムに動き回った結果、まんべんなく部屋を動き回ることになる、というところが健気さや生き物らしさを感じさせるので、ウが選べる。エは「仕方なくランダムに」感が弱く、あまり健気さ・人間らしさにつながらない。

問七 まずしっかり計算して予定通りに動くのが「熟考派」。その逆で深く考える前にとりあえず動いてみようというのは「行動派」と言える。

問九 「周りにあるモノや制約」とは具体的には「進行の邪魔になる椅子やテーブル」などである。それがロボットの掃除に「一役買っている」と、まさに「役割」に言及した部分が文中にある。字数も42字で条件に合う。

問十  障害物がある方が完全に掃除できるとは言っていない。
    人間そのものについての優れている・いないの考察はなされていない。
    筆者は「余計な手助け」を悪いものだと考えていない。

【大問二】小説の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:22分
  • ★必答問題

死期が近い父との暮らしに、兄夫婦と姪たちがひとときの穏やかな空気をもたらす。

問一 仕事から帰って家に入るとき、普段ならばどうしても父親の病気のことが意識されてしまう。それが、姪たちの子供特有の明るい声がすると、その時だけでも気分が変わるのだろう。

問二 美奈は底抜けの楽天家だということなので、のように心配する可能性を案ずる必要はなさそうである。本当のことを言っても、主人公の望まない前向きな励ましが返ってくるだけなので、適当に返事をしたのだと思われるから、がよい。

問三 「どういう意味?」と直に聞いている。球を投げることに例えているが、「打ち返しづらい球」を投げてきたということであろう。「意味がわからず答えづらい」のである。

問四 答えになりそうな箇所が3つある。まず、「できれば早くそこから出たい、でも出たくない気もする」とある。これを少し後で「生まれてくる哀しみ」だと説明している。さらにこれを詳しく説明したまとめとして「中途半端な感じ」と述べている。指定された字数から、最後の語句が当てはまる。

問五 もう少し後で主人公が「こめかみを押さえる」場面が出てくる。美奈の話についていけずに疲れてしまっているのである。できればだれかほかの人に肩代わりしてほしい……それが無理なら、せめてこの苦労につきあってくれる人が欲しかったのだろう。

問七 子供の遊びに付き合っているのだが、その遊びにも自分の病気を治そうという孫たちの気づかいが込められている。それに応えようと「じいじ」も真剣に遊んでいる。

問八 病床を囲んで雰囲気が暗くなりがちな時、子供たちの無邪気な仕草で大人が救われることは、現実にもよくあることである。つらい気持ちが和らげられる貴重な時間なのである。

問九  例にあげられた「感覚的な言葉」も、べつに「全体に明るくユーモラスな印象を与えて」はいないので×
    「生まれてきたころを思い出す」ところは、「生まれる哀しみ」に関連した内容で、「幸せだった昔にもどりたい」などという願いとは関係ないので×
    この二つの例えはユーモラスな表現で読者の笑いを狙ったもので、「病気という事実から目をそらそうと」している事実は描かれていないので×

攻略ポイント

高い偏差値のわりに、問題構成もシンプルで難易度も控えめである。ただし、年度によって難しさに多少のばらつきはあるので、過去問に多く当たり、年度による違いに慣れておきたい。

また、選択肢問題が多い傾向は今後も続くと予想されるので、類似問題で経験を積んでおくこと。漢字の選択肢形式の問題や45分という時間にも慣れが必要である。

当然、高得点での勝負となり、不用意なミスは致命傷になりかねないので、最後まで集中を切らさない持久力をつけておきたい。

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