都市的生活が、かつては近かった自然との空間的・時間的な距離を遠くしてしまったと論じている。

問１.　標高差 ―― ロ(標本)・リ(指標)

問２.　Ⅳ. 年中イチゴが手に入る現代では、イチゴを買ってきたことなど「とりたてて・わざわざ」言う必要もないことである。

問３.　生物多様性が高いのはもちろんよいことでそのような自然を守ることは必要なのだが、そこには人間が嫌う種類の生物も当然存在しているのだという、筆者のユーモラスな表現である。

問４.　七行後で「その旬のとき」と言っているのが、「食べておいしいタイミング」のことである。

問５.　竹のことは知っていたような発言があるので選択肢ハは当たらない。

問６.　「緑が人を呑み込む」という擬人法になっている。

問７.　この後、四季の変化との日本人の付き合い方が説明されているので、「時間的」とは「四季の移り変わり」のことであるとわかる。

問８.　「自然の季節の摂理に無理をさせてまで食の欲望を満たす自分に恥ずかしい思いがある」と心境を述べている。

離婚してから二人の娘・水青と清澄にほとんど会うことがなく、再会してもぎこちない態度の全であったが、水青のウェディングドレスの打ち合わせで服飾デザインへの情熱をよみがえらせる。

問１.　ちなみに――ついでに言うと・補足して。おずおずと――ためらい、落ち着かない様子で。

問２.　「まともに顔を合わせるのは数年ぶり」なのに、父親として娘たちに声の一つもかけてやれない全に、主人公がしびれを切らしたのである。

問３.　父娘のぎこちない雰囲気に耐えきれなくなって、「清澄の作った仮縫いのドレスの試着」という本来の目的の作業に移ろうとしている。

問４.　仮にもウェディングドレスとしてデザインしているのだから、選択肢イは不適切。清澄の力不足と水青の好みから、普通のウェディングドレスらしさが出せていないということであろう。

問５． 「結婚相手のお母さんがぜひ花嫁姿をみたいらしくて」、だから「ドレスを着る(ことにする)」。

問６.　全は水青の気持ちを感じ取り、娘が快く身に付けられるドレスを作ってやりたいというデザイナーとして、また父親としての意欲がわいてきたのだと思われる。

問７.　「ただそれだけのこと」は「指先が触れないようにしている」という全の動きのことである。離婚もして疎遠になっていた年頃の娘に触れるのが憚(はばか)られるという「父親の遠慮」が友人として切なかったのである。

問８.　最後部の「おかえり」という言葉から、文中にははっきり描かれていないが全はここのところデザイナーとしてのやる気を失っていたのだろうと推測される。娘のウェディングドレス制作に当たって意欲を取り戻した様子の全を見て、主人公は状況の急激な変化を感じているのである。

問９.　「ガーゼ」生地の心地よさは、自分のために真剣にドレスを作ろうとしてくれている父親の思いと重ね合わせることができる。

問10.　姉のためにドレスをデザインしようとしたが、姉の気にいるものはできなかった。そんな清澄が父親のプロとしての力量を目の当たりにして、改めて感嘆の念を覚えている。

問11.　問８参照。