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東邦大学付属東邦中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2022年度「東邦大学付属東邦中学校の国語」
攻略のための学習方法

問題構成

論説文・小説の読解問題2題と、漢字・言葉の知識が数問という形式が定着している

素材文の長さは各2500~3500字の2問で計5000~7000字ほど。平均的な文量と言えるが、時間は45分と少し短いので注意。選択肢問題がほとんどで、短い記述問題が出される年度もある。

県下でも有数の高偏差値の学校であるが、国語の試験は非常にシンプルな構成になっている。

長文読解

論説文と小説の2問。同程度の難易度の学校では10000字を超える長文も多く見られる中、5000~7000字は文量としては少なめである。設問でも、長大な記述問題や答えを探すのに手間取りそうな書き抜き問題はほとんど出されない。

最新年度では書き抜きの3問以外はすべて記号選択問題であった。選択肢は四択で文は少し長いのでここで多少時間を取られるが、内容は無理に迷わせるような意地悪なものではない。全体的にクセのないシンプルな試験である。

45分と少し時間は短いが、本校を志望するレベルの生徒であれば時間・難易度ともにさほどの困難は感じないであろう。特別な対策は要らないので、長文読解の基本に沿って学習を進めればよい。

・論説文 段落の整理。形式段落→意味段落へとまとめ、各意味段落の内容を小見出しのようにつけてしまうとよい。各段落の要点。段落の最初と最後に特に注意しながら、要点と思われる1文に傍線を引くなどしてマークしておく。細部でも、言い換えた部分などは手がかりになる場合も多いので、チェックしておく。

要旨の読み取り。どのような問題でも訊かれることが多いので、要旨の中でも特に重要な部分を目立つようにしておく。

・小説 場面分け。時間・場所・人物の移動などに注目し、場面の変わり目をチェックしておく。だれのどんな場面なのか、他の場面との関連なども考えておく。登場人物の性格を把握し、言動や情景から心理を読み取る。気持ちに変化があった場面は問題にされやすいので、特に注意しておく。全体を見渡して、何が中心テーマとして描かれていたのかを考える。

漢字・その他
漢字はここ数年、同音異字の選択肢問題という形で3問程度出題されている。語句の意味も数問、出されている。標準的な難易度である。 

まとめ

選択肢問題が多いので、類似問題で慣れておくことは重要である。しかし、本校の高い偏差値からすると難易度は控えめであり、全体としても取り組みやすい試験になっている。

それだけに、合格者平均点は7~8割と高いことが予想され、高得点での争いになると思われる。確かな実力と、ミスのない答案作成が求められる

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2022年度「東邦大学付属東邦中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

長文2問で計8200字ほどと、例年よりやや多めの文量であった。
時間のかかる記述問題が無い点でも、手間が少ない。ただし、選択肢の文は長めであり、45分の試験時間も、50分の学校が多い中、短く感じるだろう
問題の難易度もさほど高くはないので、他の学校の過去問でスピードに慣れておけば、あまり苦労は感じないであろう

【大問一】論説的随筆文の読解

  • 難度:標準
  • 時間配分:23分
  • ★必答問題

「贅沢」の内容を考察したうえで、適正な「贅沢」を考える基準となる「徳としての倹約」について述べようとしている。

問1. 仮想 ――(理想)・(想定)

問2. 第一段落・第二段落はテーマの説明。第十三段落で「さて」本題に入りましょうと書いているので、三段落~十二段落が二つ目となる。

問3. 「もうけ」「損しない」という意味の「得」であろう。

問4. 「身を養うための最低限度のかかり」を超えるものが「余計なもの=贅沢」である。そして第七段落で、余分なかかり(贅沢)=我々の消費支出の大半は「社交のための費用」だと結論付けている。

問5. Ⅰ. 第三段落~第五段落まで「最低限のかかり」について論じているが、「むしろ」考えたいのは「余分なかかり」の中身の方である、と方向を変えている。
Ⅳ. 前段落まで考えてきた「余分なかかりの中身」について、「つまり」と端的にまとめている。

問6. 贅沢に対する我々の欲望は他者との関係に根差した「社会」的なものであって、もともと体に備わった「本能」的なものではないのである。

問7. 具体例として大切な人への贈り物をあげ、相手や状況によって変わるもので相場など存在しないと述べているので、選択肢が合う。

問8. 
イ. 「倹約」が「見栄っぱり」と「けち」の違いを表すとは書かれていない。
ロ. 「奢侈」が過ぎると他者との関係を築く妨げになる、とは書かれていない。
ハ. 「吝嗇(りんしょく)」と「奢侈」の説明が逆である。
ホ. 「見栄っぱり」と「けち」がいき過ぎた時の結果が逆である。

問9. 第一・第二段落で「倹約」というテーマを紹介し、次に関連する「贅沢」について説明して、そのあと本来のテーマについて論じ始めている→選択肢が合う。

【大問二】小説の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:22分

周囲に対して反抗心を持つ中学生・阿子の家庭教師をすることになった主人公。阿子にかつての自分を重ねつつ憎しみも覚え、自分も大人になってしまったと感じる。

問1. 
Ⅰ. 手に取るように――すぐ目の前にあるように、はっきり見えたり聞こえたりするさま。
Ⅱ. 血の気が失せる――恐怖や緊張で顔が青ざめる。

問2. ミステリー小説は最後に犯人がだれかを知るのが醍醐味である。それが最初からわかってしまったら、知りたいという気持ち=好奇心が刺激されない、という例えとなっている。

問3. 外見や雰囲気から、阿子は気が強く、おとなしく先生のいうことを聞くタイプではないと感じたのである。

問4.「みずからの優位性に確信」を持っているのに、主人公がほめてくれないので、「正当に認められることを望んで」いるのだと書かれている。

問5. 借りた本を汚してしまったが、みずから申告し弁償も申し出ており、主人公が怒れないように先回りしている。いわば「挑戦」している印象である。

問6. 周りの子を馬鹿にし、阿子が「おしんちゃん」に感じているのと同じような優越感、「みずからの優位性に確信」を持っていたのだと考えられる。

問7. 中学生のころ、クラスメートが悪気なく優しくしてくれていたのに、それを「鈍感・幼さ・無邪気さにうんざりさせられた」などと思うのだから、まったく独りよがりで「傲慢」だったということである。

問8. 傍線の前を読むと、やさしさが押し付けられるような、やさしさが他人を傷つけても気づかないような社会の建前と真実といったことを「嘘くさい」と感じているようである。

問9. かつての自分と似ている阿子を一瞬でも「生意気なくそガキ」と「憎む」ようになったことで、かつてうとましいと思っていた「大人」や「世間」の側に自分がなってしまったと感じたのである。

攻略のポイント

高い偏差値のわりに、問題構成もシンプルで難易度も控えめである。ただし、年度によって難しさに多少のばらつきはあるので、過去問に多く当たり、年度による違いに慣れておきたい
また、選択肢問題が多い傾向は今後も続くと予想されるので、類似問題で経験を積んでおくこと漢字の選択肢形式の問題や45分という時間にも慣れが必要である
当然、高得点での勝負となり不用意なミスは致命傷になりかねないので、最後まで集中を切らさない持久力をつけておきたい

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