東邦大学付属東邦中学校 入試対策
2016年度「東邦大学付属東邦中学校の理科」
攻略のための学習方法
東邦大東邦中の理科の満点は、算数や国語と同様に100点。従って東邦大東邦受験者は理科についても怠ることなくしっかり対策をする必要がある。基本的な問題も多いが、計算問題もややレベルの高い問題が出題される。また、与えられた問題文や図・グラフをしっかり読み取らないと解けない問題・作図を必要とする問題も出題される。基本の定着はもちろんのこと、過去問の演習、出題傾向に近い問題の演習も十分行いたい。演習に使う問題の選択については、塾の先生や家庭教師を利用して欲しい。
時事問題対策としては、日頃からニュースや天気予報に関心を持つことが最も大切だが、直前の対策としては、2016年秋までの異常気象・地震・噴火・部分日食などの天文的現象・ロケットの打ち上げなどを書き出してチェックして欲しい。
<分野毎の学習法>
生物分野
本年は人のからだの働きについて、および植物の葉のつき方についての出題であった。今後は、昆虫について、食物連鎖について、植物の光合成や呼吸などの働きについてなどの出題も予想される。これらの分野も、単なる丸暗記ではなく、実験や観察を通して考えさせる問題の演習をしっかりおこなって欲しい。
地学分野 本年度は星の明るさと温度に関する出題であった。今後、天体に関しては月の満ち欠け・星の動き・太陽の動きに関して出題されることも予想される。また、気象(台風について、フェーン現象についてなど)、地震や火山噴火について、岩石や地層についての出題も十分考えられる。どれが出題されても大丈夫なように、基本の確認・問題の演習を十分行って頂きたい。
物理分野
本年は電磁石についておよび光の反射についての出題であった。本年の光の反射については、作図をして考えることができるかどうかがポイントとなった。今後も同様の出題もあり得るので、作図を用いて解く練習はしっかりしておきたい。
今回出題されなかった豆電球の明るさ、力学(てこ、滑車、ばね、浮力、振り子など)も2016年には取り上げられる可能性が十分ある。本校理科の問題は計算問題も多く出題されているので、力学の計算問題には十分時間をかけておきたい。
化学分野
本年度は中和反応と発熱に関する出題であった。今後も中和・水溶液と金属の反応・金属やろうそくの燃焼・溶解度に関する問題など計算を必要とする出題が多いことが予想される。塾のテキストや問題集も使って、計算練習はしっかり行うことが必要である。それとともに、気体や水溶液の性質、指示薬の色の変化など知識事項もしっかり頭に入れておこう。
東邦大東邦中入試で合格点を取れる力を身につけるためには、まずは夏休み中までに各分野の基本の学習を終えておきたい。そのうえで、9月以降は入試問題と同タイプの総合的な問題演習にも時間をかけて欲しい。もちろん9月以降でまだ苦手な単元に関してはさらに力を入れて定着させる必要がある。9月以降の模試や総合的な演習は、まだ仕上がっていない分野を見つける絶好のチャンスでもある。できていない問題については、なぜ間違えたのかの分析をしっかり行い、苦手分野の克服につなげて欲しい。
入試直前期には時事問題対策の本が各塾や出版社から出されるので、活用して欲しい。
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2016年度「東邦大学付属東邦中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数は7題、小問数は25題程度で100点満点。試験時間は45分で例年通りであった。記号選択問題と計算問題が中心の出題。計算問題・思考力を要求される問題も多い。また、しっかりと問題文を読まないと題意が理解できない問題もある。そのため、試験時間は45分あるが、実際に解いてみると45分が短く感じられるかも知れない。
【大問1】2015年に起こった科学的な出来事に関する出題
- 難度:やや難
- 時間配分:2分
(1) 2015年7月に肉食恐竜ティラノサウルスの仲間の歯の化石が発見された。
(2) 無人探査機「ニューホライズン」は知らなくても、冥王星が惑星から準惑星になったことを知っていれば解ける問題。
日頃から科学に興味を持っているかどうかを問う問題。特に(1)は知らないと解けない一題。
【大問2】生物分野 人のからだの働きに関する出題
- 難度:易
- 時間配分:5分
- ★必答問題
(1) 心臓と肝臓の位置に関する問題。易問。
(2) 肺の働きに関する出題。これも絶対に正解したい。
(3) 腎臓の働きに関する計算問題。文章をよく読んで書かれてある内容を理解することが大切。計算そのものは難しくない。
(3)の計算問題は書かれてある内容がやや理解しにくいが、その点を除けば 基本問題が並んでいる。しっかり得点しておきたい。
【大問3】物理分野 電磁石に関する出題
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
(1) 右手を使って確認。電流の向きに人差し指~小指を巻いて親指の向いた向きがN極。
(2)同様に右手を使って確認。コイルBの右側がN極。コイルに引き寄せられる鉄の棒の左側がS極、右側がN極。
(3)コイルCはエナメル線の巻き数が多くなっているために、働く磁力も大きくなる。
全体として「右手を使って確認」の基本がしっかり使えるかと、巻き数が多いと磁力が大きくなることが理解できていれば得点できる。問題文が長いが、落ち着いて読み取って欲しい。
【大問4】地学分野 星の明るさと温度に関する出題
- 難度:やや難
- 時間配分:5分
- ★必答問題
(1) 星の明るさは等級が1違うと2.5倍違う。2.5×2.5×2.5を計算すると1等星は4等星の明るさの約16倍になる。
(2) 青白く見えるリゲルは約15000℃、赤く見えるベテルギウスは約3000℃
(3) 図より、等級の大きく赤く見える星Aは星Bより暗くて温度は低い。
(4) 等級は小さくなり色は赤くなることから、図の右上に移ってゆく。
「主系列星」「HR図」など難しい用語が出てくるが、問題そのものは星の明るさと温度に関する基本問題が中心。落ち着いて問題文を読んで持っている知識をしっかり使って解答して欲しい。
【大問5】物理分野 光の鏡による反射に関する出題
- 難度:やや難
- 時間配分:10分
(1) 光の入射角と反射角が等しいことを利用する問題。問題文に書かれてある通りに簡単な作図を行い解いてほしい。
(2) 角度Aのみを少し大きくした図と角度Bのみを少し大きくした図を実際に作図して確認する。
(3) 同様に作図をして欲しい。この際にも入射角と反射角が等しいことを利用すること。
(1)~(3)いずれの問いも、こうなるであろうという推測で解くのではなく、しっかりと図を描いて確認できるかどうかがポイント。
光に関する問題は、日頃から作図をして解答する、という習慣を身につけておきたい。
【大問6】生物分野 植物の葉のつき方に関する出題
- 難度:やや難
- 時間配分:8分
(1)~(3)を解くにあたっては、問題文をよく読み、図1~図5をしっかり見ることが最大のポイント。「植物の葉のつき方」は多くの生徒がなじみのないテーマであろう。問題文や図から「葉のつき方」のルールを見抜くことができればいずれの問題も正答できるチャンスがある。
(1)1枚目と4枚目の葉が重なって見えるので、開度は360÷3で120度。
(2)1枚目と6枚目の葉が重なって見える。その間に葉はらせん状に2周しているので、720÷5で144度
(3)開度は135度になるので、135×4=540度より1周半の位置になる。
【大問7】化学分野 発熱と中和反応に関する問題
- 難度:難
- 時間配分:8分
・水に溶かした水酸化ナトリウムの重さと、発熱量は比例する。
・水に水酸化ナトリウムを溶かすとき、同じ発熱量であっても水の体積と上昇温度は反比例する。
・4gの水酸化ナトリウムと塩酸A100mLで中和する。
・中和する際の水酸化ナトリウムの重さ・塩酸Aの体積・発熱量は比例する。
・同じ発熱量であっても、中和する際の水酸化ナトリウム水溶液の体積と塩酸Aの体積の和は上昇温度と反比例する。
以上5点が問題文から読み取れる。(1)(2)(4)(5)はこれらを用いて計算する。
(3)は中和に必要な塩酸Bが塩酸Aの1/3であることから、BはAの3倍の濃さと言える。
(6)では固体の水酸化ナトリウムが溶ける際の発熱と中和による発熱の両方を考えなくてはいけないことに要注意。
攻略ポイント
ここ何年かの出題分野を見ても、生物・地学・物理・化学の4分野からまんべんなく出題されている。また、前年話題になった科学的内容の時事問題が出題されることも大きな特徴である。
まずは各分野の基本を夏休みあたりまでを目途にしっかりと固めて欲しい。東邦大東邦中の理科の出題では、基本の丸暗記だけでは正解できない問題も多く含まれている。秋以降は、長めの文章や実験・観察のデータを見ながら解く問題の練習や計算問題、作図を必要とする問題の練習も十分に行う必要があろう。化学・物理の計算では、ある程度レベルの高い問題の練習も行って欲しい。
時事問題対策としては、2016年に起こった地震・火山噴火・異常気象などは用チェック。2月に打ち上げられたX線天文衛星「ひとみ」にも注意しておきたい。
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