東邦大学付属東邦中学校 入試対策
2014年度「東邦大学付属東邦中学校の算数」
攻略のための学習方法
[3つのポイント]
本校の算数は典型的問題を中心に構成されており、標準レベルで扱いやすいものが多いのが特徴である。これは、例年の受験者平均が70点前後であることからも理解しやすい。
標準レベルであるからには、基礎をしっかりクリアーできれば必ず正解に至ることが可能になる。
「簡単過ぎず、難し過ぎず、しっかり受験勉強してきた人は絶対合格できますよ」、本校の問題からはそんなささやき声が聞こえてくる。
以下、学習目標として、
① 「差」に敏感であれ。
② 「比・逆比」の活用。
③ 「手」を動かす。
の3ポイントに集約できる。
[「差」に敏感であれ]
まず、①の「差」に敏感であれ。
わかりやすいのは等差数列。
となり同士の数の差がいつも一定。規則性の問題は特別に何度も練習しているので、比較的「差」には敏感である。
その他、和差算や消去算、過不足算など典型問題の多くは差に注目することから始まる。
中学受験において和と差、特に「差」。これが重要である。
「この差は何で起こるのか」、「この差はどこからくるのか」そんな風に問題をとらえることができれば、合格へのハードルはぐっと下がる。
「差」を意識して考える、東邦中攻略のための第1目標だ。
[「比・逆比」の活用]
②の「比・逆比」の活用である。
前述のように本校の算数はほぼ典型問題からなるので、受験算数の王道であり、テーマでもある比や逆比を積極的に活用するかしないかが、合否に直結するといっても過言ではない。
計算の簡略化はもとより、扱いやすく、スピードアップにもなる。
短いテスト時間内に、問題をときには抽象化し、ときには具体化して確実に正確に答えに至ることを可能にする、そんなスーパー兵器こそが比や逆比である。
そんな便利な比や逆比を、いきなり試験場で上手に使いこなすことは困難であろう。
普段から、積極的に使い込むことが大切である。
特に、逆比に関しては、反比例を十分理解した上で練習すること。
逆比が使いこなせれば、速さや割合の問題はもう怖くない。
典型問題制覇のためにも「比・逆比」の活用が第2目標だ。
[「手」を動かす]
③「手」を動かす。
途中式は必要ない、記述力はいらない、確かに本校の解答は数値のみを記入すればよいものである。
典型問題中心で答えやすいものが多いのは事実だが、どうしても手を動かす必要のある問題も中には存在する。設定が複雑な問題、規則性や場合の数などは、手を動かし、条件を整理して初めて解答につながるこができる。
これは、頭の中の考えや情報を、実際に紙上に具現化することで脳と目の共同作業が可能になり、問題の本質を発見しやすくなったからである。
日ごろからめんどうくさがらずに、手も参加させて考える。これが第3目標だ。
以上、3つのポイントをいつも意識しながら勉強をすれば、必ずや東邦中の合格を勝ち取ることができると確信する。
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2014年度「東邦大学付属東邦中学校の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
昨年の算数は大問7題、設問総数18問。例年、本校の受験者平均点は70点弱であるが、昨年は51.5点であり、一昨年の65.2点からも大幅なダウンとなった。
受験層の大幅な変化はなく、2年連続で問題が難化したのは明らかである。
また、本校の試験時間は45分であり、若干スピード感を持って臨む必要がある。
ただし、解答は答えの数値のみを書かせるものであり、途中式や考え方などに注意を払う必要は無い。
【大問Ⅰ】計算問題
- 時間配分:4分
小数・分数を含む四則計算の基本問題。
ほぼ毎年、⑴のように分配法則を用いる問題があるので、十分に練習しておくと安心だろう。(各5点×5)
【大問Ⅱ】小問集合
- 時間配分:5分
⑴は、数の性質からで、あまりの数がすべて異なるパターン。4と5と7の公倍数より2小さい数とわかれば大丈夫。
⑵は、集合算。セオリー通り線分図やベン図に整理してから解くこと。
⑶は、平面図形の求積問題。円の半径がわからない中、いかにして面積を求めるのか。長さの比と面積の比の関係を考える受験算数らしい一題。(各5点×3)
【大問Ⅲ】平面図形
- 時間配分:4分
⑴は半円の半径を答え、⑵は2つの三角形の面積比を答えるもの。
三角形ABCと三角形アと三角形イがいずれも相似形であることから、簡単に解答を得ることが可能。
時間もかからず、計算も簡単なこの問題は、確実に得点したい。(各5点×2)
【大問Ⅳ】点の移動
- 時間配分:6分
⑴は、点Pと点Qの速さ比が1:2であるから、辺ABの長さはすぐに求められる。
⑵は、長方形の面積が半分になる時間を求めるもの。三角形PBCと三角形QCDの毎秒の面積の増加を考える。ただ、点Qが3秒遅れて出発したことに注意。(各6点×2)
【大問Ⅴ】規則性
- 時間配分:8分
偶数の群数列問題である。
⑴は、偶数を1個、2個、3個、1個、2個、3個、…の繰り返しで48番目のグループの数の和を問うもの。
⑵は、2014が何番目のグループに含まれるかを求めるもの。
⑶は、グループに含まれる数の和が282になるグループの番号を答えるもの。
⑶は含まれる数が1つ、2つ、3つの3通りに場合分けして考える必要があり、やや難度の高い問題である。いずれにせよ、等差数列なり等差数列の和なりに、いかにして帰着して考えるかがポイント。
⑴ ~⑶とも手を動かすなどして、考えること。(各6点×3)
【大問Ⅵ】場合の数
- 時間配分:8分
正五角形の頂点上を、さいころの出た目の数だけ進む問題。ただし、偶数と奇数では進む方向が逆になることが、この問題を難しいものにしている。
⑴はさいころを2回ふったとき、⑵は3回ふったときの目の出方を問うもの。
特に、⑵はていねいな場合分けが必要となるので、テスト時間・配点から考えても、パスして先に解き進めることの方がベターである。(各6点×2)
【大問Ⅶ】ニュートン算
- 時間配分:
1本の給水口と、3本の排水口からなるニュートン算。条件設定をしっかり読むことが大切。
⑴は、条件①と条件②の変化量が等しいことに注目。
⑴ができれば⑵はお約束通りのニュートン算。
⑶は、つるかめ算を使って、排水時間を求めるもの。
⑵⑶とも分数の答えになるので、計算力には自信が必要。(各6点×3)
攻略ポイント
45分の試験時間の中で、70点を目標に解き進むことが必要となる。
前半の【大問1】から【大問3】までは、設問もわかりやすく処理しやすい問題なので、ここでの失点はできるだけ避けたい。
後半の【大問4】から【大問7】は、前半に比べてやや読解力を要するものや、条件を整理して考えるものも含まれるので、自分にとって組み易い問題から解くもの一つの方法である。
時間配分を考慮したうえで、取れる問題は確実にゲットし、いわゆる捨て問の類はバッサリと捨てる、そんな戦略をもって後半戦に臨めば70点は可能である。
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