東邦大学付属東邦中学校 入試対策
2018年度「東邦大学付属東邦中学校の算数」
攻略のための学習方法
はじめに
本校の入試問題は、多くの受験生にとって見慣れないような問題はあまりない。難易度についても、標準的な問題が中心であり、考えにくい問題は少ない。したがって、標準的な問題に対応できれば、本校の入試問題を解くことができる。
しかし、標準的な問題を解けるようになったつもりで本校の過去問に取り組んでみると、意外と点数が伸びないこともある。
考えられる原因の一つは、試験時間の不足だろう。本校の試験時間は45分とやや短いのだが、手間のかかる問題なども見られる。このため、時間配分を間違えたり、解くべき問題の取捨選択の判断を誤ったりすると、点数は伸びなくなる。
そこで、短時間で解けるように練習していく必要が生じてくる。しかし、短時間で解くことと慌てて解くことは根本的に異なる。本校の試験時間はたしかに短めではあるが、過度にスピードを要求しているわけではない。本校の問題をよく分析すると、解法の選択を誤ると、時間がかなりかかるような問題が少なからず見られる。また、問題の出題意図を理解できると、解きやすくなる問題もある。したがって、慌てて解くのではなく、無駄のない解法を選択できる能力を身につけることを重視したい。
具体的な学習法
基本事項については、各分野とも理解できていることを前提に、具体的な学習法について述べていくことにする。
標準~やや難レベルの問題を中心に取り組んでいくことになるが、単に問題を解くだけでなく、様々な解法で解いてみるとよい。複数の解法で解くことによって、テストで無駄の少ない解法を選択できるようになってくる。
また、問題を解き終えてから、自分の解法をもう一度ふりかえることも大切である。改めてふりかえることによって、問題の本質の部分が見えてくる。こういう経験を積んでいくと、問題文を読んでから、解く方針を立てるまでの時間を短縮できるようになってくる。なかなか大変なことではあるが、ぜひとも実践してみていただきたい。
一方で、本校の問題では序盤に計算と一行問題が出題されている。計算では、素早く正確な処理能力と工夫する力が必要である。一行問題では、なるべく楽に求める能力が必要である。各塾などで配布される計算問題・一行問題には毎日コツコツ取り組むようにしたい。
過去問演習について
当たり前のことではあるが、過去問にはしっかり取り組んでおきたい。本校の問題は、標準的な問題の中に、手間のかかる問題や考えにくい問題が一部混ざっていることが多い。そして、問題の配列が難易度順になっておらず、正解を求めにくい問題が中盤に出題されることが少なくない。問題を取捨選択する練習を重ねるためにも、過去問演習は多めに行っておきたい。
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2018年度「東邦大学付属東邦中学校の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
昨年度の問題よりも難化している。考えにくい問題がやや多く、問題が難易度順になっていないこともあり、例年と比較しても平均点は低めであった。
今年度の問題を45分で解ききるのは、なかなか厳しい。解きやすい問題を選ぶとともに、解けるはずの問題を確実に正解することが重要である。
【大問1】計算問題
- 難度:易
- 時間配分:2分
(1)は通常の計算問題。
(2)は工夫すると楽になる計算問題。
【大問2】一行問題
- 難度:標準
- 時間配分:9分
いずれも典型的な問題である。短時間で完答したいところ。
(1)は、3を複数回かけたときの一の位を求める問題。
(2)は四捨五入に関する問題。
(3)は場合の数。5本の棒から3本を選んで三角形を作るおなじみの問題である。
(4)は通過算。鉄橋を渡る時間とトンネル内にかくれている時間から列車の長さを求める。
(5)は平均の問題。よく見かけるタイプの問題である。
【大問3】時計算
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
時計算の問題だが、時計の針の動き方は通常と異なる設定になっている。時計算の原理がわかっていれば問題なく対応できるだろう。少なくとも(2)までは正解したい。
(1)(2)は長針と短針の動いた角度の和を考えればよい。
(3)では、長針と短針の位置が、6の方向を軸に対称になる状況を考えることになる。長針と短針の動いた角度の比を考えるとよい。(3)のタイプを苦手とする受験生は少なくないだろう。
【大問4】食塩水
- 難度:やや難
- 時間配分:9分
問題文でAの食塩水が1番濃いと書いてあるが、その情報を使うことなく、答えを求められる。
(1)について。A100g、C200gを混ぜた食塩水とB150g、C50gを混ぜた食塩水に注目すればよい。
(2)は、方針が立てにくく感じた受験生が多かったのではないだろうか。上手く解こうとするより、3種類の消去算で(多少強引に)解いてしまった方がよいだろう。
【大問5】平面図形
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
図形の周りを円が転がる問題。
(1)(2)ともに、解法を迷うような問題ではない。つまらないミスをしないように落ち着いて取り組みたい。
【大問6】植木算・数の性質
- 難度:標準
- 時間配分:5分
電柱と標識が一定の間隔で立っている問題だが、電柱の1本目と標識の1本目の位置がずれている。
(1)は、電柱の1本目と標識の1本目が同じ位置にある場合と同様に考えることができる。
(2)は、電柱と標識が同じ位置になる場所を考える問題。手を動かして調べることになるが、1本目の位置から調べると、答えがなかなか見つからず苦労する。
【大問7】立体図形
- 難度:標準
- 時間配分:6分
立体の頂点の数と体積を求める問題。展開図しか与えられていないので、組み立てたときの図(見取り図)を考える必要がある。
(1)は見取り図を書いて、頂点を数えればよい。
(2)について。2回切断をした図とはいえ、よく見かける形なので、類題を経験している受験生は少なくないだろう。
攻略ポイント
【大問1】~【大問3】について
【大問1】【大問2】は難しくないので、しっかり得点を稼ぐ必要がある。ここでのミスを、中盤以降の問題で挽回するのは容易ではない。
【大問3】は(1)(2)を得点することが非常に重要。(3)は正解できなくてもそれほど気にする必要はないが、得意な受験生は正解しておきたいところ。
【大問4】~【大問7】について
各大問の(1)は比較的解きやすい。(2)で比較的解きやすいのは【大問5】であろう。まずは、これらの問題が手つかずにならないように注意したい。特に【大問4】(2)は考えにくい問題なので、ここでの時間の浪費は避けたいところ。
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