東邦大学付属東邦中学校 入試対策
2023年度「東邦大学付属東邦中学校の算数」
攻略のための学習方法
はじめに
本校の入試問題は、標準的な問題とやや複雑な問題が出題される。合格に必要な点数を取るためには、標準的な問題をきちんと正解できれば十分である。ただし、算数で得点を稼ぐには、やや難しめの問題にもある程度対応できるようにする必要がある。
標準的な問題をしっかり得点していくつもりで、本校の過去問に取り組んでみると、意外と点数が伸びないこともある。
考えられる原因の一つは、試験時間の不足だろう。本校の試験時間は45分とやや短いのだが、手間のかかる問題なども見られる。このため、時間配分を間違えたり、解くべき問題の取捨選択の判断を誤ったりすると、点数は伸びなくなる。
そこで、短時間で解けるように練習していく必要が生じてくる。しかし、短時間で解くことと慌てて解くことは根本的に異なる。本校の試験時間はたしかに短めではあるが、過度にスピードを要求しているわけではない。本校の問題をよく分析すると、解法の選択を誤ると、時間がかなりかかるような問題が少なからず見られる。また、問題の出題意図を理解できると、解きやすくなる問題もある。したがって、慌てて解くのではなく、無駄のない解法を選択できる能力を身につけることを重視したい。
具体的な学習法
基本事項については、各分野とも理解できていることを前提に、具体的な学習法について述べていくことにする。標準~やや難レベルの問題を中心に取り組んでいくことになるが、単に問題を解くだけでなく、様々な解法で解いてみるとよい。複数の解法で解くことによって、テストで無駄の少ない解法を選択できるようになってくる。また、問題を解き終えてから、自分の解法をもう一度ふりかえることも大切である。改めてふりかえることによって、問題の本質の部分が見えてくる。こういう経験を積んでいくと、問題文を読んでから、解く方針を立てるまでの時間を短縮できるようになってくる。なかなか大変なことではあるが、ぜひとも実践してみていただきたい。
一方で、本校の問題では序盤に計算と一行問題が出題されている。計算では、素早く正確な処理能力と工夫する力が必要である。一行問題では、なるべく楽に求める能力が必要である。各塾などで配布される計算問題・一行問題には毎日コツコツ取り組むようにしたい。
過去問演習について
当たり前のことではあるが、過去問にはしっかり取り組んでおきたい。本校の問題は、標準的な問題の中に、手間のかかる問題や考えにくい問題が一部混ざっていることが多い。そして、問題の配列が難易度順になっておらず、正解を求めにくい問題が中盤に出題されることが少なくない。問題を取捨選択する練習を重ねるためにも、過去問演習は多めに行っておきたい。
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2023年度「東邦大学付属東邦中学校の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
本校の試験問題にしては易しかったといえる。試験時間にもゆとりがあるので、高得点が狙いやすい。このため、受験者平均点は71.8点まで上昇している。高得点での争いなので、1つのミスが致命傷になる可能性もあるだろう。見直しは十分に行いたい。
【大問1】計算問題
- 難度:易
- 時間配分:5分
- ★必答問題
計算問題が3問。やや面倒な問題もあるが、確実に正解しておく必要がある。
【大問2】小問集合
- 難度:易・標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
(1)は和と差についての問題。鉛筆とボールペンのどちらが多いかについては書いていないが、両方の場合について調べてみると、片方の場合は本数が整数にならない設定になっている。
(2)は比の問題。易しい問題である。
(3)は牧草の草をヤギが食べ続ける問題。ニュートン算のように思えるが、草が生えてこないので、仕事算の問題である。
(4)は平面図形。典型的な等積移動の問題である。
(5)も平面図形。こちらは相似の問題。定石通りに補助線を引くことで解決する。
【大問3】食塩水
- 難度:標準
- 時間配分:5分
(1)について。食塩水Aと食塩水Bの濃さがどちらも10%なので、食塩水Aに加えた水と食塩40gを混ぜた場合の濃さも10%である。ここに気づくことがポイントである。
(2)は、はじめの食塩水の濃さを求める問題。(1)が正解できていれば、(2)は難しくないはず。
【大問4】速さ
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
池の周りを3人が回る問題。ありがちな問題設定である。
(1)はCさんの歩く速さを求める問題。ほとんどの受験生が、類題を十分経験していることだろう。特に悩むことなく解き進められるはず。
(2)では、池の周りの長さを求める。直ちに答えを求めることができる。
(3)は、追い抜きとすれ違いについての問題。3人の速さの和と差に注目すればよい。
【大問5】平面図形
- 難度:標準
- 時間配分:5分
(1)は台形の辺の長さを求める問題。基本の確認レベルである。
(2)では、BPとDFの長さの比からBPの長さを求める。三角形CEFと三角形CBPが相似であることに注目すればよい。
(3)では、三角形DPCの面積からBPの長さを求める。まずはDFの長さを求めるとよい。
【大問6】立体図形
- 難度:標準
- 時間配分:5分
小さい立方体を27個重ねてできた大きな立方体を切断する問題。
(1)は大きな立方体の切り口を答える問題。この問題は易しい。
(2)では、切断されない立方体の個数を答える。切り口の平面がどの部分を通るのか、きちんと検証する必要がある。なお、切断される個数ではなく、切断されない方の個数を問われていることにも注意したい。
攻略のポイント
【大問1】の計算は、やや手間のかかる問題もあるが、全問正解が必須。見直しもしっかり行っておく必要があるだろう。
【大問2】も全問正解したいところ。
【大問3】は、算数が苦手な受験生にとっては、解きにくく感じるかもしれない。正解できない場合は他の問題で挽回を。
【大問4】は、【大問3】以降で最も落とせない問題。序盤でミスからの大量失点だけは絶対に避けること。見直しの優先順位も高い。
終盤の【大問5】【大問6】だが、例年よりかなり易しいので、積極的に取り組みたい。
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