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東邦大学付属東邦中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2024年度「東邦大学付属東邦中学校の算数(帰国生入試)」
攻略のための学習方法

まずは、本校における帰国生入試と1月以降の入試との比較から説明していくことにする。

試験時間はどちらも45分であるが、問題の難易度は異なる。1月以降の入試では、やや高度の問題も出題されているが、帰国生入試は、高度な問題はあまり出題されていない。ただし、小問集合については、どちらの入試も難易度にそれほどの差は見られない

また、要求されるスピードについては、帰国生入試の方がやや試験時間にゆとりがある。

以上のことから、本校の帰国生入試では、分野を問わず、オーソドックスな問題にきちんと対応できるかが問われていることがわかる。「高度な応用力まではあまり要求しないが、中学受験をするうえで学ぶ標準的な内容は身につけておいてほしい」という学校からのメッセージが込められているように感じられる。

塾などで使っているテキストの標準的な問題にきちんと取り組み、定着させることができれば、本校の帰国生入試に十分対応することができるだろう。頻出分野は存在するが、入試問題の特性を考えると、特定分野の学習に偏り過ぎないようにしたい。ただし、苦手分野がある場合は、その分野の強化をしっかり行う必要はある

また、帰国生入試は試験日が12月の初めと早いことにも注意しなければならない。12月初めということは、冬期講習が始まる前ということになる。各分野の最終確認は冬期講習以降で行うことが多いが、その機会を待つことができない。したがって、6年生の学習スケジュールは通常より早く進めておくか、定着度を高めておく必要がある。学習スケジュールなどに不安を感じた場合は、早めに信頼できる指導者にアドバイスをもらうことが重要である

つづいて、過去問演習について説明する。本校の帰国生入試の過去問は、一般的な過去問題集に数年分掲載されているので、しっかり取り組むことができる。計画的に取り組めるようにスケジュールを考えておきたい。なお、平均点などについては、学校の公式ページで確認できるようになっている。

さて、1月以降の本校の入試を受験しないのであれば、1月以降の過去問まで手を広げる必要はないと考えてよい。もちろん、余力があれば1月以降の入試に取り組んでもよいが、終盤の大問は難易度にかなり差が見られる。また、帰国生入試、前期入試それぞれの分析において、時間配分の目安を設定しているが、帰国生入試の時間配分の方が時間を長めに設定していることにもご注意しよう

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2024年度「東邦大学付属東邦中学校の算数(帰国生入試)」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

計算問題→小問集合→大問形式という一般的な問題構成になっている。今年度の受験者平均点は、52.5点であった。帰国生入試の平均としては、やや高めといったところ。試験時間は45分である。特にスピードは要求されてないので、慌てて解く必要はないだろう。

【大問1】計算問題

  • 難度:
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

計算問題が3問。やや式が長いが完答する必要がある。

(1)は、前半部分が等差数列になっている。

(2)(3)は素直に計算すればよい。

【大問2】小問集合

  • 難度:標準
  • 時間配分:11分
  • ★必答問題

(1)は曜日に関する問題。12月において、月曜日と金曜日が、ちょうど4回ずつある場合を考える。第一月曜日と第一金曜日のどちらが先であるのか、自分で考える必要がある。

(2)は消去算を利用する問題。問題文に書いてある内容を式で表してみると、自然と消去算を利用する流れになるだろう。

(3)は既約分数の和を求める問題。定石通りに解けばよい。

(4)は速さの問題。グラフなどの図に表してみると考えやすい。3人の歩いた道のりの比に注目することがポイント。

【大問3】約束記号

  • 難度:
  • 時間配分:3分
  • ★必答問題

(1)は素直に計算するのみ。

(2)も、それほど労力はかからないので素直に計算してしまってよいだろう。

なお、(3*5)、(9*15)、(1/3*1/5)を計算するとすべて同じになる理由は、以下の①②が成り立つからである。

A:B=C:DのときA*B=C*D
A*B=B*A

【大問4】平面図形

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分

相似比・面積比に関する問題である。

(1)ではBG:GEを求める。補助線を引いて、相似な図形を作る典型的な問題。

(2)は、三角形AFDの面積を求める問題。三角形ABEと三角形AFDの面積比を考える方法が手っ取り早い。

(3)ではAG:GFを求める。(1)で引いた補助線を手がかりに、相似な三角形を2組見つけて、連比で考える方法がよいだろう。

【大問5】売買算

  • 難度:
  • 時間配分:7分
  • ★必答問題

品物A,B,Cを売る問題。初めに、Aの仕入れ値を②円とおいて、A,B,Cの仕入れ値と定価を、〇を使って表しておくとよい。3問あるが、いずれも基本的な問題である。

(1)はAの仕入れ値が300円の場合の、3つの品物の定価の合計を求める。

(2)では、売り上げの合計が仕入れ値の合計の何倍かを求める。

(3)では、損失が発生しないようにする場合、定価の何%まで割引できるかを求める。

【大問6】立体図形

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分

回転体の体積についての問題。

(1)ではADの長さを求める。この問題は平面図形の基本問題。

(2)では、三角形を回転させてできる立体の体積を求める。できる立体は、円すいを2つ(底面積は同じ)組み合わせた立体である。体積を計算する場合は、高さを別々に求める必要はなく、ひとまとめにして考えてよい

(3)も三角形を回転させてできる立体の体積を求める問題。ただし、回転軸の位置が(2)とは異なる。なるべく楽に計算するように心がけたい。

攻略のポイント

今年度も、全教科合計の受験者平均点と合格最低点が近かった。算数は65点を目標にしたいところ。

全体を通してみると、オーソドックスな問題にきちんと対応できる力が問われている。日々の学習で学んだ通りの解法で解いていけばよい

【大問1】の計算は、やはり落とせない。

【大問2】の小問集合と【大問3】以降の大問を比べると、問題の難易度差は小さい。「小問集合は易しくて、大問形式の問題は難しい」といった先入観は持たない方がよいだろう。

特定の問題に時間を使いすぎないように注意して、まずは最後の問題までたどり着くように取り組むとよい

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