東邦大学付属東邦中学校 入試対策
2024年度「東邦大学付属東邦中学校の社会」
攻略のための学習方法
地理分野
日本地図・北海道・関東地方と長野県・さまざまな河川についてなど、テーマを設けてその中でさまざまな内容を問われる。地図やグラフ、図版なども多く用いられ、統計資料をもとにした質問も多い。
過去には歴史的行政区分・地形グラフ・人口増加率・模式図・農産物・気温・霧日数・降雪日数の月別平均値・全国に占める人口割合・人口密度・外国人人口・第2次産業就業者数などなど……多彩な地図・グラフ・統計資料で問題が作られている。
過去の問題では、緯度・経度で範囲を区切って面積を比べたり、2地点間の距離を比べたりといった設問もあった。
日本の各県や重要地点の位置などがよく頭に入っていないと厳しい。他分野と比べて、地理分野は難易度が高い傾向にある。
まずは日本の地名・地勢・気候や産業の特色など、基本事項をしっかり頭に入れることだが、地名を答えれば済むような単純な問題は出ない。いくつかの事項を組み合わせて問題が作られており、それぞれについての統計や関連事項も合わせて考えて正解を選ぶ必要がある。
地図もよく使われるので、日本地図や白地図も活用し、覚えた知識を地図上で結びつけておく。資料集で最新の数値も合わせて関連付けておこう。
テキスト・地図・資料集を総合的にまとめて、どの角度から質問されても答えを引き出せるように準備しておきたい。
歴史分野
干支や人口、国宝の建造物など、ある資料・テーマに沿って、各時代から幅広い内容の問題が出されている。この分野も、人名・事件名や年号を単純に答える問題にはなっていない。
特徴的なのは、正誤の組み合わせを選択肢で選ぶ形式が多いことである。訊かれている内容は歴史の基本的事項が多いのだが、選択肢一つ一つについて細部まで正しいか間違っているかを判断していかなければならないので、結果として相当な知識量が必要とされ難易度が高くなってしまう。正確な知識とともに集中力の持続も必要で時間もかかる。
地理分野と同様に、用語や年代を単純に暗記しただけでは正解を選べない。事件の背景や関連事項まで含めた細かい知識の統合が必要である。時代の前後が判断の決め手になる問題も多いので、年表などで流れを正確に覚えておくことも重要である。
政治経済分野
歴史分野と同じく正誤の組み合わせ選択問題が多いが、他の2分野と比べて難易度は低めである。政治の仕組みや憲法など、政治経済分野の重要事項をしっかり学習してあれば対応できるだろう。得点源にできる部分なので怠りなく勉強しておく。
問題量について
記号選択問題ばかりの試験ではあるが、前述のように特に地理分野では難問も目立つ。さらに、リード文・問題文・選択肢部分と使われている資料などを合わせると相当な分量の試験問題となる。計25問なので1問2分弱で答えていけばよい計算だが、考えるのにそれ以上に時間がかかる問題がある。
できる問題を速やかにこなすスピードと時間配分の工夫が必要である。
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2024年度「東邦大学付属東邦中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
適語記入が2問で残り23問はすべて記号選択問題であるが、正誤の組み合わせを選ぶものが多い。すべての選択肢を細かく吟味しなければならないので手間がかかる。さらに、リード文や問題文、資料など全て合わせると相当な分量の試験となり、スピードが要求される。
1問に2分弱使える計算だが、資料やリード文の量が多いので、特に読むスピードはつけておきたい。
【大問1】地理分野
- 難度:やや難
- 時間配分:15分
- ★必答問題
各地の路面電車を話題に、気候・地形や産業について訊かれている。
問1 図中で東に位置するのは北海道の札幌市と函館市(A・B)。次に東に位置するCが栃木県宇都宮市である。
問2 経度15度につき1時間の時差となるので11.5度なら約46分の時差となる。A地点の方が日の出・日の入りが早いので、もっとも近いのは選択肢カとなる。
問3 それぞれが県の中心都市であり情報通信事業所が多く集まると考えられるのでaが
情報通信事業所数。また人口が多いため小売業も多く集まるはずであるからbが小売事業所数。郊外に多いと考えられる第1次産業従業者数がcとなる。
問4 道後温泉駅が写っているので、愛媛県松山市である。
問5 (1) (あ)で冬に湿度が高くなっているのは降雪の影響と考えられるので富山市。(い)は年間を通じて湿度が高いので宮古島、(う)が内陸にある熊谷市である。
(2) aは西側に平野がみられ、すぐ山岳地帯になっていることから富山平野・飛騨山脈と考えられるので、 あ 。cの東側に広い平野がみられるのは関東平野と考えられるので、 い 。残るb が、 う に入る。
(3) a. 「郊外へと働きに行く人が多く」は誤り。
問6 ア. 図中に有名な観光地や空港は見られない。
【大問2】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:15分
- ★必答問題
橘を話題に、各時代の出来事や人物について訊かれている。
問1 エ. 今川義元が織田信長に敗れたのは桶狭間の戦いである。
問2 台湾の日本植民地時代は1895~1945年。ノルマントン号事件(1886年)は時期が合わず、ソ連が破ったのは日ソ共同宣言ではない点で誤りがある。
問3 b(805年)→c(9世紀後半)→a(1205年)
問4 b. 平清盛は将軍になっていない。
c. 源義朝ではなく源義家。
e. 高句麗が滅んだのは飛鳥時代。
f. 高麗が元に服属したのは鎌倉時代。
問5 a. 花の御所を設けたのは京都の室町。
d. 山城国一揆は徳政令を求めた一揆ではない。
問6 a. 老中の下に町奉行・勘定奉行が置かれ、寺社奉行は将軍直属であった。
b. 遠い地に配属されたのは外様大名である。
問7 イ・能楽(室町時代)→エ・唐獅子屏風図(安土桃山時代)→オ・見返り美人図(江戸時代前期)→カ・富嶽三十六景(江戸時代後半)→ア・学問のすゝめ(明治時代初め)→ウ・青鞜(明治時代末)
問8 X. 南満州鉄道爆破事件(柳条湖事件)
Y. 農村への「買い出し列車」
Z. 郵政民営化は小泉純一郎政権のとき。
【大問3】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:15分
マンガ『はだしのゲン』を題材に、憲法や政治のしくみについて訊かれている。
問1 広島に原爆が投下されたのは8月6日。天皇による玉音放送が8月15日。
問2 (1) イ. 1942年、食糧管理法が制定され、米など一部の主要作物で政府による管理・配給が行われた。
(2) ア. 民主党政権の一時期を除いて、自民党と公明党の連立政権が続いている。
イ. 公明党との連立政権である。
エ. インターネットによる選挙活動は認められている。
問3 (1) この条約の理念は、子どもの権利は生まれながらのもので、義務や責任を果たして与えられるものではないとの考えに基づいている。
(2) こども家庭庁
問4 G7に属しているのはカナダ・ドイツ・イギリス・アメリカ。TPPにはイギリス・が後から加盟している(a)。APECにはカナダ・アメリカが含まれるがアメリカはTPPから抜けているので、bがカナダでcがアメリカ、dがドイツとなる。
問5 精神の自由について訊かれている問題である。cの居住・移転・職業選択は経済の自由、dは身体の自由について述べている。
問6 エ. これまでそのような判決は出されていない。
問7 イ. 日本国憲法前文の一部である。
攻略のポイント
ほとんどが記号選択式の問題というシンプルな問題構成だが、組み合わせ問題が多いので問題数以上の知識を要求され、けっして易しい試験ではない。特に地理分野はポイントを絞った詳しい知識を問われる問題が多く、他ではあまり見ない種類の出題もあり、難しい。地理分野は重点的に実力アップを図りたい。他方、歴史分野と政治経済分野は基本事項がしっかり頭に入っていれば得点源にできる。
100点満点で6割5分~7割の受験者平均点なので、皆ができるところではミスをしないよう、着実な実力をつけよう。
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