東邦大学付属東邦中学校 入試対策
2018年度「東邦大学付属東邦中学校の社会」
攻略のための学習方法
地理分野
日本地図・北海道・関東地方と長野県・さまざまな河川についてなど、テーマを設けてその中でさまざまな内容を問われる。地図やグラフ、図版なども多く用いられ、統計資料をもとにした質問も多い。
過去には歴史的行政区分・地形グラフ・人口増加率・模式図・農産物・気温・霧日数・降雪日数の月別平均値・全国に占める人口割合・人口密度・外国人人口・第2次産業就業者数などなど……多彩な地図・グラフ・統計資料で問題が作られている。
過去の問題では、緯度・経度で範囲を区切って面積を比べたり、2地点間の距離を比べたりといった設問もあった。
日本の各県や重要地点の位置などがよく頭に入っていないと厳しい。他分野と比べて、地理分野は難易度が高い傾向にある。
まずは日本の地名・地勢・気候や産業の特色など、基本事項をしっかり頭に入れることだが、地名を答えれば済むような単純な問題は出ない。いくつかの事項を組み合わせて問題が作られており、それぞれについての統計や関連事項も合わせて考えて正解を選ぶ必要がある。
地図もよく使われるので、日本地図や白地図も活用し、覚えた知識を地図上で結びつけておく。資料集で最新の数値も合わせて関連付けておこう。
テキスト・地図・資料集を総合的にまとめて、どの角度から質問されても答えを引き出せるように準備しておきたい。
歴史分野
干支や人口、国宝の建造物など、ある資料・テーマに沿って、各時代から幅広い内容の問題が出されている。この分野も、人名・事件名や年号を単純に答える問題にはなっていない。
特徴的なのは、正誤の組み合わせを選択肢で選ぶ形式が多いことである。訊かれている内容は歴史の基本的事項が多いのだが、選択肢一つ一つについて細部まで正しいか間違っているかを判断していかなければならないので、結果として相当な知識量が必要とされ難易度が高くなってしまう。正確な知識とともに集中力の持続も必要で時間もかかる。
地理分野と同様に、用語や年代を単純に暗記しただけでは正解を選べない。事件の背景や関連事項まで含めた細かい知識の統合が必要である。時代の前後が判断の決め手になる問題も多いので、年表などで流れを正確に覚えておくことも重要である。
政治経済分野
歴史分野と同じく正誤の組み合わせ選択問題が多いが、他の2分野と比べて難易度は低めである。政治の仕組みや憲法など、政治経済分野の重要事項をしっかり学習してあれば対応できるだろう。得点源にできる部分なので怠りなく勉強しておく。
問題量について
記号選択問題ばかりの試験ではあるが、前述のように特に地理分野では難問も目立つ。さらに、リード文・問題文・選択肢部分と使われている資料などを合わせると相当な分量の試験問題となる。計25問なので1問2分弱で答えていけばよい計算だが、考えるのにそれ以上に時間がかかる問題がある。
できる問題を速やかにこなすスピードと時間配分の工夫が必要である。
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2018年度「東邦大学付属東邦中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
2問だけ適語記入で残り23問はすべて記号選択問題であるが、正誤の組み合わせを選ぶものが多い。すべての選択肢を細かく吟味しなければならないので手間がかかる。
さらに、リード文や問題文、資料など全て合わせると相当な分量の試験となり、スピードが要求される。1問に2分弱使える計算だが、資料やリード文の量が多いので、特に読むスピードはつけておきたい。
【大問1】地理分野
- 難度:やや難
- 時間配分:15分
- ★必答問題
地形・気候や産業などについて。
問一 図1の右側にある湖がヒントになる。イには霞ケ浦・北浦があるが形が違う。ウには諏訪湖があるが、こちらも湖の形や図1の左上にある山などを考えると当てはまらない。アなら羊蹄山・支笏湖があるので図1と符合する。
問三 輸入材が増えてきたのは国産材より価格が安いからである。また、生長が早く建築材として利用しやすい杉が大量に植林され、花粉症の増加の一因となっているのはよく知られるところである。よって、エが選べる。
問四 a.静岡県・中部地方、b.北海道、c.鹿児島県・九州地方、d.沖縄県で、沖縄県は九州地方に属するので、c・dが同じ地方になる。
問五 エは木曽三川に囲まれ、かつて洪水の被害が多かった輪中地帯(濃尾平野)の説明である。
問六 アは、自動車の生産が急激に増えて近年世界一になった中国。日本は高度成長期にアメリカを抜いて世界一になったが、貿易摩擦などを考慮して海外での現地生産を増やし、国内での製造は減っているのでイが当てはまる。
問七 ハザードマップは災害の起こりやすい地域とその規模を示したもので、発生時期を予測できるものではないのでエは間違い。
問八 店舗数が最も多い(い)がラーメン。うどん県という愛称でも知られる香川県を含む(あ)がうどん、(う)にはそばで有名な信州・長野県が含まれている。
【大問2】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:13分
- ★必答問題
宇宙開発を話題に、歴史上の人物や出来事について訊かれている。
問一 当時の日本は大陸と地続きで、打製石器を用いた狩りと移動の生活であった。
問二 唐の律令制度を参考にして、大宝律令(701年)が作られた。
問三 現在でも春分・秋分や夏至・冬至などは季節の区切りとして馴染みのあるものである。
問四 この歌は藤原道長が一族の繁栄を詠んだもの。清少納言や紫式部などの活躍も同時期である。菅原道真だけ時代が古い。
問六 「古事記伝」は儒教や仏教が伝わる以前の時代の日本人の考え方を研究した「国学」にあたる書である。
【大問3】政治経済分野
- 難度:やや難
- 時間配分:17分
手塚治虫のエッセイを題材にした問題。
問一 AIはArtificial(人工の) Intelligence(知能)の略。
問二 平等選挙は身分や財産に関わらず1人1票を有するという意味。
問四 主に科学技術の進歩がもたらす影響を論じているので、ウの国境に対する政策はあてはまらない。
問五 アは第二次世界大戦の勃発(1939年)・イは盧溝橋事件(1937年)・ウは太平洋戦争突入(1941年)・エは日独伊三国同盟(1940年)で三番目はエとなる。
問七 デモ行進は道路交通法などで規制される場合があるし、スピーチも人種差別的な発言など(ヘイトースピーチ)は禁じられている。
問八 A ア 成人年齢の引き下げはまだ決定されていない。
イ 「著しく減少」はしていないし、出生率も上向いていない。
ウ 世界人口は増え続けている。
攻略ポイント
ほとんどが記号選択式の問題というシンプルな問題構成だが、設問の内容やすべての問題を合わせた分量の多さなどを考えると、けっして易しい試験ではない。
特に地理分野はポイントを絞った詳しい知識を問われる問題が多く、他ではあまり見ない種類の出題もあり、難しい。地理分野は重点的に実力アップを図りたい。
他方、歴史分野と政治経済分野は基本事項がしっかり頭に入っていれば得点源にできる。
100点満点で6割5分~7割の受験者平均点なので、皆ができるところではミスをしないよう、着実な実力をつけよう。
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