東邦大学付属東邦中学校 入試対策
2020年度「東邦大学付属東邦中学校の社会」
攻略のための学習方法
地理分野
日本地図・北海道・関東地方と長野県・さまざまな河川についてなど、テーマを設けてその中でさまざまな内容を問われる。地図やグラフ、図版なども多く用いられ、統計資料をもとにした質問も多い。
過去には歴史的行政区分・地形グラフ・人口増加率・模式図・農産物・気温・霧日数・降雪日数の月別平均値・全国に占める人口割合・人口密度・外国人人口・第2次産業就業者数などなど……多彩な地図・グラフ・統計資料で問題が作られている。
過去の問題では、緯度・経度で範囲を区切って面積を比べたり、2地点間の距離を比べたりといった設問もあった。
日本の各県や重要地点の位置などがよく頭に入っていないと厳しい。他分野と比べて、地理分野は難易度が高い傾向にある。
まずは日本の地名・地勢・気候や産業の特色など、基本事項をしっかり頭に入れることだが、地名を答えれば済むような単純な問題は出ない。いくつかの事項を組み合わせて問題が作られており、それぞれについての統計や関連事項も合わせて考えて正解を選ぶ必要がある。
地図もよく使われるので、日本地図や白地図も活用し、覚えた知識を地図上で結びつけておく。資料集で最新の数値も合わせて関連付けておこう。
テキスト・地図・資料集を総合的にまとめて、どの角度から質問されても答えを引き出せるように準備しておきたい。
歴史分野
干支や人口、国宝の建造物など、ある資料・テーマに沿って、各時代から幅広い内容の問題が出されている。この分野も、人名・事件名や年号を単純に答える問題にはなっていない。
特徴的なのは、正誤の組み合わせを選択肢で選ぶ形式が多いことである。訊かれている内容は歴史の基本的事項が多いのだが、選択肢一つ一つについて細部まで正しいか間違っているかを判断していかなければならないので、結果として相当な知識量が必要とされ難易度が高くなってしまう。正確な知識とともに集中力の持続も必要で時間もかかる。
地理分野と同様に、用語や年代を単純に暗記しただけでは正解を選べない。事件の背景や関連事項まで含めた細かい知識の統合が必要である。時代の前後が判断の決め手になる問題も多いので、年表などで流れを正確に覚えておくことも重要である。
政治経済分野
歴史分野と同じく正誤の組み合わせ選択問題が多いが、他の2分野と比べて難易度は低めである。政治の仕組みや憲法など、政治経済分野の重要事項をしっかり学習してあれば対応できるだろう。得点源にできる部分なので怠りなく勉強しておく。
問題量について
記号選択問題ばかりの試験ではあるが、前述のように特に地理分野では難問も目立つ。さらに、リード文・問題文・選択肢部分と使われている資料などを合わせると相当な分量の試験問題となる。計25問なので1問2分弱で答えていけばよい計算だが、考えるのにそれ以上に時間がかかる問題がある。
できる問題を速やかにこなすスピードと時間配分の工夫が必要である。
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2020年度「東邦大学付属東邦中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
適語記入は1問だけで残り24問はすべて記号選択問題であるが、正誤の組み合わせを選ぶものが多い。すべての選択肢を細かく吟味しなければならないので手間がかかる。
さらに、リード文や問題文、資料など全て合わせると相当な分量の試験となり、スピードが要求される。
1問に2分弱使える計算だが、資料やリード文の量が多いので、特に読むスピードはつけておきたい。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:16分
- ★必答問題
日本の代表的な港の位置や特徴についての問題。
問1. 神戸ポートタワーや震災による被害の様子が見られるので、兵庫県・神戸港の②が選べる。①は五稜郭に近い函館港、③は横浜港、④は韓国に近い博多港、⑤は茶やミカン・オートバイなどから清水港と考えられる。
問2. A. 西から順に考えると、ウが博多港・エが神戸港・イが清水港・オが横浜港・アが函館港を示していることがわかる。
B. 縦線は緯線間の長さでどの位置でも距離は変わらないが、横線は経線間の長さなので赤道付近では長く極地方に近づくにつれ短くなり、極点では0になってしまう。よって縦線3マス分のキがもっとも長い距離を示している。
問3. ももの生産が多いアが福島県。農産物から考えて、イが沖縄県・ウが北海道・オが千葉県・エが神奈川県となる。
問4. 輸出が多い(い)が輸送用機械、輸入が多い(あ)がせんい製品と考えられる。
問5. 旅客・貨物とも1位のアが自動車、貨物2位のエが船舶、旅客2位のイが鉄道、残りが航空となる。
問6. 標高が高く冬の気温も低い(う)が中央高地気候の甲府市、冬の降水(雪)量の多さから(い)が日本海側の鳥取市、(あ)が岐阜市となる。
【大問2】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:16分
- ★必答問題
各時代の政治や経済の特徴についての問題。
問1. A. 周囲をめぐる塀のような構造や物見やぐららしき建物がみられることから、弥生時代の環濠集落と推測される。
B. 吉野ヶ里遺跡の説明であるXには土地や水利を求めて争いがあったこと、三内丸山遺跡の説明であるYにはヒスイや黒曜石の交易が行われていたことを当てはめればよい。
問3. A. 公文所は政治や財政を担当する機関でのちに政所となった。Yには裁判所にあたる問注所が入る。
B. ウの干鰯や油かすが使われるようになったのは江戸時代のことである。
問4. ウは享保の大ききん(1732~33年)の頃なので時期が合わない。
問5. Zは「日本資本主義の父」とも称される渋沢栄一のこと。
問6. アは初の本格的な政党内閣の説明で1918年の出来事。
【大問3】政治経済分野
- 難度:やや難
- 時間配分:13分
国際関係や天皇制などについて訊かれている。
問1. (い)は原爆を使用した国と考えられるのでアメリカ、(あ)は東京オリンピックの開催と原爆の被害を受けた側という文脈で考えて日本が入る。
問2. ウは日本が独立を回復したとあるので1952年。イは第四次中東戦争の前年で1972年。アは冷戦終結の前年で1988年。エは2004年のアテネ五輪のことである。
問3. 広島への原爆投下は1945年8月6日。
問5. 常任理事国以外で核兵器を保有しているのは、イスラエル・インド・パキスタン・北朝鮮とされている。
問6. ロシアによるクリミア併合に反発した国際社会がロシアのサミットへの参加資格を停止したのが2014年。この年開催されるはずだったロシアが議長国のサミットの8年前が「サンクトペテルブルグ・サミット」という計算になる。
問8. エの中距離核戦力全廃条約が締結されたのが1987年であった。
攻略のポイント
ほとんどが記号選択式の問題というシンプルな問題構成だが、組み合わせ問題が多いので問題数以上の知識を要求され、けっして易しい試験ではない。
特に地理分野はポイントを絞った詳しい知識を問われる問題が多く、他ではあまり見ない種類の出題もあり、難しい。地理分野は重点的に実力アップを図りたい。
他方、歴史分野と政治経済分野は基本事項がしっかり頭に入っていれば得点源にできる。
100点満点で6割5分~7割の受験者平均点なので、皆ができるところではミスをしないよう、着実な実力をつけよう。
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