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桐朋中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2024年度「桐朋中学校の国語」
攻略のための学習方法

【問題構成】

大問2つに文学的文章と説明的文章が割り当てられるのが、ほぼ定形となっている。
文量は7000~8000字ほど。漢字の書き取り・記号選択・書き抜き・記述問題などが毎年出題されている。
記述問題は字数指定の無いものが長短合わせて4~5問出題される。
特に100字ほどでまとめるものは4~5つの要素をうまくまとめる必要があるので、過去問でよく慣れておくことが大事である。なお、2022年度で出されなった100字ほどの長文記述が2023年度以降ではまた出されている。

【漢字の書き取り】

毎年出題されている。極端に難しい問題は見られないので、初級~中級レベルの教材をしっかりマスターして、全問正解を目指したい。

【長文読解】

使われる素材文は中高生対象のものが多く、難しくて読むのに苦労するということはない。
設問でも、記号選択や書き抜きの問題は無理に難しいものではなく、適正な実力があれば正解できるのでミスなく得点源としたいところである。

論理的文章の読解であれば、段落分け・要点と細部・要旨と要約といった基本の技術を磨きたい。
形式段落→意味段落のまとめ。意味段落の内容を小見出しのように考えておくとわかりやすい。
各段落の最初と最後に注目して、要点に傍線を引くなどして探しやすくしておく。
最後にそれらをまとめておおまかな要約・結論を見出す。

文学的文章であれば、場面分け・心情把握・テーマの理解など。時間・場所・登場人物の動きなどから場面の変わり目をチェックする。
人物の言動・情景などから心情を考える。予断なく、文中の手がかりから正確に読み取りたい。そして、全体として作者が描きたかったのはどんなことなのかを理解する。
このような読解の基本を繰り返し練習しておこう。

【記述問題】

長短合わせた記述問題は、やはり手間がかかる部分である。
70字や100字ほどでまとめる問題は字数を埋めるだけでも大変であるし、まとめ方をよく考えずに書いてしまって失敗すると最初から書き直して大きく時間を失うはめになる。
字数に合わせて書くべきポイントを整理し、破綻のないようにまとめられるように、類似問題で繰り返し練習したい。

2018年度以降、文中からそのまま抜き出してまとめられる問題は少なくなったようである。人物の表情や行動からその気持ちを、示された例から筆者の主張したいことを、自分で考えてまとめないと内容の薄い答えになってしまう記述が多かった。
本文から適切な部分を抽出してまとめられる形が多かった従来よりも、難しくなった印象を受ける。人物の心情や筆者の意見を細かく考えながら文章を読む訓練を積んでおきたい。

答えとして求められている内容を探し出す読解力・それを条件に合うようにうまくまとめる記述力を高めよう。
満点を目指さなくても良いので、必要な字数を書いて部分点を稼ぎ、記述でも十分な得点を期待できるように力をつけておこう。

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2024年度「桐朋中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

文量は6400字ほど、総解答数は25問で例年と大きな変化はない。記述問題は40~50字ほどのものが2問、80~100字ほどのものが3問の計5問。記述問題に計18~20分ほどは見ておきたいので、素材文の読みと残りの問題を30分強でこなせるスピードを身につけたい。選択肢はシンプルで選びやすいので、さほど時間はかからないだろう。

【大問一】小説の読解

  • 難度:標準
  • 時間配分:25分

日記に目標を書くことで努力できたという経験が、主人公のみならず友人にも変化をもたらしていた。

問一 鉄棒で失敗し望まないあだ名をつけられてしまったために「もしできなかったら」という不安も感じていたが、水泳や長距離走のときと同じように日記に書くことできっと積極的に取り組めるだろうと考え、前向きな気持ちになった。

問二 田中さんは口数が少なくめったに笑ったりしないので、まわりから「敬遠」されているとまではいわないが、とっつきにくいと思われている。

問三 はじめは田中さんの横で緊張していた・休み時間に話したり勉強を教えてもらったりするようになった・授業中すごくまじめになった……など、山下に起こった変化を挙げている。田中さんと打ち解けたり、勉強に積極的になったりといった変化が、主人公には予想外だったのだろう。

問四 別に変化はないと口では言いながら、憂鬱という漢字を書けるようになったことで自信が持てるようになった自分に「ちょっと興奮している」様子が描かれている。「ユカリン」の名前を出されて「しばらくだまって~鼻をピクピクさせた」場面である。

問五 友達としていい影響を与えたり与えられたりしているのだが、面と向かって褒められたりお礼を言ったりするのは照れくさいという、小学生のよき友人関係である。

問六 直後に説明されている。書くつもりではいるが具体的な内容は決まっておらず、この段階ではっきり「書く」とは言いづらいということあろう。

問七 主人公に影響を受けて日記を書き始めた山下だったが、「苦戦している」。まだ慣れていないこともあり、書き続けられるかどうか・書いたことを達成できるかどうか自信がなかったが、主人公と日記を見せ合おうと約束したことで、ともに努力する仲間を得た気持ちになり、頑張れると思ったのである。

問八 日記を書いたことで、それまでできなかったことができるようになった。のみならず、そのことがクラスメイトの山下にも影響を及ぼしている。川の流れが一見いつも同じように見えて実は同じ流れは一つもないのと同じように、日々少しずつではあるが自分という人間も変わり続けているのだと実感しているのであろう。

問九 A. 印象  B. 検定  C. 複雑  D. 羽化

【大問二】随筆文の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:25分
  • ★必答問題

読書という文化が廃れたら、人は退化してサルと化し愚かな争いを繰り返すことになると危惧している。

問一 a. 費(やす)  b. 貧(しい)  c. 提供  d. 講演

問二 次の段落で「非合理的と知りながら一度覚えたやり方をいつまでも変えられない」自身の性格が述べられている→選択肢

問三 Ⅰ. 「受け付けず」という否定との組み合わせで「てんで」。
   Ⅱ. 「毎日一冊の本を読む」などという人間は、「いわゆる」活字中毒者である。
   Ⅲ. 速読家どころか「むしろ」読むのが遅い。

問四 「暇つぶし・娯楽」のつもりの読書で、楽しみながら「教養の獲得」ができる。遊びながら学べるという一つの理想形である。

問五 科学の急進的な進歩による現代の忙しい環境は活字文化を圧迫している。本を読まなくなった人類は文化的・道徳的に退化して進歩し続ける技術を使いこなせず、兵器として使用する野蛮な社会になってしまうのではないかという筆者の懸念である。 

問六 「そうした」は前の数段落で説明されている内容を指している。かつては「本でも読むか」という時間の余裕があったが、テレビ・パソコン・携帯電話などの技術の進歩がそうした時「暇」を奪ってしまった。他にやる事がいくらでもあり、退屈する時間がない。そのような社会の縮図が旅客機の中でも見て取れるわけである。

問七 選択肢のような気持ちも当然あると考えられるが、「言葉の尊厳を護った」という強い自負を考えると、選択肢のほうがふさわしい。

攻略のポイント

合格者平均点から考えて、6割~6割5分の得点を目指したい。漢字や記号選択の問題を手堅く得点した上で、記述問題に十分解答出来るかが大事になってくる。

長文記述は繰り返し練習して字数やまとめ方の感覚をつかんでおこう。書く要素が十分思いつかなかったとしても、必要な字数を埋めれば部分点は期待できる。諦めずに泥臭く得点を狙っていこう。

漢字・記号選択などの問題は、比較的答えやすく時間も取られないので、テンポよくこなして長文記述になるべく多くの時間を残したい。

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