桐朋中学校 入試対策
2017年度「桐朋中学校の国語」
攻略のための学習方法
【問題構成】
大問2つに文学的文章と説明的文章が割り当てられるのが、ほぼ定形となっている。 文量は7000~8000字ほど。漢字の書き取り・記号選択・書き抜き・記述問題などが毎年出題されている。
記述問題は字数指定の無いものが長短合わせて4~5問出題される。特に100字ほどでまとめるものは4~5つの要素をうまくまとめる必要があるので、過去問でよく慣れておくことが大事である。
【漢字の書き取り】
毎年出題されている。極端に難しい問題は見られないので、初級~中級レベルの教材をしっかりマスターして、全問正解を目指したい。
【長文読解】
使われる素材文は中高生対象のものが多く、難しくて読むのに苦労するということはない。設問でも、記号選択や書き抜きの問題は無理に難しいものではなく、適正な実力があれば正解できるのでミスなく得点源としたいところである。
論理的文章の読解であれば、段落分け・要点と細部・要旨と要約といった基本の技術を磨きたい。形式段落→意味段落のまとめ。意味段落の内容を小見出しのように考えておくとわかりやすい。各段落の最初と最後に注目して、要点に傍線を引くなどして探しやすくしておく。最後にそれらをまとめておおまかな要約・結論を見出す。
文学的文章であれば、場面分け・心情把握・テーマの理解など。時間・場所・登場人物の動きなどから場面の変わり目をチェックする。人物の言動・情景などから心情を考える。予断なく、文中の手がかりから正確に読み取りたい。そして、全体として作者が描きたかったのはどんなことなのかを理解する。
このような読解の基本を繰り返し練習しておこう。
【記述問題】
長短合わせた記述問題は、やはり手間がかかる部分である。 70字や100字ほどでまとめる問題は字数を埋めるだけでも大変であるし、まとめ方をよく考えずに書いてしまって失敗すると最初から書き直して大きく時間を失うはめになる。
字数に合わせて書くべきポイントを整理し、破綻のないようにまとめられるように、類似問題で繰り返し練習したい。
ただし、答える内容としては「じぶんの考えを述べよ」・「じぶんの言葉で答えよ」といった論説的な記述問題は少ない。自分で考えて書くような設問も一部に見られるが、多くは本文から適切な部分を抽出してまとめられるようになっている。
答えとして求められている内容を探し出す読解力・それを条件に合うようにうまくまとめる記述力を高めよう。満点を目指さなくても良いので、必要な字数を書いて部分点を稼ぎ、記述でも十分な得点を期待できるように力をつけておこう。
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2017年度「桐朋中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
文量は7000字ほど、総解答数は29問で例年と大きな変化はない。記述問題は長短合わせて計6問。記述問題に計20分ほどは見ておきたいので、素材文の読みと残りの問題を30分程度でこなせるスピードを身につけたい。選択肢はシンプルで選びやすいので、さほど時間はかからないだろう。
【大問1】小説の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:31分
- ★必答問題
駅伝で走りながら振り返る主人公の過去。視覚障害者である母にうまく接することができなかった自分を反省し、駅伝で活躍する姿をラジオを通して母に伝えようとする。
問一 語句の問題。基本レベルなので、全問正解したい。
問二 「本文の後半から」の条件を見逃して無駄に前半を探したりしないように。母への愛情、特に母が全盲であるからこそ一緒にできることが描かれた箇所がある。
問三 傍線②の直前に注目。周囲の人からの、主人公自身に向けられた批判と母に向けられた批判とが書かれているのだが、どちらも母の目が見えないことに理由付けられている。この点が主人公には腹立たしかったのである。
問四 ある出来事を通して母親が自分の側に立ってくれていないと感じるようになり、それが母に対する「わだかまり」となった。後に主人公の心が成長し、今度は自分に対してある「わだかまり」を持つようになった。本文に詳しく書いてあるので、適切にまとめる。
問五 息子とうまく意思の疎通ができておらず、口もきいていなかった時期が長かった。その原因は自分の目の障害にあると母は苦しんできたことだろう。そんな母がこの手紙を受け取ったとき、どのように思うか。母親の身になって考える。
問七 「母親自身にも」の語に注目。「その顔」は母親の表情のことである。長く苦しんできたであろう母自身に、母自身の「ある」表情を見せたいと主人公は言っているのである。どのような表情か。
問八 ラジオのパーソナリティーに向けられた言葉。自分が走者として成長した姿を、ラジオの実況で母に届けたいのである。母を喜ばせたい・感謝の気持ちを伝えたいという意を中心にまとめれば良い。
<時間配分目安:31分>
【大問2】論説的随筆文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:19分
知的生産性を育む観点から、なんでも単純に決めつけずにまずは物事を疑い、自身の頭でよく考え判断する姿勢が大事だと説いている。
問二 「傍線①よりも後の部分から」という条件に注意。本文の冒頭にもぴったりの表現があるが、ここは使えない。似たような内容の部分をもう少し後から探す。
問三 ここは単純にどちらか一つに決めつけてしまうことの危険性を述べている。「正しい/間違っている」は単なる例であって「善悪」に限定した話をしているのではない点に注意。
問四 「知的生産性」が低くなってしまうような環境についてまとめればよい。
問五 この問題は、直接文中に使えそうな部分が見当たらないので、少し自分で考える必要がある。「時代は転換期で(現)大人たちが今起きていることを理解できていない」とある。
大人たちが当てにならないので、自力で考え判断する(=大人になる)必要があるということになる。
問八 画一的な考えにとらわれず、さまざまに思考を巡らすことが知的生産性を生み出すと筆者は考えている。世の中のすべての事物をまずは受け止め、自分なりの判断の材料にしていけば良いのである。
<時間配分目安:19分>
攻略のポイント
合格者平均点は6割ほど。漢字や記号選択の問題を手堅く得点した上で、記述問題に十分解答出来るかが大事になってくる。
長文記述は繰り返し練習して字数やまとめ方の感覚をつかんでおこう。書く要素が十分思いつかなかったとしても、必要な字数を埋めれば部分点は期待できる。諦めずに泥臭く得点を狙っていこう。
漢字・記号選択などの問題は、比較的答えやすく時間も取られないので、テンポよくこなして長文記述になるべく多くの時間を残したい。
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