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桐朋中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2022年度「桐朋中学校の国語」
攻略のための学習方法

【問題構成】

大問2つに文学的文章と説明的文章が割り当てられるのが、ほぼ定形となっている。

文量は7000~8000字ほど。漢字の書き取り・記号選択・書き抜き・記述問題などが毎年出題されている。

記述問題は字数指定の無いものが長短合わせて4~5問出題される

特に100字ほどでまとめるものは4~5つの要素をうまくまとめる必要があるので、過去問でよく慣れておくことが大事である。なお、2022年度では例年のような100字にもなるような長文記述は出されなかった。

【漢字の書き取り】

毎年出題されている。極端に難しい問題は見られないので、初級~中級レベルの教材をしっかりマスターして、全問正解を目指したい

【長文読解】

使われる素材文は中高生対象のものが多く、難しくて読むのに苦労するということはない。

設問でも、記号選択や書き抜きの問題は無理に難しいものではなく、適正な実力があれば正解できるのでミスなく得点源としたいところである。

論理的文章の読解であれば、段落分け・要点と細部・要旨と要約といった基本の技術を磨きたい。

形式段落→意味段落のまとめ。意味段落の内容を小見出しのように考えておくとわかりやすい。

各段落の最初と最後に注目して、要点に傍線を引くなどして探しやすくしておく。

最後にそれらをまとめておおまかな要約・結論を見出す。

文学的文章であれば、場面分け・心情把握・テーマの理解など。時間・場所・登場人物の動きなどから場面の変わり目をチェックする。

人物の言動・情景などから心情を考える。予断なく、文中の手がかりから正確に読み取りたい。そして、全体として作者が描きたかったのはどんなことなのかを理解する。

このような読解の基本を繰り返し練習しておこう

【記述問題】

長短合わせた記述問題は、やはり手間がかかる部分である。

70字や100字ほどでまとめる問題は字数を埋めるだけでも大変であるし、まとめ方をよく考えずに書いてしまって失敗すると最初から書き直して大きく時間を失うはめになる。

字数に合わせて書くべきポイントを整理し、破綻のないようにまとめられるように、類似問題で繰り返し練習したい

2018年度以降、文中からそのまま抜き出してまとめられる問題は少なくなったようである。人物の表情や行動からその気持ちを、示された例から筆者の主張したいことを、自分で考えてまとめないと内容の薄い答えになってしまう記述が多かった。

本文から適切な部分を抽出してまとめられる形が多かった従来よりも、難しくなった印象を受ける。人物の心情や筆者の意見を細かく考えながら文章を読む訓練を積んでおきたい

答えとして求められている内容を探し出す読解力・それを条件に合うようにうまくまとめる記述力を高めよう。

満点を目指さなくても良いので、必要な字数を書いて部分点を稼ぎ、記述でも十分な得点を期待できるように力をつけておこう。

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2022年度「桐朋中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

文量は7200字ほど、総解答数は30問で例年と大きな変化はない。記述問題は40~50字ほどのものが計5問。記述問題に計15~17分ほどは見ておきたいので、素材文の読みと残りの問題を35分以内でこなせるスピードを身につけたい。選択肢はシンプルで選びやすいので、さほど時間はかからないだろう。

【大問一】随筆文の読解

  • 難度:標準
  • 時間配分:25分

タレントである黒柳徹子の役柄に関する思い出話から、戦時中への経験とそこで得た想いが語られる。

問一 役柄になりきった黒柳を見てディレクターが本人と気づかなかったエピソードが語られている。その時の黒柳は「生活に疲れた、薄汚れたおばさん」にしか見えなったのである。

問二 身を粉にして――労力を惜しまず一心に働くようす。

問三 黒柳本人と気づいていないので、見ず知らずの普通のおばさん(あるいはおばさん役のエキストラなど)に話しかけられたと思っている態度である。

問四 他の三つは役柄としての田口ケイだが、波線だけは「田口ケイのように苦労を重ねて生活に疲れた人」という意味で使われている「暗喩」である。

問五 最初は自分が田口ケイというみすぼらしいおばさんの扮装をしているために容貌や出で立ちで差別され邪険に扱われているのかと思ったが、それは邪険でもなんでもない普通の対応であり、自分が芸能人であるために今までが丁寧に扱われすぎていたのだと気づいた、と語られている。

問六 Ⅰ. 無愛想   Ⅱ. 不親切

問七 子供の時の疎開先での経験から読み解く。行商のおばさんから親切にされたが、そのおばさんも苦労して生きているようすが感じられた。このように子供の時から、多くの「田口ケイ」のような人、苦労しながらも懸命に生き、それでも他人に優しくしてあげられる人たちに出会ってきて、そのやさしを自分も受けていたわけである。

問八・問九 出征する兵隊を何の考えもなしに応援していたが、その後の彼らの過酷な運命に考えが及んだ時、応援したことを後悔した。極端に言えばそれは「頑張って死んでこい」と言っているに等しかったということに気づいたのである。このような戦時中の経験を通して、自分とはまったく境遇の違う人たちのことも慮(おもんばか)ることが大事だと感じるようになったのであろう。

問十 A. 給料  B. 意図  C. 要領  D. 好評

【大問二】論説的随筆文の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:25分
  • ★必答問題

カナダの山地で暮らす筆者の樹木を慈しむ気持ちが語られ、木にも命があるという点において人と変わらないという思いが述べられている。

問一 A. 染(まり)  B. 水源  C. 災害

問二 Ⅰ. 落ち着いて見えるのだから「しっとり」

Ⅱ. 山の中腹まで続く道は「うねうね」

Ⅲ. 風に吹かれて「はらはら」散る葉っぱ。

問三 多くの種類がある楓だが、それぞれの木に葉を散らせたり芽吹いたりする時期を計る時計のようなものがあるのではないかと想像している。

問四 毎年いちばんに赤くなる木を「気の早い木」と性格があるかのように感じている。

問五 森の木々がもたらすさまざまな恩恵で多くの生物の生命が育まれている。その恵みは「惜しげもなく(惜しむようすもなく・気前よく)」与えられるのである。

問六 具体的にいくつか書かれているが、すべてを書こうとすると字数が足りないので、「太古の昔からあらゆる生き物に多大な恩恵を与えてきたから」のように大きくまとめるとよい。

問七 木を「me」と表現することで擬人化し、人間が木の気持ちを想像できるような働きかけをしている。

問八 空欄1には「花」がはいるはずだが、筆者は子孫を残すために季節外れに咲いている「決死の花」だと表現している。その姿は筆者の目に「健気な」姿に映ったのである。

問九 木を擬人化する筆者を笑う者もいるだろうが、木にも生命があるという点で人間と変わらないのだと考えないと、樹木や自然を保護するにしても、真剣に取り組もうとしないのではないかと筆者は考えているのである。

攻略のポイント

合格者平均点から考えて、6割~6割5分の得点を目指したい。漢字や記号選択の問題を手堅く得点した上で、記述問題に十分解答出来るかが大事になってくる。

長文記述は繰り返し練習して字数やまとめ方の感覚をつかんでおこう。書く要素が十分思いつかなかったとしても、必要な字数を埋めれば部分点は期待できる。諦めずに泥臭く得点を狙っていこう。

漢字・記号選択などの問題は、比較的答えやすく時間も取られないので、テンポよくこなして長文記述になるべく多くの時間を残したい

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