桐朋中学校 入試対策
2016年度「桐朋中学校の社会」
攻略のための学習方法
[傾向]
試験時間30分で、大問が3つに総解答数30前後という構成。
ここ数年は大問1・2・3がそれぞれ歴史分野・政治分野・地理分野の問題と、3つの分野が決まった形式でバランス良く出題されている。記号選択と用語記入が大部分で、字数指定の無い4~5行程度の記述問題が2問含まれるという形も毎年変わりない。
基本レベルの知識を問う問題が中心で、オーソドックスな試験と言える。
[地理分野]
日本の国土・地勢・各地の産業に加えて、日本と関わりの深い国々の問題も見られる。
地図や資料を使った問題やグラフの読み取りもよく出されている。
基礎的な知識を問う問題が多いが、この地理分野では、「○○の第2位と第3位の県」というような、1位を覚えているだけでは答えられない質問や、人口100万人以上の都市についての問題(平成25年度)なども出され、細かい知識を訊かれることもある。地図帳・白地図で地名や地形等の基本的な事柄や位置を確認しながら、資料集で産業や経済のデータを億劫がらずに第3位まで暗記するなど、丁寧に取り組みたい。
また、ヨーロッパ・アジア・中東地域など、日本とつながりのある国や地域についてもしばしば出題されるので、こちらも地図や資料集で位置や基本的なデータは頭に入れておくようにする。
[歴史分野]
各時代から幅広く出題されている。
基礎的な知識で答えられる問題がほとんどで、漢字で書きづらい難しい人物名なども出されていない。
政治史・文化史といった一つのテーマに沿った出題が多く見られるので、年表で各分野の流れを整理しておくと良い。資料もよく使われるので、資料集で図版などもよく見ておく。
ここしばらく、2問の記述問題の内、1問がこの分野で出されるパターンが続いている。
歴史上の出来事や重要語句について説明させるような内容で、テーマについて考えを述べるような論述問題ではない。歴史の基礎的な知識が定着していれば、十分解答できるレベルである。
記述と訊くと難しいと思いがちだが、自分の知識をまとめれば答えられる問題であり、字数の細かい指定もないので比較的書きやすい形式でもある。苦手意識を持たず、しっかり答えて欲しい。
[政治分野]
日本国憲法・三権の仕組みなどの基本をしっかり頭に入れておけば特に困らない。
この分野と関連づけて時事問題が出されるので注意する。
そして、2問の記述の内、もう一問がこの分野で出題される。
こちらは歴史分野と少し違っていて、「社会の問題点を、統計などの特徴から読み取らせる」といった内容が多く、少し難しくなっている。
ただし、これもよく話題になる事柄が多く、テキストや副教材にも解説が載っている場合も多いので、初めて聞いたなどということにはならないだろう。記述用の問題集を使っての練習も有効である。
[まとめ]
男子上位校の割に、社会の問題は素直で基本的な出題傾向となっている。
難問集などは必要無いので、テキスト・副教材を丁寧に学習して基本をしっかり身につけるべきである。
地図帳や白地図で名前や位置、地域の特色なども整理しておく。
並べ替えの問題など、一般に難しいとされる形式の出題もあるが、先で述べた記述問題の場合と同じく、基本的には十分な基礎知識があれば答えられるような問題となっている。
とにかく、特別変わった対策は要らないので、基本事項とその周辺知識は弱点を作らずしっかりマスターするということを心がけて欲しい。合格者平均点も高めとなっているので、不用意なミスをしないよう、落ち着いて試験を受けられる精神力も身につけておきたい。
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2016年度「桐朋中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数37問中、記述問題が2問ある。
字数の指定は無いが、さほど時間がかかる記述でもないので、各3~4分あれば足りるであろう。
その他の問題に45秒ほどかけられる計算だが、時間を取られる複雑な設問でもないので、試験時間30分で無理なく終えられるだろう。
資料も読み取りやすいものが多い。
【大問1】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
いろいろな時代から出題されている
問1 資料を時代順に並び替える問題。資料もわかりやすく、時代も区別しやすいので難問ではない。関連して、問2でその出来事の場所も訊かれている。戦や条約の締結地なども油断なく覚えておこう。
基本事項の問題が多い。問7の原爆が投下された日を答えられなかった人は早急に復習が必要であろう。
問8 ここはやや難しいか。選択肢(あ)と(う)が時代的に合っているので知らないと迷ってしまう。ただ、時宗のような要人が命じたことならば記憶にあるはずと考えて、正解を選べたかもしれない。
問10 選挙制度の内容について。時代が変わり、制度の内容に変化があったような場合は、特に注目して正確に暗記してしまおう。
<時間配分目安:10分>
【大問2】地理分野
- 難度:やや難
- 時間配分:12分
災害に関連して、各地の地理について訊かれている。
問1 災害の起こった地域の問題。説明の中に場所を特定できる言葉が含まれているのでわかりやすい。
問2 一見、難しそうだが、平地に乏しい地域と考えられるので、おのずと答えは絞られる。
問3 重大ニュース集などをしっかり読み込んでおかないと答えられなかったかもしれない。
問4~問7 世界知理も合わせて出題されている。スマトラ島は東南アジア、四川は中国南西部、ネパールはインドと中国に挟まれ、アイスランドは大西洋北部にある。
<時間配分目安:10分>
【大問3】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:11分
- ★必答問題
税を話題に憲法や政治の仕組みについて訊かれている。
問2 第2位が国債関係費であるとわかれば答えはひとつに絞られる。
問3 ここでは問題とされていないが、税を納める対象(国か地方自治体か)は覚えていない人もいたかもしれない。国税か地方税かなども注意して見ておこう。
問7 累進課税についてやや詳しく問題が作られている。多少複雑な計算が必要になり、ミスした人もいたと思われる。計算例も示されているのだから、落ち着いて考えれば正解が出る。設問2は計算例と設問1をふまえて考える問題。そもそも社会的な格差を是正するための制度であることを思い出す。
<時間配分目安:10分>
攻略のポイント
毎年、テストの形式が全くといってよいほど同じパターンなので、まずは過去問で本校の試験に慣れてしまえば、試験当日に落ち着いて臨めるだろう。
問題自体は高偏差値の学校の割にごく基本的なレベルなので、テキスト・問題集にしっかり取り組んできた受験生なら、それほど難しくはないはずだ。
地理については前述のように、多少細かい知識を訊かれる傾向があるので、重要事項にプラスしてその周辺の少し詳しいデータも頭に入れておいた方がよい。
記述問題は、良く出される典型的な問題も多いので、いわゆる『記述対策問題集』といったものも役に立つだろう。ただ、グラフの数値を読み取って答える形もあるので、資料集などでデータの見方に慣れておくこと。
合格者平均点は7割~7割5分ほどに達するので、高得点の勝負になるのを覚悟して、隙のない答案を作れるよう、確実な基礎力を身につけて試験本番に臨みたい。
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